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経理が考えておくべきこれからのキャリアパス

【最新2024年版】実務経験を積んだ経理スタッフが考えるべきキャリアパスとは?

現在、企業の管理部門で経理事務に所属しており、自分の将来のキャリアプランについて考えている人も多いと思います。特に、経理業務の一部は既にAIなどによるIT活用で効率化され、経理に携わる人数を削減している企業にお勤めの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

経理スタッフの人数が減ってきているため「経理は人気がない職種ではないだろうか」と思われる方も少なくありませんが、実際の転職市場では一般企業の管理部門、特に経理事務は非常に人気がある職種です。

しかし、実務経験も積み、仕事内容も把握できてくる頃には、経理事務の将来を考えると現在の会社に残り経理部長というようなマネジメント職域を目指すのか、それともキャリアップを考えキャリアチェンジを行うのか悩んでしまう人も多いと思います。

この記事では、経理スタッフとして働いている人や、これから経理職を目指して就職しよう思っている方に向けた「経理のキャリアパス」について紹介します。

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経理の基本的な業務とは?

経理とは「会社の事業活動などを数字として表すこと」が基本的な業務になります。会社が事業を継続して行うためには「お金の流れ」がとても重要です。会社にとっての資金とは人間にとっての血液のようなもので、会社の資金が無くなってしまうと倒産してしまいますし、うまく循環させなければ健康を維持することができません。経理は、会社の資金を数字として記録し、管理することで経営者の判断を手助けする大切な業務です。

経理が行う主な業務

経理の業務は「毎日行う業務」「月に1回行う業務」「年に1回行う業務」に分けて考えると理解しやすくなります。それぞれどのような業務があるか見ていきましょう。

毎日行う業務

・現金や預金の管理、経費の精算
帳簿の現金や預金の入出金、経費の精算、残高が帳簿と一致しているかの確認を行います。基本的な業務ですが、1つ1つの取引を確実に管理していくことが重要です。

・会計ソフトへの入力
入金や出金、売上や仕入などの取引を会計ソフトに入力し記録します。入力の際には、その取引の証明する契約書や領収書などの証憑を確認し、証憑を大切に保管しましょう。証憑については「証憑とは?証憑書類の種類と保存期間、デジタル化は可能なのか?」で解説しています。

・領収書や請求書の発行
売上に対する請求書や領収書を発行します。

・売掛金や買掛金の管理
期日を確認し、売掛金が回収できているか、買掛金で支払いがもれていないか管理を行います。

毎月行う業務

・給料計算
従業員の給料を計算し、社会保険料や所得税などの金額を算出します。

・在庫管理
実地棚卸を行い、在庫管理を行います。

・月次試算表の作成
日々の取引を会計ソフトに入力し、月の事業成績を把握するための月次試算表を作成します。

毎年行う業務

・年末調整
従業員やアルバイトの年間の所得税を確定させるため年末調整を行います。

・減価償却資産の管理
帳簿に計上されている減価償却資産と実際の減価償却資産が一致しているか確認し、償却資産税申告書を作成します。

・決算業務
1年間の総仕上げである決算業務を行います。会計ソフトに決算仕訳を入力し、法人税や消費税の計算、決算書と法人税や消費税の税務申告書を作成します。(多くの会社は税務申告書の作成を税理士に依頼しています)

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経理のキャリアパスは大きく2つある

経理業務の一連の流れを経験した後、どういったキャリアパスを描いていくべきか考える方も多いと思います。経理には大きく分類して2つのキャリアパスがあります。

経理のスペシャリストを目指す

経理で実務経験を積みながら会計関連のスペシャリストを目指すキャリアパスです。経理業務に関連する資格は多くあります。例えば、国家資格で言えば、財務の専門家である公認会計士、税務の専門である税理士、社会保険関連の専門家である社会保険労務士などの士業資格が経理に関連するスペシャリストと言えるでしょう。

ただし、国家資格を取得するためには相当な勉強が必要になります。もう少し手軽な資格でスキルアップしたい方には、AFP/CFP(ファイナンシャルプランナー)、建設業経理士、証券アナリストなどがおすすめです。

スペシャリストは、広範囲に業務に関わるよりは、経理のお仕事を極めたいと考えている人に向いているでしょう。
経理業務や財務、税務などの業務を深く経験し、その業務を極めることが苦にならないようなひとはスペシャリストとして、将来的には独立開業などのキャリアパスも考えられます。

また、中小企業の経理事務としてお勤めの場合は、キャリアアップを目指し、上場企業や外資系企業への転職を検討してみるのもおすすめです。

ゼネラリストを目指す

スペシャリストが深い専門的な知識があるのに対し、ゼネラリストは幅広い知識を持つ人のことを言います。経理業務はもちろん、総務や人事などのキャリアを積み、経理部長やCFO、経営企画室、IR部門、内部監査経営に携わるポジションがゼネラリストと言えるでしょう。会社内で幅広いスキルを磨き、ゼネラリストを目指す道も経理のキャリアパスです。

経理の経験を活かして、将来的に管理職や経営に携わりたいと考えているなら、マネジメント力も鍛えていくことは必須となります。
勤めている企業の環境が自身に適している場合など、その企業の中核を担いたいと思っているなら長期的なキャリアパスとしてゼネラリスト目指すといいでしょう。

経理がキャリアパスを考えるときの注意点とは

経理のキャリアパスを考える際の注意点

スペシャリストを目指すキャリアパス、ゼネラリストを目指すキャリアパス、いずれのキャリアパスであっても注意する点があります。

経理のスキル、経験は評価されにくい

経理は会社にとって必要不可欠な業務ですが、営業と違い売上に直接結びつかない業務のため経営者から評価されにくい傾向があります。「経理業務を正確に行うことは当たり前」と見られる側面があるため、他の業種に比べてやりがいを感じることは多くないかもしれません。

しかし、日常業務を淡々とこなしていくのではなく、業務の中での改善点を見つけ工夫していくことで経営者の評価に繋がります。また、月次試算表を作成する場合も経費の分析や資金繰りの改善案などの付加価値をつけて経営者に報告することで経営者の評価に繋がるでしょう。

特に昨今では、経理業務もクラウド化やAIを用いた業務など、多くのITが業務に関連してきています。今後もその流れは加速していくでしょうから、スペシャリスト、ゼネラリストのどちらのキャリアパス出会ってもITを理解することは必要になってくるでしょう。

幅広い知識を磨くことが必須

経理業務は日々の取引を正確に記録し、管理していくことが重要です。そのため、毎日同じルーティンになってしまいがちです。しかし、税法や会社法の改正、電子申告やクラウドサービスなどの経理のIT化、社会情勢の変化など、経理が置かれている状況は早いスピードで変化しています。これらの変化に対応し、時代遅れの会社にならないようにするためには、普段から幅広い知識を磨いていくことが重要です。

経理の転職は実務経験が重要になる

経理で転職活動を行う場合は「実務経験」が重要になります。なぜなら、経理は多くの知識やスキルが要求されるため、ある程度の実務経験がなければ即戦力として働くことができないからです。全くの未経験者を教育して経理を任せられるようにするためには多額のコストがかかってしまうため、多くの企業は実務経験の長い人材を求める傾向にあります。ある程度の経理の実務経験を積んでから転職を検討した方がいいでしょう。

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資格は経理のキャリアアップの近道

先ほども述べたように、経理は評価されにくい傾向にあります。そこで、目に見える形で経理のスキルをアピールするためには「資格を取得すること」が効果的です。士業資格以外に経理がキャリアアップできる資格には次のようなものがあります。

日商簿記検定

会計の基礎である簿記の知識を測る資格であり、会計関連の資格で一番知名度の高い資格です。税理士や会計士を目指す方には必須の資格と言えるでしょう。
経理職事務や会計事務所に応募する場合、実務経験がない人は最低限の知識として日商簿記2級の知識を有することを条件としているケースが多いです。

また、日商簿記の魅力について、更に詳しく知りたい場合は「日商簿記1級・2級はすごい資格なのか?年収は取得すると上がるのか解説!」の記事をご覧ください。

建設業経理士検定

建設業に特化した簿記の知識を向上させるための資格です。この資格を持っている人が社内にいれば、建設会社が公共事業へ入札する際に必要になる経営審査で加点対象になります。建設業の経理には必須の資格と言えるでしょう。

AFP/CFP

ファイナンシャルプランナーの資格です。投資や金融、相続税、保険など幅広い知識を得ることができる資格です。

また、ファイナンシャルプランナー技能検定について、更に詳しく知りたい場合は「FP2・3級試験の難易度は?独学で合格するための勉強時間と勉強法」の記事をご覧ください。

【終了】BATIC(国際会計検定)

英語で行われる英文会計の資格で、外資系やグローバル企業からのニーズが高い資格として有名です。結果は合否ではなく、点数で表示されます。
ただ、BATIC(国際会計検定)は2022年度の実施をもって終了しております。

経理の実務に役立つIT資格

IT系の技術はクラウド会計ソフトや、証憑の電子化など、経理業務にも常に関わっているようになってきました。

以前はあまりIT系の知識は経理には必要ありませんでしたが、今後は必須になってくるスキルだと思われます。
そのため、下記のようなIT系の資格を取得しておくことは、貴方のキャリアパスの選択肢を増やすこととなるでしょう。

・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
・ITパスポート
・基本情報技術者

また、近年ではChatGPTのような生成AIが急速に進化しており、マイクロソフトのOffice製品にもCopilotが搭載されるようになり、多くの単純作業などを任せられるようになってきています。
IT活用、AI活用できることは今後の必須スキルになる可能性が高いので経理職であっても、意識的にIT知識を備えるようにしましょう。

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まずは自身のスキル、経験の現状把握が重要

経理としてキャリアパスを考えるポイントは「現状把握」を行うことです。自分がどのようなスキルを持っていて、どのような経験をしてきたのかを明確にすることが大切です。

そのうえで、スペシャリストとしてのキャリアに進むのか、それともゼネラリストとしてのキャリアに進むのかの大きく2つの方向性のどちらを選択するのか考えてみましょう。

方向性が決まれば、自ずと必要な知識や資格が分かり、自分が目指すキャリアパスが見えてくることでしょう。

大切なのは、貴方のスキル、経験、実績を整理し、棚卸しをしっかりすることなのです。
今何ができるのかを把握しているからこそ、キャリアパスを描くこと、再計画することができることを覚えておいてください。

経理のこれまでの経験、実績を棚卸し

経理事務の実績を活かすキャリアパスを考えよう

経理スタッフとして働き経験を積むとキャリアの選択肢が広がります。しかし、経理の経験を積むだけでは、企業の業績によっては部門の縮小、最悪の場合は仕事がなくなってしまうおそれもあります。今からご自身のキャリアパスをしっかりと見据え、目標を設定することで今をどのように生きていくのかが明確になり、仕事がなくなったとしても次のキャリアに繋がりやすくなります。

昨今では、一般企業の管理部門(バックオフィス)の職種は非常に人気があり、競争も激しくなってきています。

大きな理由は、複雑な業務が少なく、一通りの業務を覚えてしまえば安定して対応することでき、企業の業績によっては年収アップも考えられるということがあるからのようです。
しかし、業務を覚えたあとに、向上心を失ってしまうと、後から入社してきたひとに抜かれてしまったり、AIやIT活用による効率化により人員削減といった波に飲まれてしまうこともあるかもしれません。
業務内容からは社員の評価に差をつけることが難しい職種ともいえますので、どのようにキャリアアップするのかを計画することが大切なポイントです。

特に会計事務所などで多くの経験を積んだ方も経理職への転職を考えている人も増えていますので、ライバルとなるような人は依然と比較にならないほど増えているでしょう。
会計事務所(税理士法人や会計士事務所)では、経理職の経験はあまり高い評価を得られない可能性も高いので、注意が必要です。

また、経験を積み、資格を取得したのはいいが、いざキャリアチェンジを考えた際にどのように転職活動を進めていいかわからなくなってしまった場合などは、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

特に会計業界専門の転職エージェントなら、経理、会計事務所などの転職市場に精通しており、多くの企業とも接点があるため、リアルな業界のトレンドをしっかり把握することが可能です。

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会計業界ライターZEN
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税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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