公認会計士の転職

公認会計士が転職すべきタイミングは?最適な時期と成功のコツを解説

公認会計士資格を持っている方の転職は、「いつ動くか(タイミング)」と「いつ始めるか(時期)」が大切です。

ご自身のスキル成熟度や専門性・知見、業務経験、キャリアプランの方向性を踏まえて転職の切り出し時期を定めると同時に今在籍している監査法人の繁忙カレンダー、そして転職先業界の求人が増える季節性を考慮して、活動開始のベストシーズンを見極めることが不可欠です。

そこで本稿では、こうした「タイミング」と「時期」の両面について、実務で使える判断軸と進め方を徹底解説します。

職位や経験年数、狙う職種やビジネス(事業会社・FAS・コンサル等)による違いや留意点も整理し、最短距離で納得度の高い転職につなげるヒントをお届けします。

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公認会計士が転職するのはいつがいい?

実務経験3年~5年の間

経験年数の観点から見た最適な転職タイミングとしては実務3~5年目がベストとされています。通常監査法人内の役職としてシニアスタッフの頃です。20代・30代の方が多いでしょう。

この判断は、日本公認会計士協会のアンケートを見れば明確です。調査では、企業側:「何年目の人材を採用したいか」会計士側事例:「実際に何年目で転職したか」の双方が把握できます。

まず企業の採用意欲が最も高いのは「3~5年」の会計士と記されています。スキルが十分に育ち、かつ柔軟性・伸びしろも見込める即戦力候補として評価されやすい時期です。

5年を超えると、企業ニーズは会計士側の転職実績を下回りがちです。マッチング上のギャップが生まれやすく、難易度が上がり、やや不利になりうるフェーズといえるでしょう。

10年を超えると企業側の需要は急減します。「伸びしろが見えにくい」と判断される懸念があります。

特に大手監査法人(BIG4)で長期滞留している場合、転職市場での評価が伸びにくい可能性を示唆します。以上から、会計士の転職で最も勝ちやすい実務経験年数は「3~5年」と言えるでしょう。

10年超はリスクが高まるため、役割・仕事内容の広がり(マネジメント・専門特化・事業側経験など)を伴う明確な加点材料を用意できない場合、戦略の練り直しが必要になります。

35歳までの転職がベスト

年齢の観点から見た最適な転職時期としては35歳までが最も有利といえます。これも裏づけとして、日本公認会計士協会(JICPA)のアンケート結果が参考になります。調査では、企業側:どの年齢層を採用したいか、会計士側:実際に何歳で転職したかが示されています。

企業ニーズのピークは35歳以下で、ここが採用側の需要が最も厚いゾーンです。ポテンシャルと即戦力性のバランスが良いと評価されやすい層と言えます。

そして実際の転職も35歳までに集中しています。市場の需給が噛み合う時期です。

いわゆる「35歳の壁」の延長線上にあり、40歳超では企業の採用意欲が明確に弱まります。

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公認会計士が転職活動をする最適な時期は?

公認会計士の転職に最適な時期

ここからは、より短いスパンでの動くべきタイミングに焦点を当てます。「退職」の切り出しどきについて、代表的な選択肢を取り上げ、それぞれの考え方や留意点を整理します。

公認会計士が監査法人を離れる主なタイミングの例

  • 繁忙期前に転職
  • 求人数が多い時期を狙う
  • 内定獲得後、最短スケジュールで転職

どれが絶対的に正解、というわけではありませんが、意思決定の軸として知っておくと便利です。

以下それぞれの選択肢について、メリット・デメリットや実務上のポイントを順に解説していきます。

繁忙期は避けるほうが良い

「可能なら繁忙期に入る前に退職したい」と考える方は少なくありません。たしかに極端な話をすれば、3月末退職という選択肢も理屈のうえでは取り得ます。

ただし現実的には、繁忙期は面接や選考に時間を割くことがほぼ不可能であり、いざ動こうとしても転職活動のペースが上げづらいのが実情です。さらに、繁忙期直前は引き留めが強まりやすいため、退職意思は余裕をもって事前に伝えておくことが重要になります。

一方で、2月に入ってから急に「来月で退職します」と申し出るのは、現場運営やアサインの都合上、人間関係のトラブルになりがちです。

会計士業界は人的ネットワークが非常に狭いため、のちのち転職先の職場に前職の同僚や先輩が入社してくるといった再会も珍しくありません。評判や関係性を損ねないためにも、最終出社日を3月末(繁忙期直前)に設定するなら、目安として半年前には意思表示しておくのが無難です。

加えて、内定先との入社時期の調整は不可欠です。受け入れ側の人事・配属計画やオンボーディング日程とのすり合わせが必要になるため、退職スケジュールを固める際には、応募・選考の開始時期/内定承諾のタイミング/引継ぎ期間を逆算し、入社日の交渉余地もあらかじめ見込んでおくとスムーズです。

求人数が多い時期を狙う

次は、求人数の増減サイクルを手がかりに、転職活動を始める最適な時期を考えていきます。求人数が多い局面で動くほど選択肢が広がり, 条件やポジションの比較検討がしやすくなるため、より自分に合った求人に出会える可能性が高まります。

もちろん業界ごとの季節性はありますが、全体感としては2〜3月と9〜11月にかけて求人が厚くなるのが一般的です。

特に一般事業会社では、2〜3月が最盛期となりやすく、4月入社前提の増員・補充が一気に出そろいます。

このボリューム期を狙って動くことで、

  • ポジション数そのものが多い(書類選考の間口が広がる)
  • 条件交渉の余地が生まれやすい(比較対象が増えるため)
  • 内定から入社日までの調整がしやすい(同時期に受け入れ体制が整えられている)

といったメリットを享受しやすくなります。

逆算して、求人が厚くなる1〜2か月前からレジュメ整備・面接対策・情報収集を進めておくと、波に乗り遅れずに好機をつかみやすくなります。

ボーナスをもらってから退職する

金銭面のロスを最小化したいなら、賞与を受け取ってから退職に踏み切るのがもっとも合理的と言えます。実務でも、6月や12月の賞与支給を待ってから退職するケースは少なくありません。

ただし、ここで重要なのが各社の「賞与支給条件」です。多くの方が「支給日に在籍していれば満額もらえる」と理解しがちですが、就業規則・給与規程によっては、『賞与支給日後○○日以上在籍していること』などの追加条件が設けられていることがあります。

この条件がある場合、支給直後に退職すると返還義務が発生する可能性も否定できません。金額が大きくなることも多いため、退職時期を賞与に合わせるなら、事前に規程を必ず確認しておきましょう。

具体的には、

  • 支給基準日・支給日在籍要件の有無
  • 支給後在籍日数の条件(例:支給日から30日/60日など)
  • 返還条項の有無や返還額の算定方法
  • 人事への申告期限(何日前申告か)

をチェックしておくと安全です。

賞与を受け取ってすぐの退職を検討する場合は、内定先の入社日調整も並行して進めつつ、就業規則の条文ベースで条件確認→計画的に最終出社日を設定する流れがベストです。

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転職先ごとの転職時期の選び方

転職先の繁忙期には採用をストップすることもありえます。さらに繁忙期だと面接日時の調整が難しくなる場合がありますので注意が必要です。

一般の事業会社

監査法人では、クライアントの本決算・財務報告が集中する3月や中間決算の9月前後が典型的な繁忙期になります。

一方で、一般事業会社の経理部門は決算前だけでなく、月末・月初の月次締め関連業務が立て込みやすいのが特徴です。したがって転職活動では、次の観点を押さえておくと動きやすくなります。

  • その会社の決算期を避ける:決算直前は採用側・候補者側ともにスケジュール調整が難しく、引継ぎも混乱しがち。
  • 月末・月初は繁忙になりやすい:面接設定や入社時期の調整がタイトになりやすいため、極力外すか、早めの打診が望ましい。
  • 求人は1~3月に増え、4月入社が一般的:年度替わりの組織改編・増員計画に合わせて募集が出やすく、選択肢が広がります。

このように、決算繁忙+月次繁忙のリズムを見越して準備を進めることが重要です。

具体的には、求人が厚くなる時期の1~2か月前からレジュメ整備・情報収集・面接対策を始め、面接日程や入社日の候補を複数用意しておくと、採用側の運用スケジュールに柔軟に合わせやすくなります。

コンサルティングファーム

FASやコンサルティングファームでは、担当するクライアントの業種・決算期・経営課題によって業務の繁閑が大きく左右されます。

一般論としては、決算期の数か月前から年度末に向けて、中期経営計画の策定や次年度の投資・コスト方針の見直しが本格化するため、忙しさが増しやすい傾向があります。

たとえば、事業ポートフォリオの再設計、予算編成支援、KPI再定義、内部統制の強化といったテーマが集中しやすく、案件の立ち上がりも連鎖的に増えがちです。

一方、M&A関連部門(FAS内のトランザクション/ディール系)は、案件の発生タイミングとディールの進捗に業務量が強く連動します。

デューデリジェンス(DD)やバリュエーション、PMI準備などアドバイザリー業務は、クライアントの意思決定や相手先の状況に引っ張られるため、いわゆる「一般的な繁忙期」とは異なるスケジュール感になりやすい点に注意が必要です。

突発的なデッドラインや短期集中の作業が発生し、案件単位で繁忙が波状的に訪れるのが特徴です。

このため、転職やアサイン調整を検討する場合は、対象ファームの主要クライアントの決算期や保有案件のフェーズを把握し、プロジェクトの山を避けたスケジューリングを意識するとスムーズです。

会計事務所・税理士事務所・税理士法人

税理士業界では、周知のとおり確定申告シーズンが最大の繁忙期となります。

このため、最盛期の中途採用は一時停止、あるいは選考スピードが大幅に低下する法人・事務所が少なくありません。繁忙サイクルは概ね次の通りです。

  • 1月~3月:確定申告期間:個人の確定申告対応が集中し、実務・顧客対応ともにピーク。採用活動は停滞しがちです。
  • 5月:3月決算企業の法人税申告の山場:申告作業が立て込み、追加の採用や面接日程の確保が難しくなります。
  • 11月~1月:年末調整期:給与・年末調整関連の業務が増加し、引き続き採用リソースは限られます。

一方で、求人が出やすい時期には、次のような季節性が見られます。

  • 8月~9月(税理士試験終了直後):新たな人材の動きが活発化し、増員・補充求人が出やすい。
  • 11月~12月(試験結果発表後~繁忙前):年明けの繁忙突入前に人員体制を整える目的で募集が増加。
  • 4月~6月(繁忙明け):確定申告の山を越えたタイミングで、欠員補充や体制強化のための募集が再開される傾向。

このように、繁忙期は採用が滞りやすく、閑散~準備期に求人が厚くなるのが一般的です。

転職活動の計画を立てる際は、上記の業務カレンダーに合わせてレジュメ整備や情報収集を前倒しし、面接可能な日程の幅を広めに用意しておくと、スムーズに選考を進めやすくなります。

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転職時期が転職先の繁忙期となってしまう場合

入社時期の選び方として、「繁忙期の前に入る」か「繁忙期の後に入る」かという発想も有効です。

早めに実戦を経験したいタイプなら、繁忙期の1〜2か月前に入社し、立ち上がり期間を短く取って転職後すぐにピーク業務を体感する方法が向いています。

じっくり基礎を固めたいタイプなら、繁忙期が落ち着いた直後に入社して、年間サイクルを追いながら少しずつ担当範囲を広げ活躍していく進め方が適しています。

一方で、特に事業会社では入社日を候補者側で自由に決められない(例:最長でも1か月先までしか待てない等)ケースが多いため、希望の入社時期から逆算して面接・内定スケジュールを設計しておく必要があります。

また、繁忙期直前〜直後の入社には次のような留意点があります。

  • 到着後すぐに繁忙期突入の可能性:業務キャッチアップがタイトになりやすい。
  • 即戦力としての期待値が高い:短期間で成果を求められる前提で配属・アサインが組まれることがある。
  • 成長機会は豊富:短期で仕事を覚え、早期に担当幅を拡大できるため、キャリアアップを狙う人には好環境になり得る。

総じて、自分が「速度重視」か「安定重視」かを軸に、採用側の受け入れ条件(入社可能時期)と逆算した転職スケジュールを組むのが賢明です。

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公認会計士の転職活動にかかる期間

転職活動の期間は2か月以上

ここまで公認会計士の転職における適切なタイミングを整理してきましたが、では実際に転職活動のスタートから内定獲得までには、どの程度の期間を見込むべきでしょうか。

  • 最短でも約1か月:書類選考を通過し、面接が数回でスムーズに進んだとしても、スケジュール調整や合否連絡、最終条件面談などを含めると、少なくとも1か月は必要になります。
  • 準備まで含めると最低2か月:これに加えて、職務経歴書のブラッシュアップ、求人リサーチ、企業研究(事業内容・組織体制・働き方・報酬水準の確認等)を行うと、最低でも2か月程度はかかるのが一般的です。
  • 個人で完結する場合は3か月超が現実的:自力で数多くの応募先を選定し、企業ごとに選考対策を用意するとなると、3か月以上を見込むのが安全圏です。しかも在職のまま進めるケースでは、面接日のアレンジや課題対応に時間を取られるため、想定以上に労力と期間が伸びやすい点に注意が必要です。

総じて短期勝負は例外であり、余裕をもって2~3か月(在職中なら3か月以上)の準備期間を計画に組み込み、逆算でレジュメ作成・情報収集・面接対策を進めていくことが、納得度の高い内定獲得につながります。

転職エージェントの活用も有効

そこで有効なのが、転職エージェントを活用して効率よく転職活動を進める方法です。就職・転職では、自力で求人を探して応募し、面接日程を企業ごとに調整するだけでも相当な手間がかかります。

エージェントを利用すれば、希望条件やこれまでの経歴・強みを伝えるだけで、マッチ度の高い求人を効率よく提案してもらえ、面接日程の調整や連絡のやり取りも担当者が代行してくれます。

さらに、職務経歴書の添削・応募書類のブラッシュアップ、面接対策(想定質問・受け答えの練習)といった選考準備のサポートも専任アドバイザーから受けられます。加えて、企業側の採用温度感や合否の判断ポイント、年収交渉の可否など、個人では得にくい内部情報についても相談できるのが大きな利点です。

要するに、自分に合った求人の提案から、スケジュール調整・選考対策・内定後の条件交渉まで、ワンストップで支援してもらえるため、限られた時間の中でも成功確度を高めつつスムーズに活動を進められます。

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まとめ:転職にベストな時期を考え行動に移そう

本記事では、公認会計士が転職を成功させやすい「タイミング」と「時期」について、複数の観点から整理してきました。周到に計画を立て、適切な時期に戦略的に動くことが、同じマーケットで競うライバルに一歩先んじるカギになります。

まずは、これまで自分が積み上げてきた実務経験・得意領域・強みを棚卸しし、これからどの方向でキャリアパスを送るのか(職種・業界・役割・年収レンジなど)を明確化しましょう。そのうえで、監査法人側の会計監査業務などの繁忙カレンダーや志望先業界の求人情報が増える季節性を踏まえ、無理のないスケジュールを逆算して作ることが大切です。

最適な時期を選べば、応募先の選択肢が広がり、選考対策も効率化できます。不安な点や悩みがある場合、そして情報収集に時間を割けないときは、転職エージェントにご登録いただければ、転職コンサルタントがご相談に乗り転職情報を提供することができます。

求人紹介・日程調整・書類添削や面接対策といった支援を活用するとスムーズです。是非弊社にご相談ください。無料で転職支援サービスを受けられます。

準備と時期の見極めが整えば、転職はぐっと現実的に。目標とするキャリア像を言語化→時期を定めて着手、この順番で動き出していきましょう。

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投稿者情報

現役公認会計士カズ
現役公認会計士カズ現役公認会計士・税理士
公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。

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