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税理士登録の基礎知識

2018/08/21

税理士の資格を取得すれば、すぐに税務関係の仕事ができるわけではありません。まずは、税理士登録を行う必要があります。もし登録内容に不備があれば、税理士の活動は不可能です。ここでは、税理士登録の流れや必要書類について解説します。

☆税理士の登録の流れと必要書類

税理士の資格を取得するだけでは、税理士として認められるわけではありません。日本税理士会連合会が管理する税理士名簿に登録し、はじめて税理士として仕事を受けられるようになるのです。税理士登録では正しい手続きに基づいて必要書類を準備し、提出する必要があります。また、登録免除税の納付も必須です。税金とは別に、登録の際には日本税理士会連合に対し、登録手数料として5万円を払わなければいけません。手数料を払うと登録申請書が渡され、必要事項を記入して審査をお願いします。連合は申請書を受け取ると、税務署および申請者の所属する都道府県の責任者に申請書を提出して審査をしてもらいます。問題なければ申請書は連合に戻された後、再び記入内容の調査が行われ、ようやく登録が許されるのです。登録された税理士のもとには税理士証票が交付されます。このほか、税理士登録で求められる書類は「本人の写真」「戸籍抄本もしくは個人事項証明書」「住民票のコピー」「登記されていない証明書」「身分証のコピー」「資格証明書のコピー」「履歴書」「誓約書」「確定申告書」「はがき」と多岐にわたります。税理士は試験を免除された場合でも、2年間の実務経験がなければ登録が許されません。実務経験を証明するためには「在職証明書」「印鑑登録証明書」「源泉徴収票のコピー」が求められます。状況に応じて「勤務時間の積み上げ証明書」「大学院通学状況証明書」などを提出するケースもあります。(※1)(※2)

※1.【日本税理士連合会】登録の流れ・手数料

※2.【日本税理士連合会】登録に必要な提出書類等

☆税理士の登録審査とは

税理士登録の審査は、必ず通過するものではありません。たとえば、書類に不備があったり、記入内容に矛盾や偽りがあったりした場合には拒絶されます。また、税理士法でも登録を拒絶する基準が明確に記されているので、確実に審査を通過するためには参考にするといいでしょう。まず、過去に懲戒処分を受けた人間は審査を通過する確率が減ります。税理士として活動していたわけではなくても、弁護士や鑑定士としての活動でトラブルを起こした経歴があるなら税理士連合からの評価も落としてしまうでしょう。脱税を犯した過去も審査ではマイナスです。税理士とは個人や企業の税務会計を取り、仕切る大切なポジションです。そんな税理士自身が不当に税金を逃れていたのであれば、著しく信用を損なうでしょう。会計業務について、法律を犯していた人も登録を拒絶します。極端な例としては「会社の会計を誤魔化して横領行為を働いていた」などの前科が見つかれば、税理士にはなれません。はっきりと違反行為、犯罪行為の経歴がなくても、税理士の資質を認められない場合はあります。たとえば、心身の健康状態が悪くて仕事に耐えられないと判断された人は登録を拒絶されます。また、税理士全体の信用を損なうような言動が目立つ人も審査では良い評価を受けられないでしょう。メディアで不適切な発言をしたり、SNSで下品な書き込みをしたりしていても税理士登録に失敗する理由になりえます。税理士には能力だけでなく、人間性も問われているのです。(※3)

※3.【Web税理士法】登録拒否事由

☆税理士登録にかかる期間

税理士登録は、書類を提出してから登録が完了するまで最低でも2カ月はかかります。「最低でも」という書き方になるのは、審査内容次第で期間が長引く可能性は大いにあるからです。まず、登録の受付は基本的に平日の9時から17時で行われています。登録希望者は直接税理士会へと足を運んで、書類を渡さなくてはいけません。書類を受け取っても税理士会はすぐに審査・調査を始めるのではなく、1カ月のうちに集まった申請書をまとめて翌月から開封し、調査を始めます。そして、希望者相手の面接、登録調査委員会による書類審査、税理士会による書類審査などが行われていきます。問題がなければ審査開始の翌月に登録を許可してくれるので、これが「2カ月」の根拠です。ただし、どこで問題が発生するかは予測がつきません。たとえば、調査委員会の審査は通過したのに税理士会に書類が戻ってきてから書類内容に不審点が見つかったとします。そうすると、税理士会は「再調査」を1から行い始めます。場合によっては、希望者本人が呼び出されて再び面接を受ける可能性もあります。こうした再調査が長引けば、審査期間の終わりは読めなくなるでしょう。審査をできるだけ早く終わらせるには、最低限、書類の不備をなくす努力は絶対です。そして、面接で答えるべき内容を想定し、面接官から不審に思われないようにしましょう。希望者の過去に傷がなく、書類も完璧に整っていれば高確率でスムーズに審査を通過できます。(※4)

※4.【東京税理士会】【参考】税理士登録申請をする場合

☆税理士の登録者数と合格率

平成29年12月の時点で、全国には77,116人の税理士が登録されています。そのうち、大きな事務所で税理士法人として届け出ているのは3,671件、小さな事務所では1,808件です。これだけの人数で全国の企業、個人事業主の税務を担当していることを思えば、決して税理士の数は多いといえません。その理由として、税理士はミスの許されない専門職であるため、合格が簡単ではない現状が挙げられます。試験の難易度が他の職業よりも高く、合格者を厳選する傾向が顕著です。税理士の試験はさまざまな課目がありますが、「簿記論」の合格率は12.6パーセント、「法人税法」で11.6パーセントとかなり低めです。もっとも合格率が高い「財務諸表論」ですら15.3パーセントです。税理士になるのは狭き門であり、職業人口が爆発的に増える確率はあまり高くないでしょう。そもそもの合格率が低いので、自然と登録者数は少なくなります。平成28年のデータによると、当時の税理士のカ数は76,493人です。つまり、平成29年の税理士人口と1,000人も変わっていません。これが税務代理士になると職業人口は平成28年で15人にすぎないので、税理士はなるのが楽な職業ではないと数字が実証しています。税理士登録における審査は厳正であり、特に登録変更ではなく初めて申請する人にとっては苦労が多いといえます。だからこそ、正しい手続きを学んで必要書類を集めていく意識が重要なのです。(※5)(※6)(※7)

※5.【日本税理士連合会】税理士登録者数

※6.【税理士の仕事】税理士試験の難易度、合格率

※7.【佐藤茂税理士事務所】5.全国の税理士の人数と税理士資格を取得した方法・税理士試験受験者と合格者の推移

☆税理士登録の変更手続きと種類

税理士は登録時に提出した情報から変更があれば、税理士会に届け出る義務があります。そして、変更内容によって必要な手続きも異なります。たとえば、事務所の住所が変更した際には「変更登録申請書」「変更登録に関する申請書」「顔写真」に加えて、「事務所所在地の賃貸借契約書のコピー」「 事務所設置同意書」「登記簿謄本のコピー」なども求められるでしょう。そして、変更登録手数料2,500円と税理士証票書換手数料2,500円、合わせて5,000円の手数料がかかります。結婚などをして名前が変わるときも登録変更を申請します。必要書類は変更登録申請書、戸籍抄本、顔写真です。この場合も手数料は5,000円です。自分の住所が変更した際には、変更登録申請書に加えてマイナンバーのコピーも渡さなくてはいけません。このときの手数料は2,500円です。電話やファックスの変更だけであれば、変更届だけで許されます。手数料は要りません。事務所と住居が一緒の税理士が引っ越しをしたなど変更情報が複数あるケースでは、1枚の変更登録申請にすべての変更をまとめて書き込めます。このとき、手数料は基本的に2,500円ですが、税理士証票の書換えがあるときは5,000円です。税理士の登録情報に変更があったにもかかわらず、即座に申し出ていなかったときは、税理士会から処罰を受ける恐れもあります。事務所の情報、税理士自身の情報にかかわらず、すみやかに変更手続きを行いましょう。(※8)

※8.【東京税理士会】変更

☆まとめ

税理士は税理士会への登録が完了して、ようやく一人前の税理士として認められます。税理士から渡される証標がなければ世間からの信用は得られませんし、長期的な活動を続けていけなくなるでしょう。ただし、登録の手続きは複雑で長い時間を要するものです。間違った手続きで進めてしまうと登録が遅れていくだけでなく、そもそも登録を拒絶される恐れすらあります。一刻も早く税理士として活躍するためには、あせらずに必要書類を集めて内容を記入し、税理士会に提出しましょう。そして、審査を通過して税理士登録が済んだ後でも、変更手続きの必要があれば後回しにしないことが肝心です。税理士として働いていくには登録手続きが避けられないので、正確な方法をキャリアの初期から覚えておきましょう。

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