会計業界で実務経験を積むためには

税理士登録の実務経験はアルバイトでも認められる?必要時間・対象業務・求人の探し方を解説

2026/09/22

税理士登録に必要な実務経験は、業務内容と勤務実績が要件を満たせば、アルバイトやパートでも算入できます。ただし、勤務先に在籍した期間がそのまま認められるわけではありません。
非正規雇用の場合は、税務または会計に関する事務へ実際に従事した時間を積み上げます。日本税理士会連合会の手引では、1日7時間、1か月154時間を上限とし、2年相当を3,696時間として計算します。
この記事では、対象となる業務、勤務時間の考え方、証明書類、求人選びの確認事項を解説します。実務経験に該当するかどうかは、登録申請後に税理士会が提出書類や面接などを通じて個別に判断します。
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税理士登録に必要な実務経験とは

税理士試験に合格した人や試験免除者が税理士として業務を行うには、税理士名簿への登録が必要です。登録要件の一つとして、原則2年以上の実務経験が定められています。
 まずは税理士法に基づく実務経験の要件やカウント条件、具体的な業務について解説します。

実務経験の要件(原則2年以上)

 税理士法第3条に、「租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上あることを必要とする」と定められており、税理士登録には、2年以上の実務経験が必要とされています。
実務経験は、同じ勤務先で連続して積む必要はなく、複数の勤務先における対象業務の経験を通算できます。ただし、在籍期間を足して2年になれば自動的に認められるわけではなく、各勤務先で対象業務に従事した期間や時間を証明する必要があります。
実務経験を積んだ時期は、税理士試験の合格前でも合格後でも構いません。

実務経験として認められる業務内容

 税理士法施行令で定められている具体的な業務内容は以下のとおりです。
①簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
②仕訳帳等から各勘定への転記事務
③元帳を整理し、日計表または月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
④決算手続に関する事務
⑤財務諸表の作成に関する事務
⑥帳簿組織を立案し、または原始記録と帳簿記入の事項とを照合・点検する事務
なお、会計に関する事務には、「特別の判断を要しない機械的事務を除く」と規定されています。これは、会計や簿記の知識がなくてもできる単純な計算や入力が該当します。つまり、税理士事務所や経理部門に勤務していても、実際に行った作業内容によっては実務経験としてカウントされない場合があるということです。例えば、書類の整理や電話・来客対応、雑務のみの場合や、給与の支払や請求書発行事務、判断を伴わないようなデータ入力作業など、単純な総務業務は実務経験とはみなされません。
実務経験に該当するかどうかは、登録申請後に税理士会が提出書類や面接などを通じて個別に判断します。

一般企業でも、実務経験を積むことは可能

 実務経験は、税理士事務所や税理士法人でしか積めないわけではありません。一般企業の経理部や財務部、あるいは官公庁の税務部門等での勤務実績も有効です。
一般企業での経験を申請する場合も、職種名ではなく実際の業務内容が確認されます。在職証明書だけで実務経験の充足を判断できない場合には、職務概要説明書や会社の組織図などの提出を求められることがあります。

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アルバイト・パートでも実務経験としてカウントされる?

 正社員としてフルタイムで働かなければ実務経験にならないのではないかと思われるかもしれませんが、結論からいえば、アルバイトやパートといった雇用形態であっても、基準を満たせば実務経験としてカウントされます。

アルバイトが認められる条件

 税理士法においては、雇用形態の区分による制限は設けられていません。重視されるのは実質的な業務内容と勤務実績です。
アルバイトであっても、仕訳、月次試算表の作成、決算手続、財務諸表作成など、税務・会計に関する事務へ実質的に従事した時間は算入対象になり得ます。最終的な可否は税理士会が個別に判断します。

実務経験の「時間」や「期間」の考え方

アルバイト・パートなど勤務日数や勤務時間が正社員より少ない場合は、税務または会計に関する事務へ従事した時間を積み上げて計算します。算定上限は1日7時間、1か月154時間で、2年相当は3,696時間です。そのため、在籍期間が2年を超えていても、対象業務への従事時間が不足する場合があります。
複数の勤務先で積んだ経験は通算できますが、各勤務先の在職証明書などが必要です。短時間勤務の場合は、勤務時間の積上げ計算書に加え、タイムカード、出勤簿、給与支払台帳などの提出を求められることがあります。

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実務経験を証明する方法

実務経験は自己申告だけでは認められません。登録申請時には、勤務先や勤務状況に応じた書類を提出します。必要書類は個別の状況で異なるため、必ず最新の税理士登録の手引を確認してください。

在職証明書と勤務実績を確認する書類

勤務先の代表者に、在籍期間や従事した業務を記載した在職証明書の作成を依頼します。複数の勤務先の経験を通算する場合は、原則として各勤務先の証明が必要です。在職証明書の証明者に関する印鑑登録証明書や、給与の支払いを確認する源泉徴収票なども求められます。
アルバイト・パートなどの短時間勤務では、勤務時間の積上げ計算書のほか、勤務先代表者が確認したタイムカード、出勤簿、給与支払台帳などを提出する場合があります。一般企業での業務内容を在職証明書だけで判断できない場合は、職務概要説明書や組織図などの追加書類を求められることがあります。

証明書を依頼するときの注意点

在職証明書の業務内容が曖昧だと、追加の確認が必要になる場合があります。仕訳、決算手続、財務諸表作成など、実際に担当した対象業務が分かるよう勤務先と確認しましょう。
退職後や勤務先の廃業後は証明書の取得が難しくなることがあります。勤務中から雇用契約書、給与明細、勤務表などを保管し、退職前に証明書の発行窓口を確認しておくと安心です。ただし、手元の記録だけで在職証明書などの代わりになるとは限りません。

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税理士事務所でアルバイトをするのはどんな人?

税理士事務所では、試験勉強や家庭生活と両立しながら、アルバイトやパートとして実務経験を積む人がいます。
①税理士受験生
 将来の税理士登録を見据え、試験勉強と並行してアルバイトしている方です。実務経験2年を早期にクリアしたいと考えています。正社員と比べ、勤務時間をコントロールできることが多く、勉強時間を確保しやすいというメリットがあります。また、実務に触れることで試験内容の理解度が深まるという相乗効果も期待できるでしょう。
 少数ですが、公認会計士受験生もいます。生活費や受験費用を稼ぐ、会計知識を活かすという目的で働くこともあります。
②子育てや家庭生活と両立して働く人
経理経験や日商簿記などの知識を生かし、家事・育児・介護などと両立しながら税理士補助として働く人もいます。
 税理士の独占業務である「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」を資格のないアルバイトが単独で行うことは法律で禁止されています。そのため、有資格者である税理士の指示・監督のもとで、税理士補助業務を担当することになります。

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税理士事務所アルバイトの求人の探し方

 希望に合った求人の探し方のポイントや、面接時の確認事項などを解説します。

求人サイト・エージェントの活用

士業・会計業界に特化した求人サイトや転職エージェントを使うと、税理士受験生歓迎、科目合格者優遇、試験休暇制度ありなどの条件で求人を絞り込みやすくなります。求人票に「実務経験として算入可能」と記載されていても、登録時の認定を保証するものではないため、具体的な担当業務を確認しましょう。
一般の求人サイトでも、税理士事務所のパート・アルバイト求人を探せます。「税理士補助」「会計事務所」「決算補助」などのキーワードと勤務地を組み合わせて検索すると候補を絞り込みやすくなります。

求人を見るときのチェックポイント

①業務内容
 求人票に記載されている業務内容を確認しましょう。単なるデータ入力や書類整理ではなく、「月次決算補助」や「記帳代行」、「申告書作成業務」などの業務が含まれているかをチェックします。
②教育体制
 未経験者や勉強中でもフォロー体制やマニュアルがあるかどうかをチェックします。
③勤務体制 
試験勉強と両立できる勤務体制かどうか、試験前に休暇を取得できるかも重要です。
④対象業務と証明書発行の実績
税理士登録をした先輩がいるか、どの業務を担当できるか、在職証明書の発行実績があるかを確認します。ただし、最終的な認定は税理士会が行います。

面接で確認すべき質問例

面接では、担当予定の業務、税務・会計業務へ従事する時間、在職証明書や勤務時間の積上げ計算書を発行できるか、試験前の休暇制度、正社員登用の実績などを確認しましょう。業務内容は求人票だけで判断せず、具体的な作業例まで質問することが大切です。

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アルバイトでも実務経験は積めるが「内容」が重要

税理士登録に必要な実務経験は、業務内容と勤務時間の要件を満たせば、アルバイトやパートでも算入できます。経験を積む時期は、税理士試験の合格前でも合格後でも構いません。
重要なのは在籍期間だけでなく、対象となる税務・会計業務の内容、従事時間、それを確認できる書類です。勤務中から担当業務と勤務時間を記録し、在職証明書などの発行方法を勤務先へ確認しておきましょう。
求人を選ぶ際は、時給や勤務地だけでなく、担当業務、勤務時間、教育体制、試験との両立、証明書発行への対応を比較してください。申請書類や実務経験の扱いは変更される可能性があるため、申請前に日本税理士会連合会の最新情報と所属予定の税理士会へ確認することが大切です。
参考:日本税理士会連合会「登録に必要な提出書類等」

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