会計事務所の仕事とは?業務内容・1年の流れ・働くメリットなどを解説
2025/10/28
会計事務所で働きたいと思っていたり、会計事務所の仕事に興味を持っている人は多いです。そこでこの記事では、会計事務所では実際どんな仕事をしているのか、スケジュール、メリットや大変な点などを解説します。
会計事務所の仕事内容について、理解を深めていただき転職活動にお役に立てればと思います。
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コンテンツ目次
会計事務所の具体的な仕事内容
会計事務所では、主に「記帳代行」「決算書の作成」「税務申告補助」「経営コンサルティング」「顧客対応・訪問業務」を請け負うのが一般的です。ここでは、それぞれの業務内容について詳しく解説します。
記帳代行
記帳代行とは、事業者(企業・個人)に代わって記帳を行うサービスです。顧客から領収書や請求書、通帳コピーなどを預かり、会計ソフトへ仕訳を入力して、総勘定元帳・会計帳簿を作成します。近年、ほとんどの会計事務所では会計ソフト(クラウド会計ソフトも含む)を活用して、会計処理を行って試算表を作成し、決算業務を行っているため、実質の作業は取引のソフトへの入力作業となりますが、作業に当たっては税務・簿記の知識が欠かせません。
決算書の作成
決算期には、1年間の取引を集計し、貸借対照表や損益計算書などの決算書を作成します。会計事務所では記帳代行の延長として請け負うことが多いため、月次処理が適切に進められていれば決算書も概ねできあがっていますが、決算時には年度末締めの会計処理など特殊な対応が発生します。
税務申告補助
法人税や所得税、消費税などの申告業務をサポートします。税理士が最終確認・提出を行いますが、会計事務所スタッフは資料整理や申告書の作成補助を担当します。会計事務所であれば、毎年改正される複雑な税制にも対応できるのが大きな強みです。
経営コンサルティング
会計事務所では、監査業務を通じて財務状況や経営課題も把握しているため、経営改善策などを助言するコンサルティング業務も行っています。税務に関するアドバイスだけでなく、経営戦略やIT戦略など幅広い視点からの提案も行います。その他、事業承継やM&Aなど企業の継続に関わる特定の分野に特化してコンサルティングを行うこともあります。
顧客対応・訪問業務
最近はオンライン対応で済ませてしまう会計事務所も増えてますが、定期的に顧客を訪問し、月次試算表の説明や経営相談に応じることもあります。会計事務所にとって、経営者との信頼関係は最も大切な資産のため、実際に顔を合わせて話すことを重視している会計事務所もあります。
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会計事務と経理事務の違い
会計事務と経理事務には大きな違いはありませんが、使われる場面や業務の範囲に違いがあります。
会計事務
主に会計事務所で働く事務職を指すことが多く、顧客(企業や個人事業主)から預かった領収書・請求書などの資料をもとに、記帳代行や申告書作成の補助を行います。税理士や会計士の指導のもとで業務を進めるため、幅広い業界の会計データに触れられる点が特徴です。
 
経理事務
企業に所属し、自社のお金を管理する職種です。具体的には売上の入金確認、経費精算、仕訳入力、給与計算、決算補助など、会社の経営活動を数字の面から支えます。社内の従業員や取引先と関わる場面も多く、正確さとスピードが求められる仕事です。会社によっては経営企画や資金繰りに関わるなど、より踏み込んだ役割を担う場合もあります。
会計事務所の一年の流れ
ここでは一般的な会計事務所の一年間の仕事の流れについてご紹介します。
1月〜3月:確定申告の繁忙期
個人事業主の確定申告が集中する時期です。年末調整後の書類整理や源泉徴収票の作成も並行して進める必要があり、会計事務所にとっては最も忙しいシーズンといえます。この期間は顧客からの問い合わせも急増し、税制改正の内容について説明を求められる場面も多くなります。申告期限に間に合わせるため、残業が続くことも珍しくありません。数字の正確さとスピードの両方が求められるため、会計事務スタッフにとっては緊張感の高い時期です。
4月〜6月:法人決算(3月決算企業)の対応
日本の多くの企業が3月決算であるため、この時期は法人の決算書や申告書作成の対応がピークを迎えます。申告期限の5月末に向けて、決算整理仕訳の入力や税額計算、顧客へのヒアリングが集中します。同時に、新年度が始まることで経営者から「今年度の資金繰り」や「事業計画に合わせた税務アドバイス」を求められるケースも増えます。顧客対応の幅が広がるため、単なる事務処理にとどまらず、コンサルティング的な要素も色濃くなる時期です。
7月〜9月:比較的落ち着くタイミング
繁忙期を終えて業務が一段落し、スケジュール的には余裕が生まれる時期です。会計事務所ではこの期間に、中小企業や個人事業主への定期訪問を行い、月次試算表を用いた経営分析やアドバイスを行うことが多くなります。また、所内ではスタッフ研修やシステム改善に取り組む事務所も多く、新人教育や業務効率化プロジェクトが進むのもこの時期です。将来の繁忙期に備えて業務フローを見直すなど、組織としての成長を図る重要なシーズンとなります。
10月〜12月:年末調整・法定調書の準備
従業員を抱える企業にとって欠かせない年末調整業務が始まり、源泉徴収票や法定調書の作成準備が本格化します。年末調整は従業員一人ひとりの所得控除の確認が必要で、ミスが許されないため正確な処理能力が求められます。また、法人顧客においては下半期の経営状況を踏まえた税務相談や資金計画の見直しなど、年末に向けた経営支援が増える時期です。12月後半は業務が集中しやすく、翌年の繁忙期に向けた準備も同時に進めるため、再び忙しさが増すのが特徴です。
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会計事務所で働くメリットと大変な点
ここでは会計事務所で働くメリットと大変な点について解説します。
会計事務所で働くメリット
専門知識が身につく
会計事務所では日々の業務を通じて、簿記・会計・税務といった専門的な知識を実務ベースで学ぶことができます。学校や資格取得の勉強で得た知識を「現場でどう活かすのか」を肌で感じられるのは大きな魅力です。例えば、仕訳の入力や決算書の作成を重ねるうちに、単なる数字の羅列ではなく「この数字が企業の経営状況をどう表しているのか」が見えてくるようになります。また、税務申告や顧客対応を経験することで、資格試験対策やキャリアアップにも直結する実力が自然と養われていきます。
安定したニーズがある
会計や税務は企業活動に欠かせない領域であり、景気や流行に左右されにくいのが特徴です。どの企業であっても帳簿の作成や税務申告は必ず必要であるため、会計事務所の仕事がなくなることはまずありません。会計業界は不況期でも一定のニーズが見込め、安定した働き方を実現しやすいと言えます。
多様な業界の知識が得られる
会計事務所の顧客は、飲食業・製造業・IT業界・医療業界など幅広い分野に及びます。そのため、日々の業務を通して多様な業界のビジネスモデルやお金の流れに触れることができます。一つの会社に勤務する経理職と違い、複数の業種に関わる経験が積めるのは会計事務所ならではのメリットです。
 
キャリアの選択肢が広がる
会計事務所で経験を積むと、税理士や公認会計士などの専門職を目指す道も開けます。また、企業の経理・財務部門に転職する際にも即戦力として評価されやすく、キャリアの選択肢が増えるのも大きな魅力です。「数字に強い」「税務に詳しい」という強みは、将来的に独立開業を考えている人や、経営幹部を目指す人にとっても大きな武器になります。
会計事務所で働く大変な点
ミスが許されないプレッシャー
会計事務所の仕事は数字の正確さがすべてです。仕訳や決算書の数字がわずかに誤っていただけで、税務申告全体に影響を及ぼす可能性があり、顧客に迷惑をかけることになります。そのため、常に集中力と責任感を持って業務に臨む必要があります。また、税務署への提出書類は法的な効力を持つため、単純な事務処理ではなく「正確でなければならない」というプレッシャーを伴います。数字を扱うことが好きでも、気を抜けない緊張感が続く点は大変さの一つです。
繁忙期はとても忙しい
会計事務所には年間を通じて繁閑の波があり、特に1月〜3月の確定申告シーズンや、法人決算が集中する4月〜6月、年末調整が重なる12月は非常に忙しくなります。この時期は残業や休日対応が必要になる場合も多く、プライベートの予定を調整しづらいこともあります。短期間で大量の業務を処理する必要があるため、体力的にも精神的にも負担を感じることがあるでしょう。
顧客対応に気を使う
数字を扱うだけでなく、顧客とのコミュニケーションも重要な仕事の一つです。経営者や個人事業主の中には会計知識に乏しい人も多く、専門用語を噛み砕いて説明する力や、信頼関係を築くスキルが求められます。また、顧客の要望に迅速かつ丁寧に対応する必要があるため、単なる「事務作業」ではなく接客的な要素も含まれます。このバランスに苦労する人も少なくありません。
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こんな人に向いている!会計事務所で活躍する人の特徴
計算が得意
会計事務所の仕事では、日々膨大な数字を扱うことになります。仕訳の入力、試算表の作成、税額の計算など、すべての業務に「数字の正確さ」が求められます。特に細かい金額の差異を見逃さずにチェックできる注意力は、会計事務所で長く活躍するための重要な資質です。
淡々と作業できる
会計業務の多くは仕訳入力や書類整理などのルーティンワークです。決算期や繁忙期には同じような作業を何度も繰り返すことがあり、集中力と根気が欠かせません。「地道な作業をコツコツ積み重ねるのが得意」という人や、淡々とした仕事の中でも小さな達成感を感じられる人は、会計事務所に向いています。
 
秘密を守れる
会計事務所では顧客の財務状況や給与明細、経営戦略に関わる数字など、社外秘の情報を数多く取り扱います。もし情報が漏洩すれば、顧客に大きな損害を与える可能性があります。
そのため「守秘義務を徹底できる誠実さ」が必須です。
 
整理・管理ができる
会計事務所の業務では、領収書や請求書、申告書類など膨大な数の書類を取り扱います。フォルダ構成やファイル名の付け方などデータ管理を工夫できる人は、業務効率を大幅に高めることができるので、大きな戦力となるでしょう。
会計事務所でキャリアアップを目指そう
会計事務所の仕事は、簿記や会計の知識を活かした専門的な業務である一方、未経験からでも挑戦できるチャンスがあります。実際、多くの事務所ではアシスタント業務からスタートし、仕訳入力や資料整理といった基本的な作業を通じて実務を学んでいくケースが一般的です。
キャリアアップの選択肢も豊富です。会計事務所で経験を重ねた後、税理士資格を取得して独立する人もいれば、企業の経理・財務部門に転職してより大きな組織で活躍する人もいます。また、幅広い業界の顧客と関わる経験は、経営コンサルティングや財務アドバイザーといった新しいキャリアにもつながります。
まずは求人情報をチェックして、自分に合った事務所を探してみましょう。事務所によっては教育体制が整っているところもあり、未経験でも安心してスタートできる環境が整っています。
もし「自分に合った職場が分からない」「キャリアの方向性に迷っている」という場合には、専門の転職エージェントに相談するのも有効です。会計業界に精通したエージェントなら、希望に合う事務所の紹介だけでなく、今後のキャリア形成についてもアドバイスを受けられるでしょう。
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投稿者情報

- 現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。
 
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