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税理士の魅力とは

税理士の仕事内容とは?主な就職先、魅力・やりがいについても解説

税理士という名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような仕事をするのか良く分からないという方は意外と多いのではないでしょうか。

一般的なサラリーマンとして企業勤めをしている場合、税理士との接点も少なく、一緒に仕事をすることも経理部の方を除いてそう多くはないことと思います。税理士を目指して勉強を進めていても、具体的な仕事内容をイメージまでは湧いていないという方もいらっしゃるかも知れません。

税理士試験は超難関試験として数千時間という勉強時間が必要なこともあり、1年で5科目合格するのは不可能に近いと言われるほどの難しさです。たとえ試験に合格しても2年間の実務経験を積まなければならず、幾重にも壁が立ちふさがっていることでも知られています。

現在、税理士を志して勉強している方にとっても、晴れて税理士になった際にはどのような仕事に携わるのか、知っておきたいですよね。そこで今回の記事では、税理士の仕事内容について徹底解説します。

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税理士の仕事とは?

税理士の仕事の役割は、税金について悩んでいる企業や個人に代わって税務業務を代行したり、税金のアドバイスをして問題解決をしたりすることです。
一口に税金といっても所得税や法人税、相続税など様々な種類があり、企業だけではなく個人にも大きく関わるお金です。書類や帳簿の作成、申請といった業務はなかなか骨が折れます。

そこで税理士は、それぞれの税金に対応できるスキルや知識を活かして、適正な税金を払うために決算書作成のサポートや相談を行っています。企業にとって税理士は、無駄なく円滑な経営をするための大切な存在です。

税理士の3つの独占業務

税理士には、税理士法という法律によって以下の3つの独占業務が定められています。

  • 税務処理代理
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

いずれも、税理士資格を持たない人が行うと罰せられる重要な業務です。続いては、税理士の仕事内容について細かく解説します。

税務処理代理

税務処理は非常に複雑な上に頻繁に法改正が行われるため、仕組みを把握していないとスムーズに作業ができません。税務処理に自信がない企業や個人に代わって税理士が代理で業務を行います。

業務の例としては、所得税や相続税などの税金の申告代行や、確定申告・青色申告の承認申請などです。

また、税務処理が終わり申告や納税を済ませた後に、税務署から調査が入った際も、税理士が納税者に代わって説明をする業務も税務代理の1つです。

税務書類作成

税務官公署に送付するための申告書や申請書、請求書の他、不服申し立て関連の書類を代行して作成する業務も税理士の仕事です。例えば年次業務である決算書や、年末調整の書類、確定申告書、青色申告承認申請書。また、月次業務の伝票整理や給与計算、源泉所得税納付書も税務書類作成にあたります。

企業によっては会計や経理が担う仕事でもありますが、より正確な書類を作成するために、税理士に依頼するケースが多く見られます。

税務相談

税理士の仕事として、税金に関する相談や税務調査の対応も挙げられます。特に税務調査は専門的な知識が必要であり、納税者だけで対応するのは難しいため、税理士への依頼が多いです。

また、申告や書類作成のサポート、節税に関するアドバイスも税務相談の1つです。近年は、インターネット環境が整っていることもあり、オンライン相談を実施している税理士も増えています。

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独占業務以外の業務も行う

税理士の仕事内容は上記の独占業務だけではありません。依頼主の会計処理のサポートや経営面でのアドバイスも行います。
会計処理のサポートとは、税務の申告に必要な帳簿の記帳作成のサポート、月次・四半期・年次決算書や有価証券報告書作成のサポートなどが該当します。
また、経営面でのアドバイスとは、事業計画や経費削減に関しての相談対応や、M&A・事業継承のコンサルタント業務などが挙げられます。

相続相談

法改正などにより、最近では「相続税は身近な税金」と言われていることから、税理士に依頼する方も増加傾向にあります。
相続税申告は相続が発生した翌日から10ヶ月以内に行う必要があるため、相談者に寄り添った回答をいち早く伝えられるような、スピード感の伴う準備が必要です。

給与計算

給与計算は一般的に会社の経理部で行われると思われることが多いですが、

  • 個人情報に関わる重要な処理
  • 1円でも間違えてはいけない正確さ

を求められることから、スキルを持った税理士に全て外注する会社も多くなってきています。どこまでお願いするかはそれぞれの会社によって異なりますが、従業員が多ければその分経理部の負担は増えるため、振込みまで全て税理士が受け持つこともあります。
また、個人事業主がクライアントの場合は、給与計算を含め確定申告に関する全ての書類や手続きを一括して行うこともありますよ。

税務調査の立ち合い

企業や所得税の多い個人事業主においては3年~5年に1度の割合で税務調査の対象となります。
企業によっては毎年調査対象になる企業もあれば、何年も対象から外れるといった企業まで様々です。

税務調査の対象となるのは何か理由があるわけですが、その理由や結果に不服がある場合は「不服申し立て」という制度を利用することができます。
この制度は今まで弁護士に依頼されることが多かったのですが、税金に関しては頻繁に法改正されることから、最近では税のプロである税理士が「補佐人」としての資格を得られることになりました。
この「補佐人」となった税理士は、不服申し立てをした企業とその弁護士とともに裁判に参加することができるようになります。

経理指導

企業の経営分析を行うために経営会議に出席する、経理作業を直接指導するといったこともあります。
最近ではインボイス制度導入や電子帳簿保存法改定などによる法改正のため、各企業にとってより良いやり方を提供することに幾度となく足を運んでいる税理士も多いです。
このような法改定では、まず自身が法改定の内容を理解し、クライアントに合った経理指導を目的としています。

一般企業の経理部門では税に関する資格を持っていない人でもなれることから、知識が不十分な担当者がいることも事実です。特に法改定は苦手意識を持つ人が多くいます。そこで税理士が直接経理業務の指導を行うことができるため、企業にとっては心強いパートナーとして重宝されているのです。

起業支援

個人事業主としてビジネスを始める場合は開業届の申請などのため個人で対応しても問題ありませんが、企業として設立する場合は複雑な申請方法となるため、税理士が一括して担当します。

会社を設立する際には、主に登記に関わることから様々なところで専門的知識が必要とされる場面に遭遇します。あるいは会社設立する前に個人事業主からスタートさせた方が税の負担が軽くなる場合もあるため、直接クライアントに法人化するタイミングなどを指導していきます。
このような会社設立から存続に関するアドバイスも全て税理士が担うことができます。

M&A支援

M&Aとは企業の合併と買収の2つのことを意味します。ある企業同士が合併して一つの企業となる、あるいは一つの企業を他の企業を買うことが可能。
しかしこのM&Aに関してはネガティブなイメージを持つ人も多く、その原因の1つとして「しっかりと合併(買収)契約を結ばず安売りしてしまった」ということが挙げられます。
知識が不十分な人が見落としてしまいがちな条件面でも、税理士はその企業に対する税務や会計面などの角度から交渉し、お互い納得したうえで契約を結ぶようにサポートしていきます。

税理士の仕事の繁忙期は年末調整と決算期の直前

税理士の仕事は繁忙期と閑散期がはっきりしています。
前述したように税理士には独占業務があり、税理士に仕事を依頼しなければならない業務が特定の時期にあるためです。
特に確定申告や決算の時期になると、税務書類の作成や提出を税理士に依頼せざるを得なくなります。

確定申告と決算の時期がほぼ重なる企業も多いため、経営者本人が全て一人で行うことが時間的にも難しく、税理士に依頼することになります。そのため、税理士の繁忙期は、年末調整の時期からはじまって、確定申告の時期が最も忙しく、決算期が終わると同時に繁忙期も終わります。

確定申告の時期が最も忙しいのは、企業だけでなく、個人事業主も税理士に相談するケースが増えるからです。

ちなみに、決算期が終われば繁忙期は落ち着きますが、3月決算の企業ばかりではありません。企業の決算期によっては繁忙期がずれ込み、長く繁忙期が続く場合もあります。繁忙期になると税理士の労働はかなり過酷になり、夜遅くまでの残業や休日出勤が続くこともあります。

しかし、閑散期になると、ほぼ残業がなくなるため、不規則なわけではありません。はっきり繁忙期と閑散期が分かれているため、プライベートの計画を立てやすい労働時間と言えるでしょう。

税理士の一年間における仕事の流れ

税理士の一年間の仕事の流れは、簡単にまとめると以下の通りです。

繁忙期・閑散期 主な仕事内容
1月 繁忙期(年末年始) ・年末調整申告書のチェック
・年税額の計算
・源泉徴収票の作成 など
2月 繁忙期(個人確定申告) ・個人事業主の確定申告書の作成
・税務署への提出 など
3月
4月 繁忙期(法人決算) ・法人税や消費税などの確定申告書の作成
・税務署への提出 など
5月
6月
7月 閑散期 ・巡回調査(顧客企業に出向いて経理帳簿のチェック)
・月次決算(顧客企業の経営者に正確な業務などを月ベースで決算報告)
8月
9月
10月
11月
12月 繁忙期(年末年始) ・年末調整申告書のチェック
・年税額の計算
・源泉徴収票の作成 など

税理士の働き方

税理士の仕事内容を把握したら、次はどのような働き方があるのか気になるところですよね。税理士の働き方には、主に4つのパターンがあります。

  • 税理士法人へ就職する
  • 会計事務所、税理士事務所へ就職する
  • 独立開業をする
  • 一般企業に就職する

それぞれの働き方について詳しく解説します。

税理士法人へ就職する

税理士試験に合格した方が就職する場所として、税理士法人が挙げられます。税理士法人と会計事務所はほとんど同じ業務を行いますが、組織形態が異なります。
税理士法人は2人以上の税理士が共同で設立・運営する法人のことを指します。法人化できれば支店を作り更なる売上向上が見込めることから、安定的な事業基盤のもとで働くことができます。
大手の税理士法人であるほど一般的に信用度が高いことから、大手企業のクライアントを持つことが多いです。そのようなクライアントを対応したいと考えている人は規模の大きな税理士法人への就職を視野に入れてみましょう。
ただ、大手クライアントを対応する反面、激務の場合があるのはデメリットと感じられるかもしれません。自身のスキルアップのためにも目指してみる価値はあります。

会計事務所へ就職する

税理士法人は、2001年に改正された税理士法によって認められた形態です。会計事務所が個人事業主であるのに対して、税理士法人は法人であり支店展開ができる点が異なります。
税理士法人、会計事務所ともに税務や会計に関する業務を手がける他、経営に関する相談や相続対策、M&Aのサポート業務を担います。

以下に該当する方は、比較的規模が小さな会計事務所を選ぶと良いでしょう。

  • 少人数で仕事を行っていきたい人
  • クライアントと深く関わりたい人
  • 地に足をつけて自分のペースで進めていきたい人
  • 仕事だけではなく普段の生活も大事にしたい人
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独立開業をする

税理士法人や会計事務所である程度の経験を積んだ方の中には、独立開業をするケースもあります。一般的には、40〜50代を区切りとして独立開業を目指す方が多いですが、早ければ30代で自分の事務所を立ち上げる方もいます。

スタッフとして雇われる働き方とは違い、自分の思い描く仕事を実践できるのが開業をするメリットです。やり方によっては高収入を得ることも可能なため、夢がある働き方と言えます。

しかし、当然ながら自分で仕事を取ってこなければ収入を得ることができません。税理士の本業以外に自社の経営関連の業務もしなければならないことは念頭に置いておきましょう。

一般企業に就職する

意外に思われる方もいるかもしれませんが、一般企業でも勤務税理士を社員として迎え入れるケースがあります。大企業であれば、企業内に税務専門の部署を設けていることもあります。

とはいえ、ほとんどの企業では企業内税理士として税務や会計、財務に関する仕事を任せられます。税理士だけの知識を活かすシーンは、税理士法人や会計事務所と比べて減りますが、企業の要を担う立場としてやりがいが感じられるでしょう。

「一般企業といってもどのような仕事があるの?」と思う方は、以下「会計求人プラス」の一般企業の求人ページをご覧ください。税理に関する業務内容だけでなく、企業の事業内容も記載しています。税理士として企業で働くイメージが固まるはずです。

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仕事内容から見える税理士の魅力とは?

税理士は、超難関試験を突破した人だけが就ける専門的な仕事です。独占業務があり、資格を有していないとその業務は行うことができません。税理士しかできない仕事があることで、他の仕事では得られない魅力があります。

まずは経営者と深いやり取りができること。税理士は経営者と強い信頼関係を結ぶパートナーです。経営に関するアドバイスを求められることも多く、その場合経営者との深いやり取りが必要です。税理士のアドバイスによって経営が左右されるため、責任の大きい仕事でもあります。

次に専門知識を活かせることが挙げられます。税理士として働くためには、専門性の高い知識とスキルが求められます。特に税に関する法律は、頻繁に改正されるため、資格取得後も勉強が必要です。専門性を活かして人助けができる点は、やりがいを感じるポイントと言えます。

そして最後は、国や社会を支えられることです。税金は、社会活動や国民の生活自体を支える大切なお金です。つまり、税理士のサポートにより企業や個人が正しく税金を納めることで、私たちの生活は成り立っています。こうした角度で見ると、税理士は国や社会全体を支えるための重要な役割を担っているのです。

税理士の平均年収は700万円以上

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、公認会計士を含む税理士の平均年収は約742万円と報告されています。
税理士と公認会計士は分けられていないため、正確な数字としては差異がありますので、参考値としてご理解ください。

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」において、一般的な給与所得者の平均年収が458万円とされる中、税理士の平均年収がいかに高いかが分かると思います。

また年齢や勤続年数、性別によっても異なります。詳しくは、下記関連記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
税理士の年収の現実とは?20代・30代・40代など年齢別や働き方別に解説

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

税理士の仕事に就くまでの3ステップについて

税理士の仕事に着くまでのステップとは

税理士がどのような仕事をしているかが分かったところで、気になるのが税理士の仕事に就くまでの流れでしょう。税理士になるためには以下3つのステップが必要です。

  • 税理士の受験資格の獲得
  • 資格取得
  • 名簿登録

これから税理士を目指す方は、ぜひ押さえておきたいポイントです。

税理士の資格取得に関しては、下記関連記事でも詳しく解説しています。
税理士の資格取得方法とは?受験資格や合格への道!

1.税理士の受験資格を獲得する

税理士の試験は、誰でも受けられるわけではありません。受験するためには「学歴」「資格」「職歴」のうち、いずれかの条件を満たす必要があります。それぞれの条件は以下の通りです。

学識 ・大学・短大・高等専門学校で社会科学の科目を1科目以上履修し卒業
・大学3年次以上の学生が社会科学の科目を含めた62単位以上を取得
・専修学校で社会科学の科目を1科目以上履修し卒業
資格 ・司法試験合格
・公認会計士短答式試験合格
・日商簿記1級合格
・全経簿記検定上級合格
職歴 ・法人あるいは事業を営む個人の会計関係の事務職経験2年以上
・信託会社や保険会社、あるいは銀行で貸付けや資金運用関係の事務職経験2年以上
・税理士・公認会計士・弁護士のいずれかの業務補助の事務職経験2年以上

上記の表で示した条件のうち、1つでも満たしていれば税理士試験を受けることができます。なお、職歴に関しては通算2年間の実務経験が必要です。

令和5年度(第73回)税理士試験から、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)については、受験資格の制限がなくなり、どなたでも受験が可能となりました。

2.資格を取得する

前項で紹介した受験資格を獲得したら、いよいよ税理士試験に挑むことができます。しかし、税理士試験は非常に難しく、国税庁によると令和5年度(2023年)の合格率は、21.7%でした。

試験を突破するためには、多くの勉強時間を確保しなければなりません。一般的に、税理士試験では4,000時間の勉強が必要であり、 科目制度を活用して1科目か3科目ずつ取得して、2〜3年をかけて5科目合格を目指すケースがほとんどです。

※出典:
「国税庁 令和5年度(第73回)税理士試験結果」

3.実務経験を積んで名簿登録を行う

狭き門に挑み、難関を突破して税理士試験に合格しても、すぐに税理士として働けるわけではありません。税理士を名乗り業務を行うためには、税理士法人や会計事務所で、2年以上の実務経験を積んでから税理士名簿に登録する必要があります。

税理士になるメリット・デメリット

税理士を目指す方へ向けて、税理士のメリット・デメリットを紹介します。

メリット1:安定した収入が得られる

令和4年時点での公認会計士を含めた税理士平均年収は約742万円となっており、全国平均年収458万円と比較すると約300万円高いことが分かります。このことからも昇級や転職によっては更なる高収入が望めるでしょう。
なお、税理士で独立開業している場合は定年がありませんから、自身が健康ならば60歳を過ぎてからも働き続けることができるため、長期間の安定収入が見込めます。

メリット2:高い社会的信用が得られる

税理士は難関な国家資格を突破しなければなりませんが、資格が取れれば「あの難しい資格を取るなんてすごい!」と高い社会的信用を得ることができます。

税理士は資格取得のために勉強するだけではなく、法改正があればそのたびに勉強し続ける必要があります。その学び続けた知識で直接企業をサポートしていくので、税に関する法律のスペシャリストとして一目置かれる存在となれるでしょう。

メリット3:多様な働き方が可能

税理士資格を保有することができれば、比較的多様な働き方が望めます。一般企業や事務所、法人に勤務することはもちろん、ある程度実績を積めば独立開業することも可能です。

独立開業のメリットとしては「自由でスケジュールを組める」という自由さであり、ワークバランスを重視する人は生活を大事にしながら仕事を進めることができます。特に女性は妊娠・出産で時間に追われることも多くなることから「両立しながらゆっくり税理士業務をする」人もいれば「子育てが落ち着いてから第一線で活躍する」人もいますよ。
それぞれ自分に合った働き方を選べるので、税理士資格を取得して働く人は年々増加傾向にあります。

デメリット1:資格取得の難易度が高い

税理士になるためには資格取得しなければなりませんが、税理士試験に関しては難易度が高いことは覚えておきましょう。
令和5年度時点の税理士試験の合格率は21.7%と低めでることから、難易度の高さが分かります。

試験科目は全部で11科目あり、そのうち5科目合格する必要があります。
その1科目ごとに膨大な勉強量が必要とされており、2,3科目を1年で勉強するといった長期目線での挑戦が必須となってきます。
特に働きながら資格取得を目指す人は、プライベートな時間がほとんど取れなくなってしまうことは覚悟しておきましょう。

デメリット2:独立した場合は収入が不安定になりやすい

税理士に限った話ではありませんが、どうしても独立開業したては収入が不安定になりやすいです。
社会的信用は税理士であるためそれほど困りませんが、どれだけ新規企業との契約が結べるかの“営業力”が問われます。

初めのうちは自分で仕事を取れないことで、収入確保が難しくなる可能性があることは覚えておきましょう。

税理士の将来性

次に税理士の将来性について解説していきます。
近い将来、業務はAIに代替されるから税理士は不要になるのでは?と不安になる方も、まずは代替される業務とされにくい業務があることを覚えておきましょう。

AIによって代替される業務

AIによって代替が懸念される可能性がある業務は、「帳簿記入」「記帳代行」「申告書作成」などが考えられます。
近年でも優秀な会計ソフトが増えてきたことから、常に電卓を叩いて収支計算する必要もなくなってきましたね。
それと同様に、今後会計ソフトの開発が進んでいけば帳簿記入などの事務作業はほとんどの場合AIに代替される可能性があります。

今後も需要が見込める税理士の業務

申請書類作成などといった事務作業のみならず、税理士には「企業をサポートする」といった重要な役割があります。
企業をサポートするためには直接クライアントの話を聞くことが必要になってくるため、このような人対人の業務に関してはAIに代替されにくいと考えられています。

企業サポートには税理士と企業の深い関わりがなければできません。もちろん世の中には多くの税理士がいますが、他の税理士にはない自分の長所を活かした税理士業務を行うことで「替えがきかない」税理士としての需要は今後も高まっていくでしょう。

AIが進化していけば事務作業の手間が省けるようになります。一層税理士としての競争が激しくなることが予想されますが、上述の通り差別化を図ることでAIにも他の税理士にも代替できない唯一無二の税理士になれるのです。

税理士に向いているのはこんな方

次に、税理士が向いている方の特徴を解説します。必ずしも全て当てはまる必要はありません。税理士の業務全体を把握したうえで総合的に判断していきましょう。

正義感が強い方

税理士はまず「ダメなものはダメ」とはっきり企業に言えなければければ難しいでしょう。

法に基づいた自分の信念を貫ける人でなければ、悪気はなくとも知らない間に脱税に加担することとなってしまうことは少なからずあります。そのような場合、最終的には自分の社会的信用やクライアントの社会的信用を落とすことになります。税理士は税のプロであることを自覚し、「兼ねそろえた知識や実績は自分とクライアントを守るもの!」と自覚しながら業務を遂行していかなければならないのです。

地道な作業が得意な方

企業に直接足を運んでサポートする表立った業務もさることながら、実は税理士の仕事は地味で忍耐が必要なものも多いです。
定められた期限までに決算書を作成する、従業員の給与計算をするなどといった業務は、数字に向き合いながらひたすらコツコツ続けていく必要があります。

そういった業務に関しても責任感を持って仕事ができる方は税理士に向いているでしょう。少しでも気が緩んでないがしろにしてしまうと、思わぬところでミスが発生する可能性があります。実務自体は地味に感じられても、中身は大切なクライアントに関わる業務に変わりありません。一つ一つ丁寧に仕事と向き合うことで自分自身の信用も高まっていきます。

学習意欲が高い方

税制改定などにより、税金に関する法律は常に変化しています。その変化に伴った情報収集からクライアントに価値のある情報を提供するために、税理士は常にアンテナを張っておく必要があります。難しい税理士資格に合格したから終了というわけではありません。取得後もそういった変化にも伴う勉強を続けられるという方には向いている職業と言えます。税理士資格に合格できたらといって新しいことや変化から目を背けたりせず、勉強し続けることが「楽しい!」と感じられることで、更に税理士としてのキャリアアップを目指せるでしょう。

税理士をサポートする税理士補助という仕事もある

税理士事務所で働くスタッフの中には、税理士の仕事をサポートする税理士補助という立場の人がいます。

税理士補助はまだ税理士の資格を持っていない人ですが、税理士の仕事を間近で見ることができ、税理士試験に合格した後に必要になる2年間の実務経験も積むことができます。そのため、税理士を目指しながら税理士補助として働く人が多くいます。

ただし、税理士補助の仕事内容はあくまでも税理士のサポート業務で、税理士の仕事とは異なります。税理士補助は、税理士の資格を持っていないため、税理士の独占業務に関しては行うことができません。そのため独占業務に当たらない業務全般を行うことになります。

それなら、税理士の実務は積めないのではと思うかもしれませんが、税理士事務所でプロの税理士と一緒に仕事をすることによって、税理士が書いた実際の書類を自分の目で見ることができます。一人で勉強していただけでは学べないことが学べる点で、税理士補助の仕事をしながら税理士を目指す人が多くいるのです。

ただし、税理士補助の仕事はかなり忙しいため、時間のやりくりをうまくやらなければ、税理士試験の勉強の時間が作れなくなる可能性もあります。閑散期などをうまく利用して勉強を進めることが大切です。

未経験者を積極的に採用している事務所も多数あるので、以下のページから求人情報を探してみましょう。
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転職エージェントを活用して税理士の仕事を探そう

税理士になるには、税理士事務所などで実務経験を2年以上も積むことが必要となりますが、長く務めることになりますので、できれば働きやすい職場と出会いたいものです。

基本的に職場は自分で探すことになりますが、自分に適した職場かどうか、コーポレートサイトなどの公式情報を全て自分で調査してあつめて、比較検討するのも大変です。
集めた情報だけでは不足していることもあるので、面接して直接話しを聞かないと分からないといったことも起こるでしょう。

そのような場合は、会計業界に特化した求人・転職エージェントで探すのが一番の近道です。

大手の総合人材エージェント会社に登録するのも有効な手段ですが、求人案件数はあくまでも全業種・業態によるもので、会計業界の案件数は限られています。また、案件数が多かったとしても、会計業界に精通したエージェントが在籍されている可能性は低く、細かな希望条件や、会計業界に関するノウハウを持ち合わせない場合が多いので注意が必要です。

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税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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