
FASはやめとけって本当?転職前に知っておきたい落とし穴とリアルな実態
FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)は、安定した収入や仕事へのやりがいなどから、魅力的な職種として注目されています。
その一方で、インターネット上では「激務」「精神的にきついからやめとけ」といったネガティブな声も散見されるため、転職を躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、FASへの転職を迷っている方向けに「やめとけ」といわれる理由やFASを目指すメリット、転職で後悔しないためのポイントについて解説します。
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コンテンツ目次
なぜ「やめとけ」といわれるのか?FASへの転職を反対される理由
FASへの転職について「やめとけ」「後悔する」といわれる理由は大きく分けて4つあります。
激務である
FASは、会計・財務に特化したコンサルティングファームのことです。その業務はM&Aの支援や企業・事業の再生支援、フォレンジック(不正防止のための対応や組織再編、再生業務、予防業務等)など多岐にわたります。
しかもこれらの業務は、いずれも長引く不況による経営不振や少子高齢化に伴う後継者不在問題、コンプライアンスの強化といった現代の社会問題にも深く関与しており、社会的なニーズは年々高まっています。
特にM&A支援はスケジュールがタイトな上、デューデリジェンスや分析などの作業を数多くこなさなければならないため、残業や休日出勤が重なることもあるようです。
以上のことから、FASは休む間もないほどの重労働で、身体的・精神的にきつい仕事というイメージが定着しています。
プレッシャーが大きい
FASが請け負うM&A案件や事業再生案件は、その会社の命運を握る重大な業務です。M&Aや事業再生に失敗すれば、経営不振や後継者不在の影響で破産や倒産に追い込まれる可能性もゼロではありません。
その責任は非常に重大であり「FASで働いていると気が休まる暇がないからやめとけ」といわれる要因となっています。
ストレスが蓄積しやすい
前述の通り、FASが抱える案件は事業の再生や存続などに関わる重要なものであるため、顧客の要望のハードルも高くなりがちです。
「できない」と容易に断ると顧客離れが起こる可能性があるため、無理な要求にも応えざるを得ず、ストレスが蓄積する原因となります。このような業務難易度の高さもFASが「やめとけ」といわれる理由の一つです。
希望通りの案件に携われない
FASの業務は多岐にわたるため、入社できたとしても希望通りの案件に携われるとは限りません。また、FASの主要業務である「M&A支援」や「事業再生支援」は大がかりで華やかな仕事内容が想像されるかもしれませんが、実際の業務では、単調な仕事を延々と続けることも少なくありません。
入社後にこうした理想と現実のギャップに悩まされる人は多く、実際に後悔した経験のある人から「やめとけ」と忠告されることも多いようです。
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FASへ転職するメリット
上述のようなネガティブな意見を見聞きすると、FASへの転職を躊躇してしまう方もいるかもしれません。
しかし、FASにはいくつかのリスクがある一方、魅力やメリットも多数あります。悪い面だけにとらわれず、良い面も理解した上で、FASを目指すかどうか検討してみましょう。
ここではFASを目指すメリットを3つご紹介します。
高年収を期待できる
FASが扱う案件は非常に専門性が高いため、報酬も高額になるケースがほとんどです。そのため、FASに勤務する社員は高収入を得られることが多く、安定した生活基盤を築くことができます。
特にグローバルに活躍する4つの巨大監査法人系ファーム(BIG4)の年収は1,000万円を超えることも珍しくなく、収入にこだわる方にとって魅力的な職場といえるでしょう。
将来のキャリアの幅が広がる
FASはもともと専門性の高い分野であり、さらに業務内容も多岐にわたるため、働きながら多様な知識や経験、スキルを身につけることができます。FASで培ったスキルや経験は、他のコンサルティング会社や事業会社の経営企画担当・経理担当・財務担当、投資銀行、ベンチャー会社の経営企画担当など、さまざまな業種・職種への転職に有利に働くでしょう。
また、公認会計士や税理士の資格を取得し、独立開業を目指す方も少なくありません。FASでの業務経験を通してキャリアの選択肢が増えれば、今後やりたい仕事や興味・関心を抱いた業界が見つかったとき、スムーズに転職できるでしょう。
実力主義でやりがいがある
FASは年功序列型ではなく、成果に応じて評価が上がる実力主義の業界です。FASでの仕事に適性があり、実績を上げることができれば、年齢や勤続年数を問わず、高い評価を得られます。
そのため、実力に応じた評価や待遇を得たいと考えている人にとっては、やりがいを感じやすく、高いモチベーションを維持しながら生き生きと働ける環境だといえるでしょう。
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FASへの転職に向いている人、向いていない人
ここまで紹介してきた通り、FASで働くことにはメリット・デメリットの両面があります。FASに向いている人なら大きなメリットを受けられますが、逆に向いていない人はデメリットやリスクが大きくなり、後悔することになりかねません。そのため、FASへの転職を検討する際は、自分が本当にFASに向いているのかどうか、慎重に分析する必要があります。
ここではFASへの転職に向いている人、向いていない人の特徴をそれぞれ説明します。
FASに向いている人
FASに向いているのは、以下のような特徴を持つ人です。
- 高収入を得たい人
- プレッシャーに強い人
- 学び続ける姿勢がある人
- 単調な仕事にストレスを感じない人
- 専門性やスキルを高めたい人
- やりがい・達成感を重視する人
激務であっても、それに見合った収入を得られるなら構わないという人や、重い責任やプレッシャーはむしろやる気につながるという人は、FASに適した人材といえるでしょう。
また、FASでは会計や財務に関する専門的な知識やスキルが求められますが、会計・財務関連の法律は改正されることがあるため、常に知識のアップデートを行わなければなりません。
FASへの入社後も、継続的に学び続ける意欲がある人は、第一線で活躍することができるでしょう。
FASに向いていない人
以下のような特徴を持つ人たちは、FASで働くのに向いていない可能性があります。
- 会計・経理関連の仕事に就いたことがない人
- 強い向上心がない人
- メンタルが弱い人
- 華のある仕事をしたい人
前述の通り、FASは非常に専門性の高い職業であり、顧客からの要求のハードルも高い傾向にあります。そのため、これまで会計や経理、財務関連の仕事に就いた経験がない方は、業務についていけなくなる可能性が高いです。「初心者だから」「未経験だから」という言い訳が通用しない厳しい業界であるため、まったく経験のない方がいきなりFASに転職するのは控えた方が良いでしょう。
またFASは実力主義であるため、向上心のない人は収入が伸び悩む傾向にあります。ただ長く勤続していれば自然と収入が上がるという業界ではないため、受け身タイプの方はFASに向いていないかもしれません。
さらに、精神的に繊細な方や、華のある仕事に就きたいと考えている方はミスマッチが起こりやすいため、FASへの転職を今一度考え直した方が良いでしょう。
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FASへの転職でよくある後悔とその対策
FASに転職した後「こんなはずじゃなかった……」と後悔してしまう方も一定数います。ここではFASへの転職後に後悔してしまう人が感じることが多い4つのミスマッチと、そのような事態を防ぐための対策について解説します。
スキルのミスマッチ
FASで働くには、会計や経理に関する知識や財務分析力はもちろん、顧客のニーズや要望を聞き出すためのヒアリング能力やコミュニケーション能力、顧客に対して効果的な提案を行うためのプレゼンテーション能力などのスキルが必須です。
また、近年はグローバル展開している企業も多い他、M&A支援で外資系の企業と交渉することもあるため、ある程度の語学力も求められます。これらのスキルを備えていなければ、FASへの転職後の仕事についていけず、後悔する可能性が高いです。
必要なスキルを備えているかどうかを客観的に判断するには、自身がどのようなスキルを持っているか簡易的に診断できるスキルチェックを実施する、あるいは各種スキルに関連する資格や検定を受けてみるといった方法があります。FASの場合なら、公認会計士やUSCPA(米国公認会計士)、日商簿記検定2級、TOEICなどを受けてみて、実務レベルのスキルや知識があるかどうかを確かめておくと良いでしょう。
FAS業界の文化とのミスマッチ
FAS業界は昔ながらの年功序列型ではなく、実力主義の風潮が強いです。そのため、社員の競争意識も高く、野心や向上心が高くなければ第一線で活躍するのは難しいといえます。
また業務ではさまざまな専門家と連携し、協力してプロジェクトを成功に導かなければなりません。そのためにはチームワークが必須であり、協調性やリーダーシップを発揮して仕事に取り組む必要があります。
こうしたFAS業界の文化や風潮を理解した上で入社しなければ「肌に合わない」「ついていけない」と挫折する可能性があります。
ただし、同じFASでも会社によって社風は異なります。企業文化とのミスマッチを防ぐには、あらかじめ自身の求める社風を明確にした上で、企業ごとの理念や文化を入念に調べておくことが大切です。
キャリアプランのミスマッチ
FASに入社すると幅広い業務に携われる他、専門的なスキルを身に付けられるため、多くの場合キャリアの幅が広がります。ただし、FASに入社後すぐに、自分のやりたい業務を任せてもらえるとは限りません。
例えば、将来的にBIG4系FASのM&Aチームで働きたいと考えていても、入社先でフォレンジック業務ばかりを任されてしまうと、M&Aに必要なスキルや実績を積めず、理想とするキャリアに進みにくくなる可能性があります。
このようなキャリアプランのミスマッチを防ぐには、転職活動の段階で希望する業務に携われるかどうか、FAS各社の実情をしっかりと調べておくとともに、面談の場でしっかりと希望する業務内容のすり合わせを行っておくことが大切です。
待遇のミスマッチ
FAS=高年収というイメージが定着していますが、実際の給与水準は会社によって異なります。特にBIG4系と呼ばれる大手のFASと、それ以外のFASでは平均年収の水準に大きな違いがあるため、BIG4系の給与水準を期待して入社するとギャップを感じるかもしれません。
実績を積み重ねれば、年齢や勤続年数を問わず年収を増やすことができますが、活躍の場を得られない場合、いつまで経っても待遇が変わらないままという可能性も十分あり得ます。特にFASの仕事は激務とされているため、待遇が良くならなければ「割に合わない」「働きに見合った成果を得られていない」と感じるかもしれません。
こうした待遇のミスマッチを防ぐためにも、企業研究は慎重に行うと共に、より待遇の良いBIG4系に転職するためのキャリアパスをどう描いていくか、早期に考えておく必要があるでしょう。
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まとめ:FASへの転職にはエージェントの利用がおすすめ
FASは激務である、プレッシャーが大きい、ストレスがたまりやすいなどの理由から「転職はやめとけ」という声も少なくありません。一方で、激務に見合う高収入を得られる、将来のキャリアの幅が広がる、やりがいを感じられるなど、さまざまなメリットもあります。
特に高収入を得たい方や、専門性・スキルを高めたい人、やりがいや達成感を重視する人にとっては理想的な環境となり得ます。自身のスキルやニーズを考慮した上で適性があると判断したのなら、FASへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。
FASへの転職を行うに当たり、スキルや社風、キャリアプラン、待遇などのミスマッチを防ぎたいのなら、業界専門の転職サイトや転職エージェントサービスの利用をおすすめします。
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