事務職の資格はどれがいい?目的別おすすめ資格と難易度まとめ
2026/09/29
結論からいうと、未経験から一般事務を目指すならMOS、経理・会計分野なら日商簿記、IT活用や業務改善ならITパスポートやVBAエキスパートが候補です。英語を使う事務職ではTOEIC、人事・労務の専門性を高めたい場合は社会保険労務士が選択肢になります。資格名だけで決めず、希望する仕事内容と求人の応募条件を確認して選ぶことが大切です。
事務職として活躍するために資格取得を検討している方は非常に多いです。
しかし「事務職」と一口に言っても、一般事務、経理、人事・労務、総務、営業事務、貿易事務など、その業務領域は多岐にわたります。そのため、むやみやたらに資格取得を目指すのではなく、「自分がどの領域でどのような価値を発揮したいのか」「どのようなキャリアを描いているのか」に応じて適切な資格を選択することが、時間的・費用的なコストパフォーマンスを最大化させるための鍵となります。
本記事では、事務職におすすめの主要資格について、具体的な学習内容・難易度・どのような人に向いているのかを網羅的に解説します。未経験者から専門職を目指すキャリアアップ志向の方まで、目的・タイプ別の選び方についても詳しく掘り下げていますので、ぜひ今後のリスキリングや資格選びの判断材料としてご活用ください。
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コンテンツ目次
事務職とは?必要な資格やスキル
事務職は、正社員の中途採用だけでなく、派遣・パート採用でも募集が見られる職種です。主な理由として、天候や体力的な負荷に左右されにくいデスクワーク中心の環境であること、土日祝休みなどワークライフバランスを保ちやすい求人が多いことなどが挙げられます。
一般的な事務職では、業務を行うための国家資格が必須となるケースは多くありません。ただし、応募条件や歓迎要件は職種・企業によって異なり、経理では簿記、貿易事務では英語力などが評価材料になることがあります。
実務未経験者や経験の浅い方が書類選考や面接を通過するためには、スキルや知識を客観的に証明する根拠として資格を取得しておくことで、学習意欲や業務への能動的な姿勢を企業側に強く印象づけ、他の応募者と明確な差別化を図ることが可能になります。
事務職のミッションは、企業のバックオフィスや現場の営業・専門職を後方から支え、組織全体の業務プロセスを円滑かつ効率的に稼働させることです。具体的な業務内容は経理や人事、総務など多岐にわたります。
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事務職におすすめの資格8選
ここでは事務職の実務効率化や転職・昇進において、市場価値を大きく高めてくれるおすすめの資格を8つ厳選し、詳しく解説します。
日商簿記
日本商工会議所が主催する日商簿記検定は、ビジネスパーソンにとっての「共通言語」とも呼ばれる会計知識を体系的に身につけられる資格です。企業の経済活動を複式簿記のルールに従って帳簿に記録し、最終的に貸借対照表や損益計算書といった決算書をまとめる一連のプロセスを学びます。
以下は各級のレベルの目安です。
3級(比較的合格しやすい)
小規模な株式会社の商業簿記を対象とします。日々の仕訳や試算表の作成、基本的な決算処理を学びます。経理志望者はもちろん、営業事務や総務事務であっても、請求書の発行や経費精算、予算管理を行う上で数字の裏付けを理解できるようになるため、経理以外の事務職でも、数字を扱う業務に役立つレベルです。
2級(やや難しい)
商業簿記に加え、製造業における製造原価や製品の原価計算を扱う「工業簿記」が試験範囲に加わります。財務諸表を深く読み解き、企業の経営成績や財政状態を分析する力が養われます。経理・財務部門の求人では「簿記2級以上」が応募条件や歓迎要件となる場合があります。資格だけで採用が決まるわけではありませんが、未経験者が会計知識を示す材料の一つになります。
1級(難しい)
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を網羅し、大企業やグループ企業の連結会計、企業結合、事業分離など複雑な会計事象に対応する能力が問われます。合格率は実施回によって差がある難関試験です。合格すると、税理士試験のうち税法科目の受験資格として認められます。
MOS
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、Microsoft社が開発・提供するOffice製品の実務操作スキルを客観的に証明する国際資格です。事務職が日常業務で最も多くの時間を費やすWord(文書作成)、Excel(表計算)、PowerPoint(プレゼンテーション)の実務操作能力を評価します。
WordとExcelには一般レベルと上級レベルがあり、PowerPointなどにも科目別の試験があります。希望職種で使うアプリケーションと現在の操作レベルに合わせて科目を選びましょう。
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理推進機構(IPA)が実施する、情報処理の促進に関する法律に基づく国家試験です。ITを正しく理解し、業務において効果的に活用できるすべての社会人を対象として設計されています。
企業内のペーパーレス化、クラウドツールの導入、業務のDX推進が急速に進む中、IT用語を正しく理解し、IT部門や社外ベンダーと円滑に対話できる事務職の価値は急速に高まっています。ITに関する基礎知識を広く問う試験であり、ITリテラシーの基礎固めに活用できます。
VBAエキスパート
VBAエキスパートは、ExcelやAccessに標準搭載されているプログラミング言語「VBA(Visual Basic for Applications)」を活用し、業務の自動化や効率化を推進するスキルを証明する認定資格です。
事務職の現場では、毎月・毎週発生する大量のデータ転記、定型レポートの生成、複数ファイルからのデータ集約といったルーティン作業が存在します。これらを手作業で行っていると、膨大な工数がかかるだけでなくヒューマンエラーのリスクも高まります。VBAを活用してマクロを構築できれば、作業内容によっては定型処理の時間短縮や入力ミスの削減につなげられます。
単なる「作業の実行者」から「社内の業務プロセスそのものを改善・自動化できる人材」へとステップアップし、組織内で高いプレゼンスを発揮したい方に推奨される資格です。
TOEIC
TOEIC(主にリスニング&リーディングテスト)は、日常生活やグローバルビジネスにおける実用的な英語コミュニケーション能力を公平に測定する世界共通のテストです。合否ではなく10点〜990点のスコア制で評価されます。
経済のグローバル化に伴い、商社や外資系企業だけでなく、国内外にサプライチェーンを持つ製造業、越境ECを手がける流通業など、多様な企業で英語力を備えた事務職(貿易事務、英文事務、国際調達事務など)が求められています。
以下はスコアごとの目安です。
〜500点(比較的容易)
基礎的な文法や語彙力を備えたレベルです。国内完結型の一般的な事務職であれば、最低限の教養として履歴書でポジティブに受け止められることがあります。
〜700点(やや難しい)
英語を使う事務職への応募で、600〜700点以上が目安として示される求人もあります。ただし、TOEIC Listening & Readingのスコアだけで会話や英文作成の実務能力を断定することはできないため、求人ごとの条件を確認しましょう。
800点〜(難しい)
800点以上は高い英語力を示す材料になります。ただし、海外拠点との調整や英文契約書の読解などでは、スコアに加えて会話・作文力や業界知識、実務経験も確認されます。
秘書検定
公益財団法人実務技能検定協会が運営する秘書検定(文部科学省後援)は、秘書業務に求められる専門知識だけでなく、社会人としての立ち居振る舞い、言葉遣い、気配り、臨機応変な状況判断力を身につけるための検定試験です。
試験内容は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」からなる理論領域と、「マナー・接遇」「実務(文書作成・会議運営等)」からなる実技領域で構成されています。相手の立場を慮った敬語の使い方や電話応対、慶弔関連の作法、情報管理の徹底など、どの職場でも求められるヒューマンスキルを体系化して学ぶことができます。
以下は各級のレベルの目安です。
3級(比較的合格しやすい)
新社会人や学生向けの入門編であり、基礎的なマナーの基本ルールを学びます。
2級(やや難しい)
現役のビジネスパーソンや転職活動者が最も多く受験する階級です。実務の具体的なシチュエーションに応じた適切な優先順位付けや、周囲への細やかな配慮が問われます。
準1級・1級(難しい)
筆記試験の合格後に「面接試験(実技)」が課されます。身だしなみ、立ち居振る舞い、発声、臨機応変な受け答えなど、上司を的確にサポートできる実践力が厳格に審査されるため、本格的な役員秘書を目指す方向けのハイレベルな試験となります。
来客対応や電話取次ぎの頻度が高い受付事務、総務事務、役員アシスタントを目指す方にとって、信頼感と好印象を演出するための確かな基盤となります。
税理士(科目合格)
税理士試験は、税務代理、税務書類の作成、税務相談などを担う税理士を目指すための試験です。簿記論・財務諸表論の2科目と、所得税法または法人税法を含む税法3科目の合計5科目が基本です。試験合格だけで直ちに税理士になれるわけではなく、原則として通算2年以上の実務経験などの登録要件も満たす必要があります。
税理士試験の最大の特徴は「科目合格制」が導入されている点です。一度合格した科目は生涯有効であるため、働きながら数年単位で1科目ずつ受験して合格を積み重ねていくことができます。
5科目すべてに合格して税理士登録に至らなくても、会計科目である「簿記論」や「財務諸表論」、あるいは「法人税法」「消費税法」といった実務に直結する税法科目に1〜2科目合格しているだけで、企業の経理・財務部門や会計事務所・税理士法人の中途採用で評価材料になる場合があります。単なる日常の仕訳入力にとどまらず、複雑な決算処理や税務申告書の作成、税務リスクのマネジメントまで対応できるプロフェッショナルとして、知識に加えて実務経験を積むことで、専門性を評価される可能性があります。
科目別の合格率は年度や科目によって異なり、相応の学習期間が必要です。経理事務の領域を極め、将来的に財務マネージャーやCFO(最高財務責任者)候補、あるいは独立開業を目指す強い意志を持つ方に適しています。
社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険に関する法令に基づき、人事・労務分野を支援する国家資格です。合格率は年度によって異なる難関試験であり、資格と実務経験を生かして企業の人事部や社労士事務所などで活躍できます。
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資格の選び方をタイプ別に紹介
事務職向けの資格は多岐にわたるため、「自分はまず何から手を付けるべきか」と悩む方も少なくありません。ここでは、ご自身の目的、現状のスキルレベル、目指したい将来像に合わせた最適な資格の選び方を4つのタイプに分けて提案します。
未経験・新社会人など基礎から学びたい
事務職としての実務経験がまったくない方や、これから社会人としてのキャリアをスタートさせる方は、「どの企業のオフィスワークでも汎用的に通用する基礎力」を身につけることが最優先となるため、以下の資格がおすすめです。
MOS
WordやExcelの標準的な操作ができることを証明し、面接官が抱く「パソコン作業に問題はないか」という懸念を払拭します。
日商簿記3級
企業のお金の流れやビジネスの仕組みを理解している証となり、一般事務だけでなく経理アシスタントなどの求人にも応募できるようになります。
秘書検定(3級)
敬語や電話応対、社外文書の基本ルールなどを習得し、入社初日からスムーズに業務に適応できる安心感を採用側に与えます。
必要な学習期間は、現在の知識や受験科目によって異なります。試験範囲と受験日を確認し、無理のない学習計画を立てましょう。まずは確実な成功体験を積み重ね、自信を持って就職・転職活動に臨みましょう。
苦手なパソコンやITを克服してスキルアップしたい
パソコンやITに苦手意識のある方は、PC・IT関連の資格に集中して取り組むのが効果的です。
MOS
ショートカットキーや基本関数の実践的な使い方を体系的に学び、日々の文書作成や集計業務のスピードを底上げします。
VBAエキスパート(ベーシック)
ルーティンワークをマクロで自動化する知識を身につけ、手作業による入力ミスを減らし、定型業務の時間短縮を目指します。
ITパスポート
ネットワークやセキュリティ、クラウド技術の基本構造を理解することで、社内のIT担当者や外部ベンダーとのコミュニケーションが円滑になります。
これらを順を追って学ぶことで、苦手意識が解消されるだけでなく、「オフィスのIT化を率先して推進できる頼もしい存在」へと自身のポジションを引き上げることができます。
広く役立つスキルを身につけたい
特定の業界や単一の業務領域に縛られることなく、「どの業界・企業に行っても重宝されるポータブルスキルを獲得したい」と考える方には、汎用性の高いスキルの組み合わせが最も有効です。
MOS
日々の実務に不可欠なハイレベルなOffice操作スキルを担保します。
TOEIC(600〜700点)
英文メールの送受信や定型的な海外対応をこなせる基礎英語力を証明し、グローバル展開を進める企業や外資系企業の選考で大きなアドバンテージを得られます。
簿記2級
企業の財務状況や製品原価の成り立ちを深く理解できるため、経理部門はもちろんのこと、営業部門の予算管理や総務部門のコスト削減施策など、幅広い場面でビジネスの数字に基づいた判断ができるようになります。
「実務PCスキル × ビジネス英語力 × 財務・会計知識」という3つの汎用的な強みが揃うことで、複数の職種や業界で生かしやすいスキルの組み合わせになります。
専門性をつけたい・キャリアアップしたい
「単なる補助的な業務から脱却し、専門性の高いスペシャリストとして活躍したい」「責任あるポジションで専門性を生かしたい」という方は、希望する仕事の応募条件や必要な実務経験を確認した上で、専門資格への挑戦を検討しましょう。
TOEIC(800点以上)
外資系企業の役員秘書や、高度な交渉を伴う貿易事務、海外プロジェクトのアシスタントマネージャーなど、英語を使う専門ポジションで、応募条件や評価材料の一つになる場合があります。
税理士試験(科目合格)
簿記論や財務諸表論、各種税法科目の合格実績を引っ提げ、企業の経理・財務責任者や会計事務所のシニアスタッフとして、高度な決算業務や税務対策を主導できます。
社会保険労務士
働き方改革への対応、就業規則の整備、労働トラブルの予防、最適な社会保険制度の運用など、経営陣と直接対話しながら組織マネジメントを支える人事労務のプロフェッショナルとして確固たる地位を築けます。
いずれも学習負担の大きい資格です。取得後も実務経験や継続学習を重ねることで、専門職への転職や担当業務の拡大につなげやすくなります。
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税理士が活躍できる求人をご紹介!
まとめ:仕事に活かせる資格を選んでスキルアップ
事務職は必須資格が定められていない職種だからこそ、自身の持つスキルセットや業務への意欲を「資格」という目に見える客観的な指標で示すことが、転職活動で知識や学習意欲を示す材料になり、職場で担当業務を広げるきっかけにもなります。
資格取得を成功させるための最大のポイントは、単に難関資格を目指すのではなく、「現在の自分の業務で生じている課題を解決できるか」「数年後に目指したいキャリア像に直結しているか」を冷静に見極めて選択することです。
まずは自分自身の現状のスキルレベルや関心領域、そして理想とする働き方を整理した上で、無理なく学習習慣を確立できる資格から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。実務に直結する知識と技術を身につけ、日々の業務効率化と着実なキャリアアップをぜひ実現させてください。
投稿者情報

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会計事務所や税理士事務所、一般企業の経理職など会計業界の求人情報が豊富な「会計求人プラス」を運営し、多くの求職者の方、会計事務所の採用ご担当者とお話をさせていただいています転職エージェントです。
異業種から会計業界へ転職を希望している方をはじめ、これから税理士や公認会計士を目指す未経験の方や、今までの税務・会計の知識・経験を活かして年収アップやスキルアップしたい方などを全力で支援しています。
その一環として、会計業界でお役に立つ情報をお届けするために10年以上記事を書いています。是非、会計業界で働く人が楽しく、知識を得られるような情報をお伝えできればと思います。
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