【速報!】2022年度(第72回)税理士試験結果発表について~昨年に続き若年層の受験者数改善傾向~
2023/11/01
2022年11月30日に、2022年度(第72回)税理士試験の合格発表がありました。
合格された方、本当におめでとうございます。残念ながら今回合格に至らなかった方、大変お疲れ様でした。
2020年、2021年と試験日が通年の2週間遅れとなる変則的な日程でしたが、2022年は通年通り8月の初旬に税理士試験は実施されました。
ちょうど新型コロナウイルス感染症落ち着きつつある中での実施となり緊張が緩和された中、実施されたことは幸いでした。
今回の合格発表の結果はどうだったのでしょうか。
ちなみに2023年は通年通りのスケジュールで、令和5年8月8日〜令和5年8月10日に開催されることが予定されています。
やはり通年通りの日程で開催されることでスケジュールが組みやすくなりますよね。
この記事では2022年度の結果発表と直近5年のデータの分析から見えてくることをお伝えいたします。
是非、ご参考にしてください。
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参考:国税庁「令和5年度(第73回)税理士試験実施スケジュールについて」
コンテンツ目次
2022年度(第72回)税理士試験にまつまる全体的な数字
2022年(第72回)税理士試験の受験者数・合格者数・合格率は下記の通りです。
受験者数:28,853人
合格者数:5,626人(5科目到達者数:620人、一部科目合格者数:5,006人)
合格率:19.5%
2021年度と比べて、
2022年度の受験者数は1,554人増加しました。
2022年度の合格者数は487人増加しました。
2022年度の合格率は0.7%増加しました。
受験者数は2021年より増加して、科目合格者も5科目到達者数も過去10年平均より多少下がるといった結果になりました。
合格者数が増加したというのはコロナ禍がおつつきつつある中、税理士試験への意欲と緊張が緩和されたことが伺えます。
2022年度(第72回)税理士試験結果表(学歴別・年齢別)
2022年(第72回)税理士試験の学歴別・年齢別の受験者数、合格者数、合格率は下記の通りです。
税理士試験結果表(学歴別)
学歴等区分 | 受験者数 | 5科目到達者数 | 一部科目合格者数 | 合格者数合計 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
大学卒 | 21,822人 | 493人 | 3,561人 | 4,054人 | 18.6% |
大学在学中 | 1,463人 | - | 436人 | 436人 | 29.8% |
短大・旧専卒 | 660人 | 16人 | 75人 | 91人 | 13.8% |
専門学校卒 | 2,591人 | 59人 | 404人 | 463人 | 17.9% |
高校・旧中卒 | 1,962人 | 44人 | 389人 | 433人 | 22.1% |
その他 | 355人 | 8人 | 141人 | 149人 | 42.0% |
合計 | 28,853人 | 620人 | 5,006人 | 5,626人 | 19.5% |
税理士試験結果表(年代別)
年齢別 | 受験者数 | 5科目到達者数 | 一部科目合格者数 | 合格者数合計 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
41歳以上 | 10,805人 | 274人 | 965人 | 1,239人 | 11.5% |
36~40歳 | 4,407人 | 112人 | 743人 | 855人 | 19.4% |
31~35歳 | 4,581人 | 114人 | 901人 | 1,015人 | 22.2% |
26~30歳 | 4,131人 | 82人 | 911人 | 993人 | 24.0% |
25歳以下 | 4,929人 | 38人 | 1,486人 | 1,524人 | 30.9% |
合計 | 28,853人 | 620人 | 5,006人 | 5,626人 | 19.5% |
やはり41歳以上の受験者数・合格者数がとても多いです。
一方、合格率でみると25歳以下の合格率が30.9%と高いです。
これは、年齢を重ねた方は残り1科目、2科目といった人が多く、残りは苦手だったり合格率の低い科目だったりすることから合格率が低いものと考えられます。
逆に25歳以下の合格率が高いのは、簿財などの基本的な項目から受験する人が多く合格率が上がっているものと思われます。
受験者の学歴としては大卒者が圧倒的に多いです。
5科目到達者数の学歴も大卒者が多かったのですが、大学在学中の方で5科目到達者はいませんでした。
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令和4年度(第72回)税理士試験結果表(科目別)
2022年税理士試験の科目別の受験者数、合格者数、合格率は下記の通りです。
税理士試験結果表(科目別)
科目 | 受験者数 | 合格者数 | 4年度合格率 | 3年度合格率(参考) |
---|---|---|---|---|
簿記論 | 12,888人 | 2,965人 | 23.0% | 16.5% |
財務諸表論 | 10,118人 | 1,502人 | 14.8% | 23.9% |
所得税法 | 1,294人 | 182人 | 14.1% | 12.6% |
法人税法 | 3,454人 | 425人 | 12.3% | 12.8% |
相続税法 | 2,370人 | 336人 | 14.2% | 12.8% |
消費税法 | 6,488人 | 740人 | 11.4% | 11.9% |
酒税法 | 454人 | 60人 | 13.2% | 12.6% |
国税徴収法 | 1,709人 | 235人 | 13.8% | 13.7% |
住民税 | 476人 | 82人 | 17.2% | 12.7% |
事業税 | 269人 | 38人 | 14.1% | 12.6% |
固定資産税 | 910人 | 167人 | 18.4% | 13.8% |
合計 | 40,403人 | 6,732人 | 16.7% | 16.5% |
科目合格制が採用される税理士試験では、試験科目の選択が最終合格に非常に大きな影響を与えます。
今回残念ながら不合格となった方のうち、一生懸命勉強した科目に手ごたえがなかったという人は、違う科目に変えるのも一つの手段かもしれません。
2022年税理士試験の「財務諸表論」「法人税法」「消費税法」の合格率は、2021年税理士試験の合格率に比べて、それぞれ、9.1%、0.5%、0.5%下がっています。
一方で、「簿記論」は大幅に合格率が上昇しており、6.5%も上がっています。その他、「固定資産税」も、4.6%と合格率が上がっています。
2022年税理士試験は2021年と比較すると、受験者数も合格率も通年に近しい数値まで回復していると考えられます。
直近5年の合格者データ
2018年~2022年の税理士試験の受験者数、一部科目合格者数、5科目到達者数、合格者数、合格率は下記の通りです。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 30,850人 | 29,779人 | 26,673人 | 27,299人 | 28,853人 |
一部科目合格者数 | 4,044人 | 4,639人 | 4,754人 | 4,554人 | 5,006人 |
5科目到達者数 | 672人 | 749人 | 648人 | 585人 | 620人 |
合格者合計 | 4,716人 | 5,388人 | 5,402人 | 5,139人 | 5,626人 |
合格率 | 15.3% | 18.1% | 20.3% | 18.8% | 19.5% |
税理士試験の受験者数はここ最近減少傾向にありましたが、2021年に続き2022年も増加しています。
一部科目合格者数は過去5年で最多となっていました。
2年連続若手の受験者数が改善された
2022年税理士試験の25歳以下の受験者数は4,929人でした。2021年は4,280人です。
一方、2020年税理士試験の25歳以下の受験者数は3,716人です。
比較すると、2022年税理士試験の25歳以下の受験者数は2021年より2021年税理士試験の25歳以下の受験者数が649人多いです。2020年と比較すると1,213人増えたことになります。
近年若手の受験者数が減少していた状況でしたが、2022年においては少し改善され、高齢化が進む税理士業界にとって明るい兆候が見えた年となりました。
現状、税理士資格をもっている若手がとても少ないことから、将来を担う若手にとってはライバルが少ない状態と言えます。
高齢化が進む会計業界は深刻な後継者不足に悩まされています。現在20代の方には将来的にある種チャンスが巡ってくる可能性が高いと言える状況でしょう。
会計業務のIT化・AIの普及等の影響により、記帳代行などの作業的な業務の需要は益々少なくなっていくことが予想されます。
そのため、以前までの税理士とは異なり、付加価値提供が可能な税理士を目指されると、さらにチャンスは広がるでしょう。
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受験者への合格発表の方法は?
5科目到達者の方は、合格発表日(令和4年11月30日)に官報に受験地・受験番号・氏名が掲載されました。
その後、合格証が郵送されるという流れです。
これに対して5科目には到達していない科目合格者・免除決定の受験生・不合格の受験生に対しては、税理士試験等結果通知書が郵送されます。
言い換えると、一部科目に合格したかどうかは、税理士試験等結果通知書が手元に届くまで分かりません。
なお、税理士試験に受験申込みをした科目をすべて欠席した人には、試験結果の通知はありません。
令和5年度(2023年度)の税理士試験スケジュール
令和5年度(2023年度)第73回の税理士試験については、下記日程で実施予定です。
日程 | |
---|---|
試験実施官報公告 | 2023年4月7日 |
受験申込受付開始 | 2023年5月9日 |
受験申込受付締切 | 2023年5月19日 |
試験実施 | 2023年8月8日~2023年8月10日 |
合格発表 | 2023年11月30日 |
注意するべきポイントは、2022年に続き試験実施日が通年通り8月初旬になっています。
試験勉強の計画する際に配慮したほうがいいでしょう。
また、合格発表も2022年度と同様となっていますので、結果発表を待ってから転職活動を始めようと考えている方は注意してください。
参考:国税庁「令和5年度(第73回)税理士試験実施スケジュールについて」
まとめ
ここまで、2022年度(第72回)税理士試験の結果発表について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
2022年度第72回税理士試験に挑まれた方は、コロナ禍が収束しない中、色々な状況に置かれているかと思います。
例えば、
・勉強に集中できたので初めての試験で2科目合格できた
・コロナ禍で勉強に集中できず今年はだめだった
・今年1科目合格し、最終科目合格できた
などなど、個々の受験生ごとに様々な状況でしょう。
ただ、5科目合格に到達していない方に共通して言えるのは、モチベーションを維持し、5科目合格に到達するための環境に身を置き続ける必要があるということです。
コロナ禍が続く中、緊張を強いられる環境で勉強に集中しなくてはいけない状況は、通常時の何倍ものストレスがあるかと思います。
そのような環境下で、学生の方も、既に会計事務所にお勤めで働きながら税理士を目指している方も共通しているのは、税理士試験に合格するための決して短くない勉強時間をしっかりと確保する必要があるということです。
既に会計事務所にお勤めで、働きながら税理士を目指している方の内、さらに集中して試験勉強を行いたいと考えている方は、働く環境を変えることも検討して頂いていいかもしれません。
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