簿記2級と3級の違いとは?試験内容からキャリアへの影響までを解説
会計や経理職の保有資格として最も多いのが日商簿記2級、3級です。では、日商簿記2級と3級の違いは明確に理解されているでしょうか。
日商簿記2級、3級の試験内容、難易度、合格に必要な勉強時間などを紹介し、日商簿記を保有していることで転職における有利なポイントなどを解説します。
日商簿記資格を取得してキャリアアップを目指しましょう。
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コンテンツ目次
簿記2級とが3級の違い
簿記試験のどの級からチャレンジしようかと悩む人も多いでしょう。日本商工会議所が実施している日商簿記検定試験は、年間50万もの人が受験する人気の高い簿記資格で、多くの経理関連の求人案件で応募条件とされています。級によってその試験内容や難易度、学習時間の目安は異なります。
なお、日商簿記2級・3級は、指定された会場でパソコンに入力して回答を行う形式の「ネット試験」があります。気になる方はネット試験についても確認してみましょう。
試験内容
日商簿記3級では、業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき必須の基本知識として、「基本的な商業簿記」の仕訳の方法や、仕訳帳、総勘定元帳といった基本的な会計帳簿について学習、修得するレベルです。
簿記2級では、経営管理に役立つ知識として、「高度な商業簿記・工業簿記」を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベルとされています。原価計算も出題範囲に含まれるため、3級に比べて複雑な内容となっています。
難易度
基礎的な試験内容である3級は、難易度が低く、合格率も高くなっています。独学での学習でも合格は可能です。
●合格率(統一試験) :40.7% (2024.6.9実施 第167回)
●合格率(ネット試験):40.3% (2024年4月~2024年6月実施)
一方、2級は3級と比較すると難易度が上がり、合格者数も減ります。商業高校の授業で扱われるレベルとされており、独学でも合格可能なレベルですが、資格取得のためのスクールや専門学校の簿記講座、通信講座、オンラインの対策講座などを利用すると効率的です。
●合格率(統一試験) :22.9% (2024.6.9実施 第167回)
●合格率(ネット試験):39.8% (2024年4月~2024年6月実施)
合格に必要な時間
一般的な目安としては、簿記3級で50時間~100時間、簿記2級で100時間~300時間といわれています。3級は1日1時間の学習で2,3カ月、2級は1日2時間の学習で2~5カ月くらい、といったところでしょうか。ただし、個人の状況によって条件や環境が異なるため、必要な学習時間は異なります。
また、勉強方法は、テキスト・参考書、問題集、過去問題集を反復するのが基本ですが、試験範囲や難易度、確保できる勉強時間を踏まえ、自分にあった勉強法を見つけることが大切です。特に働きながら勉強時間を確保しなければならない社会人の方は、隙間時間を上手に利用するなど、工夫してスケジュールを組みましょう。
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簿記2級と3級どちらを受けるべきか
簿記2級と3級、どちらを受けるべきか迷っている場合には、「簿記に触れた経験」や「簿記の知識がどのくらいあるか」といったことを基準に判断しましょう。仕訳が全くわからない、損益計算書や貸借対照表がわからない、といった場合は簿記3級から始めましょう。
経理の転職市場では、簿記2級以上のスキルを求める企業が多いでしょう。転職を有利に進めるには、簿記2級があれば望ましいのですが、受験についてはこれまでの簿記学習経験から判断すればよく、全く簿記に触れたことがない場合には、まず3級からチャレンジしましょう。就職・転職活動と並行して勉強することが可能で、2級に比べて短期合格できるメリットがあります。
過去に経理業務や簿記の内容に触れたことがある方は、2級にチャレンジしましょう。仕訳の理解があり、会社などで決算書の作成に携わっているといった実務経験があれば、2級の学習をスタートしましょう。実務経験に紐づけて学習を進められますので、学習内容の理解もスムーズに進むと考えられます。実務経験に加えて簿記2級の資格があれば、転職の際にはなおさら歓迎されるでしょう。
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転職では簿記2級以上が有利
簿記3級の転職
年齢が若い方や、小規模な企業への転職であれば有利になる可能性もありますが、日商簿記検定3級の合格だけでは、転職活動の際にアピールするには少し弱いといえます。
しかし、昨今の労働人口の減少により多くの企業が人手不足に悩まされています。経理・会計業界においても、志望者の減少傾向がうかがえます。人手不足の状況から、簿記の資格を持たない「初心者」でも応募可能とする求人も増えており、簿記3級に合格しておくことは有効です。入社後に簿記資格の取得を推奨する職場も多く、継続的な勉強への意欲を示して、転職活動時にアピールするのも一案です。
簿記2級の転職
税理士事務所や一般企業の求人では、簿記2級以上を採用条件としている場合が多いようです。採用側は、簿記2級以上を持っていれば「簿記知識の下地がある」と判断します。簿記2級以上の資格は「即戦力」として期待できるため、採用側も歓迎するのです。
特に経理職は、簿記の基礎知識がしっかり身に付いているかどうかが実務の処理スピードに大きく影響するため、簿記2級の合格者は、経理に必須の基礎知識があることをアピールできます。また、実務が未経験である場合には、資格の有無が転職の可否を分けることもあるでしょう。
会計業界の転職においては、「実務経験があること」が有利に進められるポイントとなります。会計実務の経験がある人材を採用すれば、即戦力としてスムーズに業務を任せられるうえ、新人を育てるのに比べて教育コストも削減できます。実務経験がある人は簿記2級を取得していれば、より転職活動の幅が広がるはずです。即戦力になれることをアピールしましょう。
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簿記でキャリアアップできる理由
簿記の知識は幅広い業種や業態で活かせる
簿記検定は、2024版「就職に役立つ資格・検定ランキング」では、2023年に引き続き第1位です。一時的なブームではなく、長年にわたり評価されている資格検定です。すべての企業において経理の仕事は欠かせない業務であり、簿記検定は、経理に関する知識を有する証明となります。
経理部署は、日常の取引におけるすべてのお金の流れを把握し、会計システムへの仕訳伝票入力など会計処理に関わる一連の作業を担っています。経理担当者に求められる知識やスキルは、企業規模や年齢によって異なり、経験を積み、役職が上がれば、経営管理的な視点で数字を読み取る能力も必要になっていきます。財務諸表からの経営数値の分析に携わる機会も出てきます。簿記資格をスタートとして、業務経験を積みながらスキルを習得し、長期的なキャリアアップにつながっていくことでしょう。
また、一般企業だけでなく、会計事務所や税理士事務所への転職も可能です。顧客の記帳代行や経理・税務に関する疑問に対し、説明やアドバイスを行う立場である以上、簿記の知識は必須です。また、税理士資格保有者のみが遂行可能な独占業務もあるため、会計事務所や税理士事務所は、税理士の資格取得を目標としている人を積極的に採用する傾向があります。そのためスタッフには税理士資格の取得を目指している人が多く、必然的に経理・税務に関する知識レベルが高い環境に身を置くこととなります。意欲的に業務や学習に取り組めば自分のキャリアの可能性を広げることができるでしょう。
ビジネスで使う数字の理解力が向上する
簿記への理解が深まると、会計知識、財務諸表などの読解力や分析力が身に付きます。例えば簿記3級の知識レベルは、前述のとおり、基本的な商業簿記の理解です。企業活動における取引に関するお金の流れを、仕訳や財務諸表で表す技術を理解することです。営業利益は出ているのか、資金は足りているのか、試算表から事業の状況を読み解くことができます。利益を稼得する力になり、ビジネスを加速する力となるでしょう。会社員であっても、個人事業主や経営者であっても、経営状態を把握できることが理想的です。ビジネスに携わるうえで簿記の知識は非常に重要です。
合格に至った向上心が評価される
社会人になっても資格取得に励んでいるなど、その向上心や努力が評価されることがあります。資格取得は履歴書に記載できるため、面接官との話題のきっかけとなりますし、資格取得への行動力などが評価され、簿記知識だけでなく、人柄や印象の面でもプラスに働く可能性があるでしょう。
また、入社後には資格手当の加算や、年収アップといった評価をしてもらえるケースもあるでしょう。やりがいやモチベーションアップにつながり、意欲的に業務に取り組めるでしょう。会社にとっても個人にとっても良い影響を与えます。
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簿記2級、3級の違いを理解して転職に臨もう
簿記の資格取得によって転職の選択肢が広がり、キャリアアップを可能にします。簿記の等級によって評価の差があるものの、資格があれば転職を有利に進められることは明らかです。
転職活動と資格取得にお悩みなら、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。この記事を参考に、簿記資格を活かした転職活動を検討してみてはいかがでしょうか。苦労して取得した資格は、活かせるのであれば活用したいですよね。貴方のスキルや資格を最大限活かした転職活動をサポートしてくれるのは、会計業界専門の転職エージェントが最適です。
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投稿者情報
- 税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。
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