公認会計士になるまでの全体フローを再確認!目指す上で気になる疑問にもお答えします
2023/11/01
公認会計士は企業の監査と会計を専門分野とする国家資格です。
資本市場の公平性を保つために欠かせない仕事であり、高度な専門知識を持つな専門家でないと務まりません。
では、公認会計士になるためにはどうすれば良いのでしょうか?
公認会計士試験に合格すれば、それで公認会計士になれると思っている方もいるかと思います。
確かに公認会計士になるためには超難関試験に突破しなくてはなりません。しかしそれだけでなく実務経験も積まなくてはなりません、
最終的に修了考査に合格し、登録を行い晴れて公認会計士となることができるのです。
この記事では公認会計士になるまでの流れと、様々な疑問点にお答えし、これから公認会計士を目指す人の一助となるよう解説します。
コンテンツ目次
公認会計士になるまでの流れについて
公認会計士になるまでの流れ
公認会計士になるには、まず公認会計士試験に合格する必要があります。
公認会計士試験は、「短答式試験」と「論文式試験」に分かれています。
公認会計士試験
公認会計士試験は、基本的に、誰でも受験することができます。
短答式試験は年2回、12月と5月に実施され、マークシート方式で行われます。
合格基準は、総得点の70%です。
短答式試験に合格した後、論文式試験を受けることになります。
論文式試験は年1回8月に実施され、筆記試験です。
合格の目安は50%前後になります。
短答式試験に合格すると、2年以内であれば「短答式試験」を受験することなく「論文式試験」を受験することができます。
まず「短答式試験」に受かり、2年以内に「論文式試験」を受かるかどうかがポイントになります。
ちなみに、2021年の公認会計士試験の合格率は9.6%でした。
年度にもよりますが、短答式試験の合格率は約20%、論文式試験は約10%です。
難関国家資格であるため、合格率はあまり高くはありませんが短答式試験だけで見れば5人に1人が合格しているということから、短答式試験を突破することはできる可能性があるということが言えます。
実務経験のため就職、転職
通常「業務補助(実務)」は、2年以上の経験が必要です。
合格者は一般的には監査法人に就職します。
公認会計士の独占業務である「監査」は一人で行うものではなく、チームで行う必要があるため、監査法人のメンバーとして実務経験を積むことになります。
通常は公認会計士試験後に開催される就職説明会に参加し、合格すれば合格発表後に監査法人への就職活動が行われます。
通常、8月に論文試験が行われ、11月に合格発表、12月初旬に内定が出されることになります。
早ければ合格発表から2週間後に内定がもらえます。
実務補修と修了考査
「実務補習」は、3年間の実務補習と単位取得が必要です。
通常、監査法人で働きながら、1年目は週1〜2回のペースで実務補修を受講します。
2年目以降は回数は減ります。
ちなみに、一定の要件を満たした場合、研修期間を短縮することができます。
実技講習の単位を取得した後、年に1回行われる最終試験、いわゆる「修了試験」に合格しなければなりません。
修了試験の合格率は50%前後と論文式試験と比べると高く、合格期限もないので、合格するまで再受験が可能です。
修了試験に合格すると、公認会計士として登録することができます。
公認会計士登録
公認会計士になり、公認会計士の業務を行うには、日本公認会計士協会への登録が必要です。
登録にあたっては、「公認会計士開業登録申請書類」を日本公認会計士協会に提出します。
公認会計士開業登録申請書類が受理されると、公認会計士になる資格があるかどうか、申請書および添付書類に不備がないかどうかが審査されます。
承認されると、登録され、登録日と番号が与えられます。
目指して求人を探すなら
「会計求人プラス」
公認会計士や税理士を目指すなら、実務経験を積みながら資格取得も目指せる事が理想です。会計業界に特化した求人サイト「会計求人プラス」ならそんな職場も探せます!
試験勉強と仕事との両立は可能なのか?
合格率の低い資格や難易度の高い資格を取ろうとする人の中には、「勤めている会社を辞めたほうがいいのでは」と考える人も少なくありません。
公認会計士も例外ではありません。
会社を辞めて公認会計士になるのは、仕事と勉強の両立が難しいからでしょう
試験勉強に専念したいという気持ちはごもっともですが、落ち着いて仕事を辞めることのリスクを考えることが大切です。
貯金はあるかもしれませんが、仕事を辞めて勉強に専念してもすぐに合格できる保証はないのが問題です。
貯金がなくなって、公認会計士をあきらめて再就職しようと思っても、手ぶらではそれも難しくなってしまいます。
生活が苦しいからとアルバイトを始めると、何のために会社を辞めたのかわからなくなります。
公認会計士試験に合格するためには、3,000時間の勉強が必要だと言われています。
仕事を辞めてまで勉強しようという発想は、ここから来ているのかもしれません。
単純計算で、1日8時間の勉強を1年間中断せずに続けると、2,920時間勉強したことになります。
ただその勉強時間で試験に合格する人はあまりいません。
そのために仕事を辞めるというのは、リスクが大きすぎます。
4年以内の合格を目指すなら、1日2時間の勉強で済みますし、土日祝日をうまく使えば、さらに効率を上げることができます。
平日は仕事で忙しく、学校まで足を運べないという方は、通信教育で受講することもできます。
移動時間がかからないので、ムダを省くことができます。
公認会計士になるのに年齢は関連があるのか?
公認会計士試験の受験資格は年齢を問わないので、年齢に関しては考え方が難しいところがあるかもしれません。
大卒の学位が必要な場合は、22歳以上であることが必要です。
しかし、公認会計士は決して大卒である必要はありません。
高校を卒業してすぐに公認会計士の勉強をしても問題はありません。
若い方が有利とは言われています。
勉強はどこでするのが最適なのか?
予備校
公認会計士受験対策講座には、1~1年半の短期集中講座と、2年程度の長期講座があります。
講師から直接指導を受けられるというメリットがあります。
また、自分のスケジュールに合わせて学習計画を立てられるというメリットもあります。
一方で、移動時間を含めた時間的な拘束が大きくなるため、働きながら受講することは難しいかもしれません。
そのため、スケジュールの融通が利かない学生や、モチベーションをコントロールする術を知らない学生にも適した学習方法といえます。
通信講座
通信講座は、学生から社会人まで、誰でも自分の都合のよい時間や場所で学習することができます。
学習方法としては、インターネットやDVD、テキストなどがよく使われますが、苦手なところは何度でも繰り返し学習できるのが魅力です。
また、通学する必要がなく、自分のスケジュールに合わせて学習を続けられるので、「レッスンについていけない...」という心配もありません。
デメリットとしては、自分で勉強のスケジュールを管理し、モチベーションを維持することの難しさが挙げられます。
独学
講座や通信教育ではなく、自分で公認会計士試験に挑戦しようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
独学は、費用がかからない、完全に自分のペースで勉強できる、自分で考えることができるなどのメリットがありますが、教材選びや学習効果の面で苦労するなどのデメリットもあります。
また、この学習方法は、自分で計画的に学習を進められる人を対象としていますが、公認会計士試験の合格率は当初10%を下回ることもあり、独学で合格を目指すのは非常に困難です。
公認会計士に向いている人は?
公認会計士としての毎日は、数字との戦いです。
監査業務では、企業が提出する膨大な数の財務書類を調査することになります。
特に決算期などの繁忙期には、朝から晩まで数字だけを見て過ごすこともあるので、資料の数字を精査することが苦にならない人に向いている仕事だと思います。
監査業務は、実際に企業を訪問して行うため、オフィスの雰囲気やさまざまな企業の事業活動を間近で見ることができます。
公認会計士として女性は活躍できる?
公認会計士は、必要なスキルさえあれば、性別に関係なく評価されることの多い職業です。
職業柄、給与水準も高く、女性でもバリバリ働いてキャリアを積んでいくことができます。
近年は、出産・育児を機に退職した女性でも復職しやすくなっています。
しかし監査法人で公認会計士として働くことはかなりハードです。
仕事と育児・介護を両立させたい場合はかなりの覚悟が必要です。
公認会計士の将来性
公認会計士の未来は、基本的に明るいと思います。
特に近年は、企業のグローバル展開に伴い、国際会計基準に精通した公認会計士のニーズが非常に高まっています。
将来的にはAIによって、人々が機会損失を蒙るようになると言われています。
しかし人工知能に仕事が奪われる可能性も、公認会計士に関しては低いと考えられています。
公認会計士は単に会計上の数字を扱うだけでなく、コーポレート・ガバナンスに関する問題や課題を発見し、解決策やソリューションを策定することも必要だからです。
公認会計士の年収とは
公認会計士の平均年収は、800万円から900万円です。
これは他業界の初任給と比較しても非常に高い水準です。
しかし、これだけの年収を得られるということは、公認会計士になるための難易度が高いことと、業務のハードさが浮き彫りになっていると言えるでしょう。
公認会計士の求人は?
監査法人における雇用の動向は、監査業務を中心としたポジションと、コンサルティング業務を中心としたポジションとで、やや異なるようです。
監査関連職は公認会計士試験合格者、第二新卒者、実務未経験者でも応募可能ですが、コンサルティングやアドバイザリー職は公認会計士や関連分野の経験が求められることが多いようです。
経験を積んでいる公認会計士であるなら、どの企業からも需要は高いことが伺えますので、求人情報の詳細を確認し、最適な転職を実現できる求人を見つけてください。
また、公認会計士が転職を考えるのであれば、転職エージェントを活用することがおすすめです。
業務が多忙な場合は、転職エージェントを活用し、効率的に転職活動をすすめることができます。
まとめ
ここまで、公認会計士になるまでの流れについてはご理解いただけたかと思います。
また、公認会計士を目指す上で、多くの方が気になるポイントや疑問についてもお答えしました。
試験合格までの道のりも長いのですが、合格してからも時間がかかるのです。
合格後した暁にはBIG4といわれてるような世界規模の巨大コンサルティングファームなどへの就職や転職を実現し、高い水準の年収をもらうことができる可能性があります。
とにかくまずは公認会計士試験に合格することを目指し、勉強に集中することが大切です。
かなりの努力や苦労をしても、取得する価値のある資格であることは間違いありません。
公認会計士になるまでの流れを理解し、疑問をや不安を払拭し無駄なく安心して1つ1つ進めていきましょう。
目指して求人を探すなら
「会計求人プラス」
公認会計士や税理士を目指すなら、実務経験を積みながら資格取得も目指せる事が理想です。会計業界に特化した求人サイト「会計求人プラス」ならそんな職場も探せます!
投稿者情報
- 公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。
最新の投稿
- 公認会計士2024.11.14公認会計士とは?仕事内容や試験、魅力についてを解説
- 会計士の仕事2024.07.31公認会計士は副業できる?監査法人や一般企業など働き方別に解説
- 経理2024.07.23公認会計士の仕事はAIによってなくなるはウソ?なくならない理由を解説
- 公認会計士2024.07.22公認会計士に必要な英語力とは?転職に有利なレベルと実際の業務を解説