財務の転職は難しい?転職成功へのポイントや必要な経験スキル
企業の財務部門での勤務は待遇も良く、経験を積めばコンサルタントにも転職可能であるため、会計・経理で働く人にとって財務は一度は転職を考えてみる職種でもあると言えるでしょう。
しかし、財務への転職は難しいという記事を目にした方や実際に求人を探しても数も少なく求められているスキルもかなり高いので転職は難しいのかもと思っている方がいらっしゃるのではなないでしょうか。
財務は企業が成長していくためには欠かせない職種ですが、どの企業でも必要な職種というわけではありません。
また、求人をみても大幅な増員というケースはなく、1〜2名といった少人数を募集している場合が大半です。
募集枠が少ない上に、応募者が一定数いるということは、それだけでも転職難易度が高いということでもあります。
そこでこの記事では財務への転職がなぜ難しいのかの理由やそれでも転職を検討する人に向けて転職成功のポイントなどを解説します。
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コンテンツ目次
財務の転職が難しいといわれている理由とは
経理業務を経験していても転職で有利に働かない
財務への転職活動では経理職の経験があっても、それだけでは有利に働きません。経理と財務は混同されがちですが、経理経験があれば必ず有利になるというわけではありません。
なぜなら、どちらも同じようにお金を扱う部署でありながら、その仕事内容に大きな違いがあるからです。
財務部門は資金調達など「将来的(未来)に会社が使うためのお金を扱う」部門です。
これに対し、経理部門は過去の活動で発生したお金を管理する部門です。
以下は、財務の主な仕事内容を簡単に説明したものです。
[財務の主な業務]
- 財務戦略の策定
- 予算・資金の管理
- 資金調達
- 資金管理
財務で働くには、財務諸表を理解し分析するために会計の知識が必要です。また、交渉力やコミュニケーション能力も必要です。
会計・経理の知識も必須ですが、経理の経験だけでは財務の分野で即戦力にはなれないため、経理業務を経験していても転職で有利に働かない面があります。
また、財務の仕事内容について、更に詳しく知りたい場合は「財務の仕事内容とは?経理や会計とは何が違うの?」の記事をご覧ください。
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スキル、経験だけではなく、マネジメント力を求められる
財務部門の仕事では、一般的にマネジメント能力のある人材が求められます。
実際、マネージャーやエグゼクティブを対象とした求人も多く、マネジメント経験があることが望ましい、あるいは、必須とされています。
財務部門はエリートが多い部門であり、財務のトップはCFO(最高財務責任者)と呼ばれ、CEOへの足がかりとなるポジションでもあります。
そのため、財務部門には求められるレベルが高いと言えます。
この部門では、経理や財務の仕事をこなすだけでなく、会社のメンバーをマネージメントし、組織のパフォーマンスを最適化できる人材が求められています。
実務経験者が有利な傾向が強い
財務部門の仕事に応募する場合、通常、実務経験者が優先されます。財務部門で働くために必須の資格はありませんが、実務経験があることが望ましいとされています。
実際の求人広告を見てもわかるように、5年から10年の経験を必要とするケースが多いようです。
財務部門はエリート部門であると先述しましたが、かなり高いレベルのスキルが必要であり、必然的に即戦力採用が中心となります。
未経験で財務部門に入るのはかなり難しいことは覚悟しておく必要があります。
求人自体は少ない
財務部門をはじめとする管理部門は、通常、少人数の従業員で構成されています。
各企業の人数も多くないため、財務部門は求人自体少ないと言えます。
独立した財務部門が存在する企業規模は限られている
経理部門はどこの会社にもありますが、財務部門があるのは主に上場企業や大企業です。中小企業では財務部門が独立した部署であることは多くありません。
必然的に、財務部門を持つ企業の数自体が少なくなります。
そもそも財務と経理の違いとは?
経理担当者の仕事内容を一言で言うと、「日常(過去)のお金の流れを管理すること」です。
具体的には、以下のような仕事内容に分類されます。
- 債権・債務管理:売上や仕入れに関わるお金の管理
- 経費管理:日々の経費管理
- 月次・年次決算
このように、会社にまつわるお金を数字で提示し、日々・毎年のお金の流れを管理するのが仕事です。
一方、財務の業務内容は上記に示したとおりであり、業務内容には違いがあります。
また、経理と財務の仕事内容の違いについて、更に詳しく知りたい場合は「会計の仕事内容とは?経理や税務との違いも解説」の記事をご覧ください。
経理より財務のほうがより高度なスキルが必要なのか?
実際、経理業務と財務業務の区分は、会社ごとに多少異なります。
中小企業やベンチャー企業では、同じ会社のメンバーが経理と財務の両方の業務をこなすこともあります。
一方、経理は日々の資金管理であるのに対し、財務は将来の資金調達であり、経理よりも専門知識が必要となります。
このため、一般的に財務は経理よりも高度な業務領域であると考えられています。
財務部門は離職率が低く安定しているケースが多い
一概に離職率が低いから働きやすい職種だとはいえませんが、財務部門は一般的に離職率が低く安定して働けるケースが多いのも特徴です。
企業における財務の立ち位置とは?
財務は予算策定や財務戦略などの業務内容からもわかるように、経営者寄りの位置づけです。
また、財務は将来に向けたお金の動きに対応する業務が多く、経理は過去のお金の動きを正しく記録するのが主な仕事です。
どちらも経営者としては必要なものですが、これからの事業展開に関わる財務部門は経営者にとっても重要な部門なのです。
財務へ転職する場合に必要なスキル
この章では財務に転職する際に必要となるスキルについて説明します。
- コミュニケーション力
- 高い分析能力
- 経営や金融・会計の知識、経験
これらのスキルがあれば、財務の仕事をより適切にこなすことができますし、言い換えれば企業はこれらのスキルを持つ人を財務に適任だとみなします。
そのため面接でこれらのスキルをアピールできれば、採用される可能性は高くなります。
それぞれのスキルについて、詳しく見ていきましょう。
コミュニケーション力
財務の仕事では、コミュニケーション力が重要です。
分析で分かったこと・そこから得られた見通し・今後取るべき行動などを、社内の関係部署やステークホルダーに対して分かりやすく説明する必要があります。
また、銀行から融資を受けるときや株式を発行するときなど、相手を説得しなければならない場面もあります。
交渉術なども重要ですし、日頃からこうした人たちと良好な関係を築いておくことも必要です。
自分の意図を伝えるという意味でのコミュニケーション能力に加えて、共通認識を持つ、相互信頼を築くという意味でのコミュニケーション能力も必要です。
高い分析能力
分析能力は財務に必要な能力です。
財務担当者の仕事は自社の財務戦略を立てることですが、企業の問題点を見つけ、解決策を提案する必要があり、そのためにデータを分析することが必要です。
数字などのデータの意味を読み取り、そこから因果関係や関連性を見出す必要があります。
財務諸表の分析だけでなく、M&Aを実施する際には企業価値の分析も必要です。
このように財務では客観的なデータから答えを導き出す分析力が必要です。
経営や金融・会計の知識、経験
財務の仕事では、経営・金融・会計の知識が必須です。
経営や会計の知識は、財務分析や財務戦略の立案に必要不可欠なものです。
経営戦略の立案には財務分析が、資金調達には財務の知識が欠かせません。
会計の実務では、会計でお金を扱うことができますが、お金の集め方・使い方の知識を得ることは困難です。
特に財務戦略は、戦略の方針・方向性も決めなければなりません。これは経営的な判断なので、経営者の視点と経営の基礎を身につける必要があります。
財務への転職を成功させるポイント
財務への転職を成功させた場合は年収アップも可能なケースが多いはずですが、そのポイントは下記の通りです。
求められている役割を担えるかスキルを確認する
応募する前に、自分のスキルが応募先の企業が求めている財務の役割と一致しているかどうかを確認しましょう。
どんなに優れた学歴や高い能力があっても、自分のスキルが企業が期待する役割にマッチしていなければ、転職が成功することは多くありません。
自己分析や自分のキャリアとスキルの棚卸しで確認してみましょう。
転職先の情報を細かに分析する
転職の成否を左右するのは、情報収集力と分析力です。応募先企業の情報を詳細に収集することで、転職後のギャップを回避することができます。
情報とは、給与や福利厚生などの条件面はもちろん、入社する会社の文化や組織風土などです。
転職成功後のキャリアプランを明確にしておく
面接についてですが、1次(または2次)面接では、具体的な経験やスキルに関する質問が中心となります。
多くの場合、職務経歴書の内容にこだわることで、これらの質問に答えることができるようになります。
しかし、最終面接では、入社後のビジョンやモチベーションを確認するための質問が中心です。
入社後のビジョンを説明できるように準備しておくことが大切です。
財務からのキャリアパスとは
財務からのキャリアパスとして以下のものが考えられます。
- 社内で管理職を目指す
- 最高財務責任者(CFO)を目指す
- より高い資格の取得や独立起業を目指す
未経験から財務への転職はできるのか
財務の転職は経験者が圧倒的に有利であり、5~10年の経験があると就職活動で有利です。
5~10年の経験を持つ中高年の経験者が転職を成功させることが多く、経験が浅かったり・1~2年など経験が少なかったりすると、転職は簡単ではありません。
ただし財務と親和性の高い職種からの転職などであれば不可能ではありません。
財務への転職は難易度が高いのでしっかりと準備しましょう!
財務の求人は大量募集されることはなく、基本的に欠員募集になるため多くても1、2名という少数枠であることや求められるスキルは非常に高く、経験や実績なども必要になることから、財務への転職するための難易度は非常に高いものです。
経理と大差ないと思っていた方も本記事を読んでいただくと、その違いに気が付かれると思います。
まずは、ご自身の財務への適正をみるためにも財務にも強い会計業界専門の転職エージェントへ登録して、キャリアアドバイザーと話をしていみるといいでしょう。
財務への転職が実現できるかどうかの判定もしてくれますし、今のあなたに足りないものなども教えてくれます。
具体的に転職活動を始める前に、まずは転職エージェントへ相談してみましょう。
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投稿者情報
- 公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。
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