会計事務所での就職・転職の秘訣

会計士の転職タイミングとは?年齢別・経験年数別・キャリア別に解説

公認会計士が転職を考える際には求人数が豊富な方時期が良いという関係からも適切なタイミングを見極めることが重要です。職場や転職先の業種によって繁忙期や閑散期が異なるためそれらの採用活動を確認して踏まえ、転職の時期を慎重に判断する必要があります。

また、担当している業務に対する影響を最小限に抑えるよう配慮することも求められます。さらに、自身のキャリアや年齢などの条件を考慮することも大切な要素です。

そこでこの記事では、公認会計士にとって最適な転職時期やその方法について具体的に詳しくご紹介します。

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会計士が転職を考えるタイミング【年齢別】

20代後半

社会経験が3~5年程度で、会計業務について一通り実務を通じて勉強し理解しており、まだ柔軟に新しいことを吸収し成長できるという特徴がある実務経験者の20代後半の人材は、即戦力として募集・採用されやすい傾向にあります。

特に、若手人材の採用に積極的な監査法人では、経験が浅い会計士でも転職のチャンスが多いと言えるでしょう。

30代前半

公認会計士が転職市場で最も評価されやすいピークの年代は30代とされています。近年、企業のグローバル化やM&Aの増加、さらにはIT技術の進化により、経営や会計など仕事内容の複雑化が進んでいるためです。

一般事業会社やコンサルティングファームでは、未経験者ではなく実務経験を持ち、時代の変化に対応できる30代の会計士の転職者が特に求められています。また、転職先によっては、年収1,000万円を超える高待遇のオファーを受けるチャンスも増える傾向があるため転職情報をチェックしましょう。  

30代後半

30代後半になると、管理職としての職務経験が転職成功のカギを握ります。管理職経験がない場合、コンサルティングファームや監査法人よりも、財務や内部監査を担う一般事業会社のほうが、専門職として採用される可能性が高いでしょう。

ただし、管理職未経験のまま30代後半で転職すると、年収が下がるリスクも伴います。そのため、現在の職場で管理職を目指すべきか、それとも転職に踏み切るべきかを慎重に見極めることが大切です。

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会計士が転職を考えるタイミング【実務経験別】

3~5年

監査法人に就職した会計士にとって、試験後入所して3~5年目は転職を考え始める時期として一般的です。

監査業務においては、3~5年程度では十分なスキルや経験が積み切れないため、監査業務に強いこだわりを持つ人はこの段階で転職を検討することは少ないでしょう。一方で、この時期に転職を検討する人は、「監査経験を積み、公認会計士として登録を完了したうえで、新たなキャリアに進みたい」という考えを持っています。

日本で公認会計士として登録するためには、公認会計士試験合格後、実務経験、実務研修、そして修了考査を修了する必要があります。そのため、「現職の監査法人で実務経験要件を満たし、公認会計士登録を終えた後に転職を考える」という流れを取る人が多いのです。

この入所3~5年目は、多くが20代後半から30歳前後であり、転職市場では将来性を期待したポテンシャル採用が行われるケースが少なくありません。この場合、これまでの実績や経験よりも、将来のキャリアプランが重視されるため、意欲的であれば転職がしやすい時期といえるでしょう。

5~10年

監査法人で5~10年の経験を積むと、多くの人がシニアスタッフへと昇格します。シニアスタッフになると、監査業務全体を把握し、スケジュール管理、監査手続の実施、意見形成といった一連の流れを主体的に進めることが求められます。また、後輩の指導やチームのリードを任される機会も増えるため、現場の中心的な役割を担うようになります。

この時期に転職を考える場合、これまでの経験や実績がどれだけ積まれているか、即戦力としてどの程度貢献できるかが重要なポイントとなります。応募先の企業や事業所が求めるスキルや経験にマッチしていれば、転職は比較的スムーズに進められるでしょう。

さらに、5~10年目のタイミングでは、仕事だけでなく家庭やプライベートを考慮し、ワークライフバランスを重視する人も増えています。このため、企業内会計士などにキャリアチェンジを検討するケースも多くなってきています。

10年以上

10年目を過ぎると、年齢が上がるにつれて転職活動に影響が出てきます。監査法人の会計士は主に監査キャリアを積んでいるため、監査法人以外への転職を目指す場合、未経験の分野が増えれば増えるほど転職が難しくなることがあります。

監査法人での最終的なキャリア目標は、共同経営者やパートナーとなることです。シニア、マネージャー、シニアマネージャーというステップアップを経て、最終的にパートナーに昇進するというキャリアパスが一般的ですが、すべてのスタッフがパートナーになれるわけではありません。優秀な一握りの人々のみがそのポジションに昇進し、それ以外の方はシニアマネージャーでキャリアを終えることが多いです。

もし監査法人で定年まで働くことを望まない場合は10年目を迎える前に、転職市場での需要が高い段階で転職を決断する方が望ましいと言えるかもしれません。

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会計士が転職を考えるタイミング【キャリア別】

FAS

公認会計士が監査法人からFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー)への転職を考える場合、20~30代のうちにできるだけ早く転職活動を開始することが望ましいです。

FASは企業の財務面での支援を行う業務であり、監査法人での監査業務の経験が直接的に活かせるわけではありません。そのため、監査法人での年収や経験を考慮されることはありますが、転職後に職位や年収が下がる可能性も少なくないため、FASへの転職を目指すなら、早い段階での転職活動が有利です。

投資銀行

投資銀行に転職を目指す場合、監査法人での「監査」業務経験をアピールしても、評価に繋がりにくいことが多いです。したがって、監査法人での経験を活かして投資銀行でキャリアを積みたいのであれば、早い段階、特に20代のうちに転職を決断することが理にかなっています。

監査は公認会計士の独占業務であり、その専門性が公認会計士資格の価値を高める面もありますが、逆に投資銀行などの他分野に転職する際には、その経験が活かしにくいことがあります。異業種で競争力を持つためには、求められるスキルや知識、経験に基づいてアピールすることが重要です。

監査法人内でもコンサルティング業務を担当する機会はあるため、将来的に投資銀行への転職を希望するのであれば、コンサルティング経験を積むことを意識しておくべきです。それでも、転職を検討するのは遅くとも30代前半までが適切なタイミングと言えるでしょう。   

事業会社で経理・財務や経営企画

一般事業会社の規模によりますが、上場企業・大手企業の場合、30歳前半または監査法人での経験が約5年程度のタイミングで転職することをお勧めします。

日本の大手企業では、経験とともに勤務年数が重視される傾向があり、昇給も年数に応じて進むことが多いです。このような組織の中では、監査経験のみの公認会計士が活躍できる場面は限られており、実務経験が不足していると評価されることが考えられます。

そのため、大手企業で管理職を目指し昇進を狙うのであれば、30歳前半までに転職して現場経験を積むのが有効でしょう。

IPOに携わりたい

ベンチャー企業のCFOとしてIPOに携わりたいと考える方も多く、最近では20代や30代前半でベンチャーのCFOとして活躍する事例が増えています。

ベンチャー企業の経営者は比較的若い方が多いため、年齢が近く共感できる優秀な人材を求める傾向があり、そのため若い世代の活躍が増えていると考えられます。しかし、40代の方でもマインドセットが若ければ問題なく活躍できる場合もあり、年齢やスキルはもちろん重要ですが、マインドがより重視されることがあるかもしれません。

経験面では、経営管理や体制構築など守備的な役割のCFOポジションであれば、監査法人で一定の経験を積んでいれば転職できる可能性もあります。この場合、監査法人でIPO支援に関わった経験があれば有利ですが、スタッフとしての経験だけでは、通常の監査業務と大きな違いはないため、積極的に自分が主体的に動く経験を重ねておくことが重要です。

特に、金融機関や証券会社との交渉を担当できるような経験を積んでおくとよいでしょう。また、実際に上場を果たした経験を持つことが望ましいため、そのような経験を得てから転職を考えるのが良いといえます。単にスタッフとして与えられた業務をこなすだけでは転職市場で厳しくなることがあるため、さらなる経験を積むことを検討するべきです。

業務経験を早く積みたい場合、中堅規模の監査法人に転職することも一つの手段です。中堅法人は、比較的早期から多くの経験を積める環境が整っているため、その選択肢を選ぶ人も増えています。

近年では、ファイナンススキル(資金調達やM&A)の重要性が増しており、監査法人だけでなくコンサルティング会社で経験を積んだ後にベンチャーのCFOとして転職するケースが増えています。また、投資銀行出身のCFOも増えているため、会計士は経営管理のプロフェッショナルとしての強みを活かすほうが適しているかもしれません。

CFOを目指すのであれば、20代後半でコンサルティング会社(FASなど)に転職し、数年の経験を積んで30代でCFOに転職するパターンが多いです。IPO準備だけでなく、M&Aや資金調達などの広範な業務をこなすため、ファイナンススキルは必須です。自身の年齢から逆算してキャリアを積み重ねていくことが重要です。

人手不足の監査法人からベンチャー企業のCFOに転職したものの、転職先企業のビジネスモデルが魅力的ではなく、IPOを断念する事例もあります。そのため、ビジネス視点を養うためにコンサルティング業界で経験を積むのも一つの選択肢です。

ベンチャー企業への転職はタイミングや縁が重要ですので、自分に合った求人情報が現れるまで、情報収集を続けることをお勧めします。

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会計士の最適な転職時期

会計士が転職を考える際には、1年を通じたスケジュールを確認し、転職活動に適した時期と円滑に退職できるタイミングを見極めることが重要です。特に、3月や9月に決算を迎える企業が多いため、4~5月や10~11月は会計士にとって忙しい時期となります。

退職時期

・繁忙期に入る前
「できれば繁忙期に入る前に辞めたい」という考えを持つ方は多いでしょう。極論を言えば、3月末に退職することは可能です。しかし、2月になって突然「来月辞めます」と伝えるのは、トラブルに発展することが多いでしょう。

会計士業界は非常に狭いため、例えば「転職先に前職の同僚がいる」ということもよくあります。転職後に気まずい思いを避けるためには、3月末(繁忙期直前)に辞める場合、半年程度前に退職の意思を伝えるのが理想的です。

また内定先の企業に入社時期の調整を行う必要があるため、その点についても注意が必要です。

・繁忙期を終えた後
チームメンバーに退職の意思を伝えると、「繁忙期までは手伝ってほしい」と頼まれることがあります。もちろん、法的にはそれに応じる義務はありませんが、前述のように同僚との関係が悪化するリスクを考慮する必要があります。

円満に監査法人を退職したい場合、繁忙期後(6月)に転職するという選択肢もありますし、実際に6月に退職する人も多いですよね。

また、6月末にボーナスを支給する監査法人も多いため、「ボーナスを受け取ってから辞められる」というメリットもあります。

入社時期

・同期入社の多い時期に入社
横のつながりを重視する場合は、同期が多く入社する時期を狙うと良いかもしれません。各職種における同期入社が多いタイミングは以下の通りです。

事業会社:4月
監査法人:2月
税理士法人・税理士事務所:10月または2月

事業会社では、新卒採用の時期に合わせるのがおすすめです。監査法人や税理士法人では、合格者の採用時期に合わせることになります。
※税理士は税理士試験が行われる8月や、合格発表がある12月に就職活動を始める人が多く、そのため入社月は10月または2月に集中する傾向があります。

・繁忙期後に入社
企業の繁忙期前または後に入社するという選択肢もあります。「早めに繁忙期を経験したい」と考える場合は、繁忙期の1~2ヶ月前に入社するのが良いでしょう。一方で、「一年を通じて少しずつ業務を覚えていきたい」という場合は、繁忙期後に入社するのが適しています。

ただし、特に事業会社では、入社日を自分で調整できない場合が多く、最長でも1ヶ月先までしか待ってもらえないことが一般的です。そのため、採用面接のタイミングを逆算して計画を立てることが重要です。

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業種別に見る会計士の繁忙期

監査法人

監査法人では、監査業務が中心となるため、3月決算後の4月や5月が繁忙期となります。会計事務所や監査法人のどちらを選ぶかによって異なりますが、どちらも繁忙期にあたる転職活動は、現職と転職先の両方が忙しい時期であるため、避ける方が賢明です。

会計事務所・税理士法人

会計事務所の繁忙期は、主に3月決算前の1月から確定申告のある3月までの期間です。取り扱う業種によっては、その業種特有の決算期に影響を受けることもありますが、一般的には1月から3月が最も忙しい時期と考えて問題ありません。

一般事業会社

監査法人では、クライアント企業の決算月である3月や9月が繁忙期となりますが、一般事業会社の経理部門では、決算前だけでなく、月末や月初も忙しい時期になります。月次業務に伴う事務処理の増加も影響するため、転職活動を始めるタイミングをこれらの繁忙期を考慮して決めることが大切です。

コンサルティングファーム

FASやコンサルティングファームでは、担当するクライアント企業によって繁忙期は異なりますが、一般的には経営戦略の策定に関わる決算期前の数か月が最も忙しくなります。また、M&Aなどのプロジェクト関連部署の場合は、案件ごとに業務が進行するため、通常の繁忙期とは異なるスケジュールで仕事が進む点に留意が必要です。

会計士の転職タイミングはキャリアを見据えて計画的に

今回は、公認会計士が転職を検討する際に最適なタイミングと時期について、さまざまな視点から解説しました。転職を成功させるためには、ライバルと差をつけるために、こうしたタイミングを考慮した上で効率的なスケジュールを立てることが大切です。まずは自分がこれまでどのような経験を積み、今後どんなキャリアを築いていきたいのかを明確にし、その上で転職活動を始めることが重要です。

不安がある方は是非弊社の転職エージェントにご相談ください。

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