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社労士はやめとけって本当?

社会保険労務士(社労士)はやめとけ?その理由や仕事内容を徹底解説

2024/06/27

社会保険労務士(社労士)を目指そうと検討していて、ネットで情報を集めている中で「社会保険労務士(社労士)は悲惨」「役に立たない」などといったネガティブな内容を目にしたことはないでしょうか。

これから社会保険労務士(社労士)の資格を取ろうと考えている人が不安になるような情報がネット上には多々書かれています。多くのネガティブな意見を耳にしてしまうと、せっかく志そうとしても心配になってしまいますよね。
しかし、なぜこうしたネガティブな内容が多く見られるのでしょうか。

この記事では、「社労士はやめとけ」といわれる理由と、「本当に目指すべきではないのか?」について解説し、「社会保険労務士はどういう仕事なのか」といった業務内容から将来性、向いている人や向いていない人などを紐解いていきます。

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コンテンツ目次

社会保険労務士はやめとけという声がある理由

そもそもなぜ、「社会保険労務士(社労士)はやめとけ」という声が挙がるのでしょうか。
考えられるいくつかの理由を、一つ一つ解説していきます。

業務内容が認知されておらず将来性がないと思われているため

社会保険労務士(社労士)には、大きく分けて社会保険業務と労務の2つの業務があります。
業務内容は多岐にわたるため一言で表現することは難しいことや、一般的に社会保険労務士が(社労士)あまり認知されていないことが原因で「どのような仕事なのか分からない」「資格を取っても意味ないのではないか」と思われることが多くあるのです。
しかし実際は、社会保険労務士(社労士)は「企業が抱える課題の解決を支援する」といった大切な役割を担っています。
働き方改革によって進んでいるテレワーク、女性や高齢者の雇用問題などを、率先して支援できる役割を持つのも社会保険労務士(社労士)です。
企業と労働者の間に発生する問題をうまく調整しながら解決に導くことができるのは、資格取得をして経験を積んだ社会保険労務士(社労士)にしかできない業務です。

地味な書類作業が多いため

社会保険労務士(社労士)の仕事は、基本的に労働問題や社会保険に関する法令をベースとした書類手続きです。
勤怠管理簿や給与明細などの細かな帳簿書類を作成したり、給料計算をしたりと地味な作業が目立ちます。そういった事務作業があまり好きではない人であれば、確かに苦行といえるでしょう。
しかし、裏を返せば、コツコツと地道に事務作業に取り組める人には向いているともいえます。

資格の難しさと得られる年収が釣り合わないと思われているため

厚生労働省の発表によると、社会保険労務士(社労士)の資格に挑戦している人は令和5年時に5万人ほどで、合格者は2,700人前後、合格率は6~7%でした。社会保険労務士と同じく国家資格である税理士の合格率は18%前後であり、比較すると合格率6~7%はかなり低い水準であることが分かります。
参考:厚生労働省−第55回社会保険労務士試験の合格者発表

また、社労士試験合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間とも言われており、1日3時間程度の勉強をした場合、1年間程の期間が必要となります。戦略的に勉強法を検討しておかないと無駄に時間がたってしまいますので、学習プランを検討しておきましょう。また、予備校やスクールなどに通ったり、通信講座やeラーニングを活用したり、体系だって学習できる勉強法を用意することも大切です。

しかし社会保険労務士の平均年収は約430万円前後。資格取得をしても一般的な会社員と大差がない理由から「やめとけ」と言われてしまいやすいです。
ただこれはあくまで「平均」の話であり、年収800万円以上の社会保険労務士(社労士)も数多く存在します。給料の幅が広いことも特徴であるため、実績やスキルを積むことで高収入を十分望めます

就職・転職で有利になるとは限らないため

社会保険労務士資格を条件としている求人を出している企業の多くは、即戦力となる人材を求め、実務経験がある人を募集しています。苦労して社会保険労務士の資格を取得しても、単なる「有資格者」というだけで簡単に就職・転職できるわけではないというのが実情です。
「資格取得の大変さと就職・転職における優位性が見合わない」という意見には、そういった背景があると考えられます。
ただ、そもそも「社会保険労務士(社労士)」を名乗って仕事をするためには2年の実務経験を経た上で社労士登録をする必要があります。つまり、厳密には「社労士」とは実務経験を積んだ有資格者ということになり、実務未経験の有資格者とは区別して考える必要があります。
最終的に社労士登録をして働くことまで見越しているか、ただ単に資格を取りたいだけなのかによって、就職・転職にどれだけ活かせるかも変わってくる点には注意しましょう。

集客できず仕事を獲得できないというリスクがあるため

社会保険労務士(社労士)の資格取得後は、独立開業をして働く人も多くいます。
この働き方は、自分の裁量で働けるといったメリットがある一方で、業務以外の集客や営業も自分で行わなければならないデメリットがあります。中には「本来の業務をする前に集客と経営で疲弊してしまう」人もいます。
しかし独立する働き方のリスクは社会保険労務士(社労士)だけではありません。リスクを防ぐためにも、資格取得だけではなく、実績を積み人脈を広げながら少しずつ進めていきましょう。

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そもそも社会保険労務士とはどんな仕事なのか

「やめとけ」という意見を聞いて社会保険労務士へ挑戦するのをやめてしまう前に、まずは社会保険労務士(社労士)がどのような仕事をしているか確認する必要があります。
業務内容をしっかりと理解したうえで勉強を進めていきましょう。

労働法や社会保険に関する専門的な知識を持っている専門家

社会保険労務士(社労士)とはその名の通り、労働に関する法律や社会保険に関する知識を持った専門家です。
企業は人を雇い経営をしていくにあたり、労働法や社会保険に関することは切っても切れない関係にあるため、専門的な知識を持った社会保険労務士に手続き代行や帳票書類の作成をしてもらう必要があります。
社会保険や厚生年金などの書類を作成し提出する代行業務、労働社会保険諸法令に基づいた帳簿作成などは、社会保険労務士(社労士)でなければできない独占業務です。企業が従業員との信頼関係を築くうえでも、公正・公平な契約のうえで業務を遂行してもらうためにも社会保険労務士(社労士)は重要な専門家です。

労働問題に関するアドバイス、労働管理、社会保険手続き、退職金など細かい業務を担当

企業と従業員の間で問題が発生した際、法律的な解決策を含む具体的なアドバイスを提供できるのも、社会保険労務士(社労士)の重要な業務です。
近年、働き方の常識は大幅に変化しており、その結果、従業員と企業の間で発生する問題も多様化しています。それらの問題に対し「法律の観点からどのような問題点が存在するのか」や「双方が納得できる解決策は何か」などを、社会保険労務士はその豊富な知識を用いて解決へと導いています。

さらに、社会保険労務士(社労士)の業務範囲は、従業員の社会保険や退職金の手続きなども含んでいます。これらの領域は、法改正や複雑な計算方法が必要となるため、企業側にとっては難易度が高いと感じられることが多いです。そのため、「難しい業務はすべてお任せしたい」という企業からの社会保険労務士への需要は特に高いと言えます。

企業や組織の労働環境の整備や改善にも貢献する

それぞれの企業には“会社規定”という独自の決まりが存在します。それらの規定は、働く従業員の行動範囲を明確にし、企業文化を形成する大切な要素となっています。社会保険労務士(社労士)の重要な仕事の一つは、これらの規定に不備や不平等な点がないかを確認し、必要に応じて修正することです。

この業務は、従業員が働きやすい環境を作るために非常に重要です。従業員が会社規定に不満を持つと、その不満が積み重なり、最終的には退職につながる可能性があります。退職者が増えると、人手不足に陥り、企業の存続自体が危ぶまれることもあります。
しかし、それを避けるために従業員の意見を全て受け入れるべきというわけではありません。社会保険労務士としては、従業員の声を尊重しつつも、必要な箇所で法律の観点から均衡を保つ調整を行うべきです。そのバランスを取ることは、非常に繊細な作業であり、その一方で大きなやりがいもあります。

自身が学んだ知識を活用して企業の問題解決に貢献する経験は、社会保険労務士としてのスキルを磨き、職務への満足感を得る大きな機会となります。この経験は、他の職種ではなかなか得られない、社会保険労務士ならではのやりがいと言えるでしょう。

社会保険労務士(社労士)の仕事内容や試験については、以下の記事もご覧ください。
社労士になるには?資格取得方法・勉強方法・転職先の探し方など徹底解説!
なぜ社会保険労務士(社労士)試験が難関なのか解説!難易度と合格率に潜む罠とは?
社労士は未経験でも就職・転職できる?現在のニーズとともに解説

社会保険労務士に将来性はあるの?

社労士のニーズは高まっている

「社会保険労務士(社労士)はやめとけ」と言われる理由には「将来性がない」と思われていることも原因に挙げられます。
ですが、本当に将来性がないと言えるのでしょうか?

結論から言うと、代替されない業務と代替可能な業務が存在することから、社会保険労務士(社労士)の将来性は明るいと言えるでしょう。
その理由や代替される業務について解説します。

AIやITの発展で1号業務・2号業務は代替される可能性がある

社会保険労務士(社労士)の業務は大きく1号業務、2号業務、3号業務に分類され、このうち1号業務と2号業務はAIやIT技術の進化によって代替される可能性があります。
1号業務は主に社会保険の申請書の作成や提出などの代行業務であり、2号業務は労働社会保険諸法例に基づく帳簿作成が中心です。これらの業務は「代行作成」の性質が強く、AIやIT技術の進歩により自動化される可能性が考えられます。

3号業務はAIに代替されにくく、コンサルティング業務に求められる専門性が高い

1号業務と2号業務が代替されやすい性質であるのに対し、3号業務は代替が難しい領域の業務です。3号とは、従業員と企業の間に発生した多岐にわたる問題を、専門的な知識を有した社会保険労務士(社労士)が解決する業務です。このような業務は「人対人」の対話や判断が必要とされるため、AIによる代替が難しいとされています。
これらの専門的なコンサルティング業務を求める企業は多く、そのニーズは今後も増大すると予測されます。したがって、社会保険労務士(社労士)の将来性は確かに存在するといえるでしょう。

人事労務の問題は複雑化しているため社会保険労務士の専門的知識が必要

働き方改革のような人事労務制度の改定のほかにも、ハラスメント防止対策などは複雑な内容も多くあります。これらの課題を解決するには専門性のある知識が必要なため社会保険労務士に任せる企業は多くなることが見込まれます。

また、コロナ禍に加速したテレワークの導入が、より労務問題を複雑化させています。現在でもテレワークは働き方の1つとして定着していますが、労務環境については整備できてない企業も目立っています。

もちろん人事部などで相談窓口を設けている企業も多くありますが、担当者が資格保有している専門家である企業は少ないため、最終的に問題解決に向かわせるために社会保険労務士へ相談に来る企業がほとんどです。

そのため、複雑な人事労務問題に対応するには専門的知識を得ている社会保険労務士の存在が必要不可欠となるのです。

社会保険労務士に向いている人

次に、社会保険労務士(社労士)に向いている人の例を挙げていきます。
もちろん一例になるので全て当てはまる必要はありませんが、当てはまる項目がいくつかあれば向いていると言えるでしょう。

法律や社会保険制度に興味がある

法律や社会保険などの内容は非常に複雑であるため、苦手意識を持つ人も多くいます。法改定を初め、常に新しい情報に耳を傾け、理解するために日々勉強し続けていく必要があります。

そんな中で「自分の得た知識で役に立ちたい」「制度自体に興味がある」という人はその努力も苦にならないため、向いていると言えるでしょう。

数字に強い

従業員の給与や帳簿作成に携わることが多い理由により、数字に強い人は向いています。
これらは企業のお金に関する重要な部分になり、正確さが求められるからです。

細かい作業にも耐性があり、粘り強く取り組める

企業の規模によっては膨大な作業量になることもあります。一つひとつの書類に丁寧に向き合える方には特に向いていますよ。

同じことを繰り返して行う作業もあることから、確認を怠らずに進めていく必要があります。特に代行業務ではミスがあると直接クライアントに迷惑をかけてしまうため、何度も確認して申請します。このような地道な作業も進んで取り組める方は、日々活躍できるのではないでしょうか。

コミュニケーション能力が高く、人と話すことが得意

コンサルティング業務では特に人と話をして解決するため、コミュニケーション能力が不可欠です。
特に「人見知りをしない」「誰とでも分け隔てなく話せる」といった人は向いていると言えるでしょう。

企業で起こる様々な問題を解決するには、まず大前提として人と直接話をしなければなりません。
クライアントとの問題にどれだけ寄り添って解決できるかが重要になってきます。

遵法精神が強く、間違ったことを正せる

人の意見に流されず「ダメなものはダメ」とはっきり言える人は社会保険労務士向きです。
社会保険労務士(社労士)が携わる業務は法律にかかわってくる問題になるため、そこをあやふやにしてしまうと法律違反になってしまうこともあり、最終的にはクライアントに迷惑がかかります。
そのため、いくらクライアントから要望されたとしても正しい答えを提示していく必要があります。

会社の発展に役立ちたいと考えている

社会保険労務士(社労士)の業務内容にはコンサルティングが含まれていますが、これは「クライアントの発展に役立ちたい」と考えていなければ進めることはできません。
その企業が抱えている問題を解決し、より良い企業になってほしいという思いを持った人がより良い社会保険労務士になれるのです。

社会保険労務士に向いていない人

向いている人の次に、向いていない人の特徴を挙げていきます。
もちろんこちらも当てはまるからと言って「向いていない」と判断するものではなく、一例として受け止めてください。

数字や計算が苦手

企業の帳簿作成や従業員の社会保険関係など、数字や計算は社会保険労務士の業務内容です。数字とは密にかかわっていくため「数字を見るのが嫌」「計算が苦手」という人は難しいかもしれません。

単調な作業が苦手でやる気が続かない

企業から提出された書類を一つ一つ丁寧に、かつ念入りにチェックしなければならないため、単調な事務作業をこなすのが難しい方にはおすすめできません。
コンサルティング業務以外は数字と向き合い、チェックを繰り返す作業がほとんど。途中でやる気が続かず、思わぬところからミスにつながる可能性もあります。

コミュニケーションが苦手、人と話すのが苦手

コンサルティング業務では人と話をして解決することが大前提です。
起こってしまった問題に向き合い、専門的な知識を用いて解決に導かなければなりません。
そのため、コミュニケーション能力は不可欠です。

社会保険労務士を目指せる環境で働こう

社会保険労務士(社労士)の業務内容から、「やめとけ」と言われる理由や解決法を解説してきました。
ネガティブな情報を聞いてしまうと心配になりますが、解説の通り、社会保険労務士(社労士)はまだまだ需要がある職業ですので安心して資格取得に励みましょう。

社労士試験は難関国家資格であるため、

  • 自分自身を資格取得の体制が整った環境におく
  • 仕事内容が試験勉強の役に立つ転職先を探す

などを念頭に置き、実績を積みながら資格取得に取り組むと良いでしょう。

そして社会保険労務士(社労士)を目指すにあたって、自分のスキルや経験にマッチした転職先を探すのはとても重要です。

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税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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