税理士が会計事務所で働くときの選び方の基準とは
2023/11/02
税理士が会計事務所で働くときの選び方の基準とは一体なんでしょうか?税理士として働くときには自分の合った会計事務所を見つけることが肝心です。何を基準に選べばいいかで迷ったときには、「事務所の規模」に注目をしてみましょう。
会計事務所は規模によって業務内容も異なり求められるスキルも違ってくることはご存知でしょうか。ここではそれぞれの規模の会計事務所を詳しく見ていきます。キャリアパスを考えながら、税理士としての仕事を捉えていくことも大切です。伸び伸びとした気持ちで働ける職場環境を得ていきましょう。
コンテンツ目次
顧客との距離が近い!小・中規模の会計事務所の特徴
スタッフの数が数名から数十名の会計事務所では、中小企業を顧客とした税務業務が基本的な仕事になります。地域に密着した事務所が多いため、地場に根付いたアットホームな雰囲気が特徴的です。
日本に開業している会計事務所の規模としては1名〜5名までの小規模な会計事務所が一番多いのです。
ベテラン所員がいる事務所であれば、1から税務の基本を学べるため未経験者はここからキャリアを積んでいくことが可能です。小規模の事務所だとスタッフ不足から多くの業務を任されるといった面がありますが、逆を言えば1人で顧問先の企業を任される機会もあるため様々なスキルを養っていくことができます。業務の初めから最後までの全体の流れを把握しながら、経験を詰めるので、独立開業を目剤しているのであれば、選択肢として考えてみてもいいかと思います。さまざまな業種の税務業務をこなしながら自分の中での強みや弱みを見極めてみましょう。自分の得意分野や苦手分野を把握しておくことは、その後のキャリア形成にもつながっていきます。
小・中規模の会計事務所は税理士として働くことはもちろん、まだ税理士試験に向けて勉強しているといった未経験者の採用も行っています。注意しておきたい点は社会保険が未加入のところがあったり、残業が多かったりといった点です。働き方改革が進む中、そのようなブラックな事務所はだいぶ減っているようですが、今でも耳にすることがありますのでご注意ください。まずは、働き始める前に、そのあたりのことをしっかり調べておくことをおすすめします。いずれにしても、ここからキャリアを積んでいく場合には、自分の将来の目標と照らし合わせて最適な職場を選んでみましょう。
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さまざまな業務が体験できる!大規模な会計事務所の特徴
大規模な会計事務所の特徴としてあげられるのは、多岐にわたる業務が経験できるという点です。抱えている顧客の数も多く、大手企業などとも関わりが深くなります。税務・会計業務に加えて、M&Aに携わったりする業務も任されるでしょう。
100名を超えるスタッフを抱える会計事務所になると、全国に支店を持っていたりもします。この規模の会計事務所に未経験から就職すると、税理士として必要なことはほとんど学べるといえます。社員の数が多いため、いろんな人たちから学んでいくことができるでしょう。
また規模が大きい分だけ社員の独立にも寛容であるため、将来的に独立をしたいと考えるなら、先に大手の会計事務所に就職してみるのも1つの方法です。スタッフの数が多いため、むやみに残業に振り回されてしまうことも少ないでしょう。また、大手企業との人脈を構築できたりもするため、キャリアアップに幅をもたせたいのであれば、大規模な会計事務所に転職することも近道です。
給与水準も業界より高い傾向があるため、安定して働くことができます。スキルアップをしながら、安定的に働きたい人は就職先として検討してみるのもいいでしょう。
所長が若い場合には、さらに大きな組織となっていく可能性もあるので、自分自身の成長と合わせて組織の成長も見ていくことができる可能性もあります。会計や経理の世界で飛躍していきたい人には、おすすめの規模の事務所です。
上場企業や国際企業を顧客として持つ四大税理士法人
四大税理士法人(BIG4)は世界中の企業を相手にする4つの税理士法人のことです。上場企業や大手メーカー、外資系企業などを主な顧客としています。福利厚生や給与の面では問題がありません。
BIG4と呼ばれる税理士法人は下記の4つになります。
- KPMG税理士法人
- PwC税理士法人
- EY税理士法人
- デロイト トーマツ税理士法人
入社時には税理士有資格者か最低3科目合格者を求める傾向にあります。スタッフの人数も多いため、社内の研修制度は充実しているといえるでしょう。また、企業の監査やM&Aなど規模の大きな案件を扱います。グローバルな企業も顧客として持つため、高いコミュニケーションスキルと英語力も求められるでしょう。
一見問題がないように見える四大税理士法人ですが、顧客の規模が大き過ぎて、中小企業向けの税務業務の経験が積めない点はデメリットだといえます。会計業務には詳しくなっても、税務業務は苦手といった人材になりやすいのです。ずっと働き続けて、昇進を狙っていくならいいとはいえますが、将来独立をしたいと思っている人には不向きです。なぜなら、独立をしたてのころは中小企業向けの税務業務を行うことが多い傾向になるため、必要なスキルがここでは身につかないからです。
自分のキャリアパスと照らし合わせて、本当に自分に合った職場であるのかはよく見極める必要があります。就職先の選び方を誤ってしまうと、その後のキャリア形成にも影響を及ぼすため、慎重になる必要はあります。
専門分野に強い!相続や医療に特化した会計事務所
会計事務所の中には医療や相続など、特定の分野に特化した事務所も存在します。幅広く税務業務を学ぶよりも、特定のジャンルに特化した経験を積んでいくことによって、エキスパートとしてのキャリアを形成していきます。
将来的にこうした分野に強い事務所を独立して開きたいなら、良い経験が積めるので選び方としては1つの方法です。ただ組織としては小・中規模といったところが多く、新卒者の採用にはあまり積極的ではありません。未経験者よりも経験者を多く採用する傾向にあります。
また業務量に比べてスタッフが少ないため、残業が多くなりがちでもあります。人手が少ないということは、あまり人材教育にも力を割いていなかったりもするので注意が必要です。専門分野に特化したタイプの会計事務所は独立する人も多いため、必然的に離職率が高い傾向にあります。
落ち着いて働ける環境というよりも、自分のキャリアパスと照らし合わせて選んだほうがいいでしょう。選び方を間違えてしまうと、その後のキャリアの形成が難しくなってしまう場合もあるので注意が必要だといえます。実際に就職を決める前に、専門分野に特化している会計事務所での勤務経験者に話を聞いてみるのも1つの方法だといえるでしょう。
まとめ
税理士として働くときに中小企業向けの税理業務は、どの会計事務所でも求められます。その上で自分のキャリアアップの方向を見定めていくことが大切です。大手の会計事務所で働くことを考えるならば、税務・会計に関する知識を深めると共に、監査業務の勉強もしていくことになります。また大きな税理士法人で働くには、グローバルな企業も相手にできるだけの英語力も必要でしょう。それぞれの規模の会計事務所で求められているスキルを知って、働きやすい職場を見つけてみましょう。
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