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公認会計士の副業とは

公認会計士は副業できる?監査法人や一般企業など働き方別に解説

近年、働き方の多様化が進み副業に対して寛容な企業が増えています。副業を望む人のほとんどは、自己収入のアップを狙うことが目的かと思われます。

公認会計士の中にも、当然副業をしたいと考える人はいらっしゃることでしょう。しかし、公認会計士は仕事の内容によって、副業が禁止されていることもあります。ルールを知らずに副業をしてしまえば、トラブルになる可能性もございますので、充分ご注意ください。

この記事では、公認会計士が副業はできるのか、できるとしたらその方法や種類について詳しく解説いたします。

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公認会計士は副業できるの?

公認会計士は副業ができるのか?

公認会計士と一括りにしても、その資格を活かした働き方は人それぞれです。独立開業して奮闘する公認会計士もいれば、監査法人に身を置いて働く人もいます。公認会計士の副業に関するポイントのひとつは、働き方や所属組織によって異なる点です。
というわけで、働き方によって副業に関するルールがどのように違うかを解説します。

独立開業・フリーランスで活動している場合

公認会計士として独立開業したりフリーランスで活動を始めたりした際、最初の頃は思うように仕事が入らないことも多々あるでしょう。そうした中、本業以外の副収入に頼らざるを得ない場合だってあるかもしれません。

フリーランスであれば、そもそも本業・副業という概念に縛られる必要がありません。フリーランスとは、会社や組織に属することなく、個人で自由に仕事を請け負う働き方ですよね。ですから、契約している仕事に支障がでない限りは、個人的に副収入を得ても問題ありません。

公認会計士とは別の仕事をしながら新たな人脈を開拓し、メインの収入源である公認会計士の仕事に繋げていくこともできるかもしれませんので、むしろ相乗効果も期待できます。

一方、独立開業している公認会計士は注意が必要になります。独立開業の場合、フリーランスとは異なり自分自身で事業を立ち上げることになります。当然スタッフを雇うケースも多く、健全に働いてもらうには社内規程や就業規則も必要です。そのため、副業に関しても、スタッフに対する社内規程を敷く場合は、自分もその規程に従わなければなりません。

監査法人に所属している場合

次に監査法人に所属している場合の副業規定について考えてみましょう。監査法人では、公認会計士法第34条の14において、「社員の競業の禁止」が定められています。そのため、監査法人では原則副業を禁止しているケースがほとんどです。また、本業に専念することを重視して副業を禁止している法人も多いでしょう。

しかし、副業禁止は原則であり例外として副業を容認している法人もあります。監査法人に所属している公認会計士が副業をするためには、法人の許可を得なければなりません。多くの監査法人では、副業の容認について「職階」や「年次」によって決めています。
職階とは、仕事の内容や責任の重さ、種類などを基準に分類された階級です。監査法人の場合は、以下のような職階が一般的です。

  • スタッフ(1~4年目)
  • シニアスタッフ(5~8年目)
  • マネージャー(9~11年目)
  • シニアマネージャー(12~14年目)
  • パートナー(15年目以降)

監査法人によっては、職階や年次が浅い場合、(研鑽に専念するために)副業が認められないケースもあるのです。

コンサルティング会社やその他一般企業に所属している場合

コンサルティング会社や一般企業で働く公認会計士の場合は、所属する企業から許諾されれば副業をしても問題ありません。近年の副業解禁の流れもあり、多くの企業が副業を認める傾向にあります。ただし、本業が疎かになるような副業はNGです。また、職業柄、社外秘情報を抱えているケースも多いので、情報漏えいにも注意しましょう。

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公認会計士の経験を活かせる副業

公認会計士の経験を活かせる副業とは?

公認会計士の資格を持ちながら副業をするなら、経験やスキルを活かせる仕事がおすすめです。また、人脈を開拓し他業界の情報を得ておけば、公認会計士の仕事にも役立つでしょう。

というわけで、続いては公認会計士に向いている副業について解説します。

講師

会計士予備校の講師であれば、公認会計士のスキルがそのまま活かせます。公認会計士の卵である受験生のサポートは、現役公認会計士にとって充実した仕事といえるでしょう。具体的な業務内容は、講座やテストの採点などです。また、税務や会計について専門的な話をするセミナー講師も向いているでしょう。
予備校講師の契約は、学校によって異なりますが、授業(1コマ)単位での業務契約や年間契約などがあります。人気講師であれば、1コマ数千円単位の収入が期待できます。また、セミナー講師の場合は、講座の規模や講義内容によって収入が異なります。一般的な講座は、90分~120分程度の講義で、5~10万円の収入が相場です。

会計・税務に関するメディアの執筆・監修

公認会計士は、専門性が高いため、会計や税務に関する執筆活動を副業にするケースも多くあります。例えば、会計士予備校や専門学校が発行する雑誌のコラム記事や教材の文章、会計事務所のウェブサイトに載せる専門記事などの執筆です。そのほか、専門知識を活かしたメディア監修の仕事もあります。
記事の執筆をする場合、報酬は文字数で計算されるケースが多いでしょう。専門性の高い内容であれば報酬も上がり、1.2~5円程度が相場です。監修となれば、1記事につき2~5万円程度の報酬が一般的です。一方で専門性や権威性、肩書き等によっても報酬は変わるはずですので、自身のスキルも客観的に見極めて請け負うよう、心得ておきましょう。

社外役員

公認会計士としてある程度キャリアを積むと、社外役員を副業にするケースもあります。近年、ベンチャー企業を中心に社外役員のニーズが高まっています。社外役員とは、社外取締役および社外監査役のことをいい、外部の視点を取り入れて企業統治を強化し、経営の透明性を高める役割を担います。日本公認会計士協会でも「社外役員候補公認会計士紹介制度」を設けているほど、需要が高いです。財務や会計の知識に長けている公認会計士は、通常の業務と同じように社外役員でも業務監査と会計監査を行うことが多いでしょう。基本的に非常勤で雇われ、報酬の相場は200~500万円程度です。報酬が高くなるには、ある程度の経験や年齢による権威性、実績も必要になります。

非常勤の監査バイト

監査法人でアルバイトをするのも、公認会計士の副業としておすすめです。業務内容は、監査法人の業務におけるサポートで、ある程度監査業務をこなしたことのある公認会計士であれば、比較的問題なく対応できるでしょう。
大手監査法人でも監査バイトを募集しているケースがあり、比較的稼ぎやすい副業です。報酬は、時給単位で計算され、大手であれば時給5,000円以上が相場といわれています。雇用契約ではないため、働く期間が一時的にはなりますが、期間を決めて稼ぎたい人に向いている副業でしょう。ただし、前項で紹介したように、社員の競業に抵触するケースもあるため、監査バイトをする際は、事前確認を入念に行ってください。

アフィリエイトブログの運営

副業として収入を得る手段のひとつに「アフィリエイト」があります。ブログ内に広告を貼り、ブログを訪れた人がクリックしたり購入したりするごとに成果報酬が得られる仕組みです。特に、会計関連は、会計基準や税法が頻繁に変わるため、経理や経営に関わる人が情報を知るために多く訪れる可能性があります。とはいえ、こういったブログやWebサイトを作るなら、しっかりとした知識が必要であり、決して誰でも書けるわけではありません。ちゃんと経験を積み、専門知識のある公認会計士になれば、最新の情報も把握している状態となり、需要に合致したブログを書こともできるでしょう。もし、それくらいの知識があるなら、稼げるブログやWebサイトを作れる可能性も高いです。

アフィリエイトブログでは、クリックや商品・サービス購入によって1件あたりの報酬が発生します。日本アフィリエイト協会によると、月に数万円の収入を得ている人は、アフィリエイター全体の10%程度です。中には、30万円以上稼ぐ人もおり、専門性の高い会計ブログならその可能性もゼロではありません。すぐに稼げるわけではありませんが、コツコツと書き続けることが苦でない人であれば、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。

YouTuber

記事を書くのは苦手だけれど、動画なら頑張れそうという人はYouTuberになるという手もあります。公認会計士の知識を活かし、わかりやすく会計の話をするわけです。YouTubeもアフィリエイトと同じく広告料で収入を得る仕組みです。ただし、動画をアップしたからといってすぐに売り上げが発生するわけではありません。YouTubeには収益機能を有効にするための基準が設けられており、最低でもチャンネル登録者数が1,000人以上、直近1年間の総再生数が4,000回を超える必要があります。また、YouTuberの平均月収は、5,000円~1万円程度と非常に少なく、高収入を得ているのは一部のYouTuberのみです。

顔出しや所作、飽きさせない演出、編集時間等を考えるとブログより成功難易度は高そうですが、自信がある人はぜひチャレンジしてみてください。

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副業を始める前に注意すべきこと

さて、色々と副業のしかたや在り方についてご紹介してきましたが、今一度、公認会計士の仕事をしながら副業をする注意点を説明しておきます。この注意点を無視して副業を始めてしまうと、後からトラブルになる可能性もあるからです。
ですから、おさらいも含めて副業を始める前に注意すべきことを解説します。

現職の就業規則を確認する

会計事務所や監査法人、一般企業などに所属している人は、必ず勤務先の就業規則を確認してから副業を始めるようにしましょう。勤務先の就業規則で副業が禁止されていた場合、懲戒処分となる可能性もあるので要注意です。副業OKの場合でも、内緒で副業をするのではなく、まず会社に確認して許可を得るようにしましょう。

本業に支障がでないようにする

副業はあくまでもサブ的な仕事であり、本業である公認会計士に支障をきたさないようにしましょう。あまりにも副業のウエイトが高くなり過ぎれば、負担がかかり疲労が溜まるでしょう。睡眠不足や体力低下で、本業が疎かになれば勤務先やクライアントに迷惑がかかります。せっかく苦労して取得した資格です。副業が原因で公認会計士の仕事を失わないようにしましょう。

また、公認会計士の仕事は機密事項が多いのも特徴です。社外秘となっている情報を他者に漏らしてしまえば、訴訟問題になることも考えられます。パソコンやスマホの取り扱いや会話などに細心の注意を払って、機密情報の漏えいが起こらないように心がけてください。

副業が認められなかったときの選択肢

勤務先で副業が認められていない場合はどうする?

冒頭にも述べましたが、公認会計士が副業をする理由のひとつは、年収アップです。しかし、勤務先によっては副業が認められないケースも少なくありません。そんな時は、副業をしなくても以下のような方法で収入を上げることを考えて良いかもしれません。

転職する

公認会計士の年収は、所属する会社の規模によって大きく異なります。規模が大きくなれば年収が上がる可能性も高くなるでしょう。例えば、中規模の会計事務所で働いている場合、大手監査法人への転職を狙えば、年収アップが望めます。

また、同規模であっても、会社によって福利厚生や待遇が違うこともあるでしょう。転職をする際は、しっかりと希望先の条件を確認することが大切です。

昇格を目指す

公認会計士の特徴として、職階があります。仕事の内容や責任によって役職が異なり、昇格していけば収入アップが可能です。一般的に、年次が上がれば役職も上がりますが、一般的な企業に比べて実力を重視する傾向にあるため、若いうちから昇格する人もいます。

例えば、「シニアマネージャー」と呼ばれるクラスは、一般企業における「部長クラス」です。一般企業で部長クラスになるためには、20年以上かかるケースも少なくありません。しかし、公認会計士では、着実にキャリアを重ねて10~15年程度でシニアマネージャーに昇格することもあります。また、監査法人では、キャリアが浅いと副業が許可されないケースが多いですが、昇格によって副業がOKとなる可能性もあります。

独立する

会計事務所や監査法人である程度の経験を積み、独立開業にチャレンジするのも年収アップのひとつの方法です。独立すれば、会社員として雇われるよりも収入が上がりやすくなります。

しかし、リスクも伴うことを念頭に置いておかなければなりません。クライアントがいない状況からスタートするため、営業力も求められます。また、会社員時代には毎月保証されていた安定収入がなくなるため、場合によっては収入が下がる可能性もあります。自分自身で仕事の受注方法を工夫して構築することや、日々の努力、人間関係などが大切です。さらに、うまくいかないときも、強い心を持って乗り越える必要があるため、メンタル面も大切といえるでしょう。

それでも、独立開業には夢があり、自分らしく働ける手段でもあります。これから独立開業を目指していきたいという人は、独立までのフローを以下のページでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
公認会計士が独立開業を目指す際の年齢や収入のポイントとは

収入アップを目指す方法は副業だけじゃない

繰り返しになりますが、公認会計士が副業をする場合は、所属する監査法人や企業の就業規則に従わなければなりません。場合によっては、副業がNGとされていることもあるので、確認を怠らないようにしましょう。万が一、確認せずに副業を初めてしまえば、トラブルになる可能性もあるので要注意です。

副業がNGだった場合は、転職や昇格、独立など副業以外で収入を上げる方法もありますので、自分のスキルや、やりたいことを踏まえてマッチする手段で収入アップを狙いましょう。

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投稿者情報

現役公認会計士カズ
現役公認会計士カズ現役公認会計士・税理士
公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。

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