
簿記二級が転職活動で有利になる理由を解説! 資格を生かせる職種や次に目指したい資格も紹介
2025/02/10
簿記二級は経営管理に役立つ知識を有している証拠となるため、転職で有利になる資格の一つとして知られています。
簿記というと経理職のイメージが強いですが、その他の職種でも生かせる汎用性の高い資格です。転職を検討している方は簿記二級の取得を考えてみてはいかがでしょうか。
本記事では、簿記二級が転職で有利になると言われる理由や、簿記二級を生かせる主な職種、簿記二級の次に目指したい資格などについて解説します。
■□■□会計業界へ効率的に転職活動を進めるなら専門転職サイト「会計求人プラス」が最適!完全無料の会員登録はこちらから■□■□
コンテンツ目次
簿記二級が転職に有利と言われる理由
簿記二級が転職活動で有利に働くと言われる理由は、大きく分けて4つあります。
現場で役立つ
簿記二級では、高度な商業簿記や工業簿記、原価計算といった専門知識に加え、財務諸表を読み解く力も求められます。
これらのスキルは、企業の経理・財務部門で必要不可欠であり、日々の業務をスムーズに進めるために役立ちます。そのため、簿記二級を取得している人は、実務経験が少なくても即戦力として評価され、転職活動において有利になるでしょう。
工業簿記のスキルを有していることをアピールできる
日商簿記は、求められる知識や技術に応じて5つの級に分けられます。簿記三級の試験では、企業の外部取引を記録・計算する「商業簿記」のみが出題されます。
一方、簿記二級では、商業簿記に加えて、製造業で特に重要となる「工業簿記」(材料費・労務費・経費の計算など)も出題範囲となります。
そのため、簿記二級を取得すると、製造業の経理部門で働く際に有利になります。
実務経験なしでも採用されやすい
多くの企業は、転職者に即戦力となることを期待しているため、実務経験の有無は採用において重要な判断材料となります。
簿記二級の資格は、実務で役立つ知識とスキルを証明するものとして高く評価されます。そのため、たとえ未経験の業種や職種であっても、簿記二級の資格があれば、採用される可能性を高められるでしょう。
さらに、入社後も簿記二級で得た知識やスキルを生かして、新しい業務にスムーズに対応できるかもしれません。
忍耐力や計画立案力などを評価してもらえる
簿記二級の合格率は、おおよそ10%~20%台で、簿記三級の合格率30~40%台と比較すると、難易度が高いことが分かります。合格するには、150~350時間程度の学習が必要とされ、忍耐強く計画的に取り組むことが求められます。
このような努力の過程を通じて身に付く、忍耐力や計画立案力は、業種を問わず社会人に必要なスキルであり、簿記二級の合格者は、知識面だけでなく、内面的な要素も評価され、転職活動において有利になるでしょう。
働き方を改善したいなら
「会計求人プラス」
「残業が多い」「テレワーク対応した職場で働きたい」と思っていませんか? 会計事務所・税理士事務所で働き方を変えたいなら、専門の転職・求人サイト「会計求人プラス」がおすすめです。
日商簿記2級を取得していると活躍できる求人をご紹介!
簿記二級を生かせる職場5選
簿記はどんな業界でも必要とされる資格なので、活躍できる分野は多岐に渡ります。ここでは、簿記二級の知識を特に生かせる5つの職場を紹介します。
会計事務所
簿記の知識は、会計事務所での業務において役立ちます。会計事務所の主な仕事は、企業の経理業務の代行であるため、日々の業務で簿記の知識は欠かせません。仕訳、帳簿作成、決算書作成など、あらゆる業務に簿記の知識が求められます。
会計事務所への転職では、実務経験も重視される傾向にあります。企業は即戦力となる人材を求めているため、実務経験者は有利です。しかし、未経験者でも簿記二級を取得していれば、採用される可能性は高まります。簿記二級は、会計処理の基礎知識を証明する資格として広く認められているからです。さらに、簿記一級を取得していれば、より高度な会計処理の知識を有することをアピールできます。
また会計事務所での勤務経験は、公認会計士を目指す方にも役立ちます。公認会計士試験の受験資格を得るためには、実務経験が必要となるからです。会計事務所で働きながら実務経験を積み、試験勉強に励む方も多くいます。会計事務所での経験は、試験対策だけでなく、将来公認会計士として活躍する際にも役立つ貴重な財産となるでしょう。
会計コンサルティング会社
会計コンサルティングは、企業の経営戦略や財務体質の強化を支援する仕事です。企業の課題を分析し、業務改善や資金調達、コスト削減などの提案を行うため、簿記二級の資格はコンサルタントとしての信頼性を高める上で有利に働きます。
税理士事務所
税理士事務所は、企業や個人の税務処理や相談に応じる業務を行います。税理士の資格は必要ありませんが、簿記二級の知識があれば、税理士の補助業務である税理士補助として活躍できます。税務書類の作成や会計処理をサポートすることで、税理士の業務を円滑に進める助けとなるでしょう。
一般企業(経理職)
一般企業の経理職は、会社の資金管理を担う重要な仕事です。日々の取引の記録、給与計算、税金計算、決算書の作成など、幅広い業務に簿記の知識が生かされます。
簿記二級の資格は、経理担当者としての能力を証明し、即戦力として活躍できる可能性を高めます。財務諸表を読み解く力も、経営層への報告や改善提案に役立ち、企業にとって貴重な存在となるでしょう。
監査法人
監査法人は、企業の会計処理や財務諸表が適正かどうかをチェックする役割を担います。監査業務では、簿記二級で扱われるような知識や財務諸表を読み解く力が欠かせません。
監査法人は公認会計士の資格が必要ですが、監査アシスタントであれば無資格でも働くことができ、簿記二級のスキルを生かせます。
働き方を改善したいなら
「会計求人プラス」
「残業が多い」「テレワーク対応した職場で働きたい」と思っていませんか? 会計事務所・税理士事務所で働き方を変えたいなら、専門の転職・求人サイト「会計求人プラス」がおすすめです。
日商簿記2級を取得していると活躍できる求人をご紹介!
簿記二級の後におすすめしたい資格5選
簿記二級はそれだけで転職に有利な資格ですが、関連する他の資格も併せて取得することで、さらにキャリアアップの可能性が広がります。
ここでは、簿記二級取得後に取得すると役立つ資格を5つ紹介します。
簿記一級
簿記一級は、簿記二級の上位資格に当たり、日商簿記の中でも最上位です。簿記一級の試験では、高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の知識に加え、企業会計に関する法規を理解し、経営管理や経営分析ができる能力が求められます。
簿記一級を取得すれば簿記の専門家として認められ、より高いレベルの仕事や、管理職へのキャリアパスが開ける可能性があります。
また簿記一級は税理士試験の受験資格にもなります。税理士試験の受験資格は、他に学歴や職歴によるものもありますが、学歴で受験資格を得るには、大学などで特定の科目を履修しているか、司法試験や公認会計士試験に合格している必要があり、ハードルが高いです。職歴で受験資格を得るには、特定の業務に2年以上従事する必要があり、時間がかかります。
その点、簿記一級を取得すれば、学歴や職歴に関係なく受験資格を得られ、同時に簿記のスキルアップもできるため、税理士を目指す方には大きなメリットがあります。
公認会計士
公認会計士は、監査や会計の専門家として、企業の財務状況を監査したり、会計・財務に関するコンサルティングを行ったりと、幅広い業務を担います。監査業務を行えるのは、公認会計士の国家資格を取得した人のみです。
資格取得には、公認会計士試験に合格し、3年以上の実務経験(会計事務所などでの業務補助)を積んだ上で、実務補習を受ける必要があります。公認会計士試験の受験資格に制限はないため、簿記二級を取得した後に会計事務所などで働きながら、公認会計士を目指すことも可能です。
税理士
あらためての説明にはなりますが、税理士は税務代理や税務書類の作成、税務相談などを主な業務とする専門職です。税理士になるには、税理士試験に合格しなければなりませんが、受験するためには一定の受験資格が必要です。
簿記一級の資格は、この税理士試験の受験資格の一つとして認められています。そのため、簿記二級を取得した後に、簿記一級の取得を目指し、さらに税理士試験に挑戦するというルートも、税理士を目指す方にとって有効な選択肢の一つと言えるでしょう。
FASS検定
FASS検定とは、経理・財務分野における実務知識やスキルの習得度を客観的に測ることを目的とした検定試験です。経理・財務に特化したスキルをA~Eの5段階で評価する仕組みになっており、自身がどれだけのスキルを習得しているのかを示すものさしになります。
業務全体を正確に把握し、自信を持って遂行できることの証明となるレベルAや、ほとんどの業務を理解し、適切に遂行できることを示すレベルBの評価を受ければ、簿記二級と併せて経理・財務のエキスパートであることをアピールできるでしょう。
マイクロオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、ExcelやWord、PowerPointといったMicrosoft Office製品のスキルを客観的に証明できる資格です。MOSを取得することで、一定以上のパソコンスキルがあることをアピールできます。
Microsoft Office製品は多くの企業で使用されており、必須条件としている求人もあります。簿記二級とMOSを取得すれば、実務にすぐに対応できる人材として、就職・転職活動においてさらに有利になるでしょう。
簿記二級は転職で有利!さまざまな仕事で活躍できる
簿記二級は、高度な商業簿記・工業簿記・原価計算の知識があることを証明でき、会計事務所や会計コンサルティング、税理士事務所など、さまざまな場面で活躍できます。
簿記二級は、さらに上の資格を目指す足がかりにもなります。簿記一級、公認会計士、税理士など、専門性の高い資格に挑戦することで、キャリアアップを目指せます。転職を考えている方や、会計・税務の専門家を目指したい方は、ぜひ簿記二級の取得を検討してみてください。
簿記二級取得後、会計事務所や税理士事務所、監査法人、一般企業の経理職への転職を目指す方は、ぜひ会計求人プラスをご利用ください。勤務地や雇用形態、事務所区分など、希望条件で求人を絞り込める他、エージェントの転職サポートを受けられます。
働き方を改善したいなら
「会計求人プラス」
「残業が多い」「テレワーク対応した職場で働きたい」と思っていませんか? 会計事務所・税理士事務所で働き方を変えたいなら、専門の転職・求人サイト「会計求人プラス」がおすすめです。
日商簿記2級を取得していると活躍できる求人をご紹介!
投稿者情報

- 現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。
最新の投稿
転職ハウツー2025.02.03簿記二級が転職活動で有利になる理由を解説! 資格を生かせる職種や次に目指したい資格も紹介
税理士の仕事2025.01.22フリーランス税理士の働き方と成功の秘訣とは?
税理士試験2025.01.10働きながら税理士試験に合格できる!仕事と勉強の両立方法とは
税理士の仕事2024.12.23税理士補助とは? 仕事内容や給料、働くメリット・デメリット、きついと感じる理由と対処法を徹底解説!