税理士登録かかる費用を解説

税理士の登録にかかる費用は?開業費用も併せて解説!

2025/03/14

税理士試験合格ならびに2年以上の実務経験を経て、いよいよ税理士の登録をするとなった際に気になるのが、登録にかかる費用はどくれいかかるのかということではないでしょうか。思っていたよりも高額で、登録時期が遅れてしまうといった事態にならないよう、費用の目安を把握しておきましょう。

本記事では、税理士の登録に必要な費用や手続き、登録後に必要となる税理士会費、さらに開業を考えている方に向けた開業費用まで詳しく解説します。税理士としての第一歩を踏み出す際に、ぜひ参考にしてください。
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税理士の登録にかかる費用は?

税理士登録するために必要な費用

税理士として業務を行うためには、日本税理士会連合会が管理する税理士名簿に登録する必要があります。登録の際には「登録免許税」と「登録手数料」の2つの支払いが必要です。それぞれの費用について説明します。

登録免許税

税理士の登録の際には、登録免許税を納付する必要があります。金額は全国一律で6万円です。

登録免許税納付書は税務署で取得できます。税務署に行くのが難しい場合は、送付希望先の住所と宛名を明記し、切手を貼った定型封筒を事務局会員登録課へ送付すると、納付書を送ってもらえます。

納付は各銀行または郵便局から、品川税務署宛てに行ってください。

登録手数料

登録免許税とは別に、各税理士会に支払う登録手数料も必要です。登録手数料は、日本税理士会連合会によって全国一律で5万円と定められています。

納付方法は税理士会ごとに決められているため、登録を希望する税理士会のWebサイトなどで事前に確認しておきましょう。

税理士会への入会費用と年会費

税理士会へ入会する際に必要な費用

税理士として活動するためには、上述した税理士の登録に加えて、税理士会への入会も必要です。ここでは税理士会への入会費用と年会費、その他にかかる費用について説明します。

入会金

税理士会に入会する際には、入会金を支払う必要があります。入会金は全国一律で4万円です。ただし、納付方法は税理士会によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

年会費

税理士会に所属している間は毎年、年会費を納める必要があります。年会費は、所属する税理士会によって異なりますが、おおよそ7万~10万円の間です(各税理士会の年会費は後述します)。

入会金と同様に、年会費の納付方法も税理士会ごとに決められているため、事前に確認しておきましょう。

支部会費

多くの税理士会は地域ごとに支部を設けており、支部への所属にも支部会費が必要となります。金額は支部によって異なります。例えば、東京税理士会の各支部会費は3万6,000~6万円の間です。

税理士証票の定期交換費用

税理士証票とは、税理士としての身分を証明する顔写真付きのライセンスカードです。税務官公署の職員と面接するときには提示が義務付けられており、税理士はいつも税理士証票を携帯しておく必要があります。

税理士証票は交付から10年ごとに交換が必要です。定期交換の手数料は2,500円です。

なお、税理士証票を紛失または破損してしまった場合には、再交付手続きが必要となり、おおよそ2,500~6,000円の手数料がかかります。

その他(会館建設費、登録研修時テキスト代など)

上記で挙げた費用の他にも、所属する税理士会や支部会によっては、入会時に会館の建設や改修のための費用負担を求められる場合があります。金額は税理士会ごとに異なりますが、2万~5万円が相場です。

また税理士の新規登録者を対象とした、登録時研修で使用するテキスト代が別途必要になることもあります。こちらは5,000~1万円が相場です。

支払いが必要な費用の種類やその金額は税理士会ごとに異なるため、事前にWebサイトなどで詳細を確認しておきましょう。

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各税理士会の年会費一覧

全国15の税理士会本部の年会費を一覧表でご紹介します。入会を検討している税理士会の年会費を確認し、資金計画の参考にしてください。

会名 会費(年) 区域
東京税理士会 8万1,000円 東京都
東京地方税理士会 8万4,000円 神奈川県、山梨県
千葉県税理士会 8万4,000円 千葉県
関東信越税理士会 7万5,600円 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、長野県
近畿税理士会 8万2,800円 大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県
北海道税理士会 9万5,000円 北海道
東北税理士会 8万8,000円 宮城県、岩手県、福島県、秋田県、青森県、山形県
名古屋税理士会 7万2,000円 愛知県のうち名古屋市、半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、豊明市、日進市、南知多町、北名古屋市、長久手市、愛知郡、西春日井郡および知多郡ならびに岐阜県
東海税理士会 8万4,000円 愛知県(名古屋税理士会に係る区域を除く)、静岡県、三重県
北陸税理士会 9万6,000円 石川県、福井県、富山県
中国税理士会 8万2,800円 広島県、山口県、岡山県、鳥取県、島根県
四国税理士会 7万2,000円 香川県、愛媛県、徳島県、高知県
九州北部税理士会 7万2,000円 福岡県、佐賀県、長崎県
南九州税理士会 8万4,000円 熊本県、大分県、鹿児島県、宮崎
沖縄税理士会 9万3,000円 沖縄県

※2023年4月時点
最新の情報は各税理士会のWebサイトをご確認ください。

※参考:日本税理士会連合会.「税理士登録の手引(令和6年4月25日)」

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税理士の登録をする手続きの流れ

税理士として業務を行うためには、先述したように日本税理士会連合会の税理士名簿への登録、ならびに各地域の税理士会への入会が必要です。

税理士として活動を開始できるまでの登録手順は、大きく以下の3ステップです。

1.必要書類の提出
2.税理士会による登録調査
3.登録通知

それぞれのステップについて説明していきます。

1.必要書類の提出

まずは、必要書類一式をそろえて提出します。提出書類は、大きく分けて「全員が提出する書類」と「試験合格者と試験免除者だけが提出する書類」があります。不備がないよう、しっかり確認しながら進めていきましょう。

全員が提出する書類

すでに弁護士資格や会計士資格を持っている方を含め、申請者全員が提出する書類としては、以下のものがあります(※)。

●税理士登録申請書
●登録免許税領収証書
●登録手数料
●写真
●本籍の記載のある世帯全員の住民票の写し(個人番号の記載がないもの)
●身分(身元)証明書
●資格を証する書類
●履歴書
●誓約書
●税理士会会長宛の誓約書
●直近2年分の確定申告書のコピー
●はがき(登録された場合の通知用)

住民票の写しは、個人番号の記載がないものの用意が必要です。なお、コピーは不可のため注意しましょう。

※日本税理士会連合会.「税理士登録の手引(令和6年4月25日)」.”4 税理士登録申請に係る必要書類”.https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/cpta/system/entry/howto/entrymanualR6.pdf ,(2024-04-25).

試験合格者と試験免除者が提出する書類

試験合格者と試験免除者は、税理士の登録の要件に2年以上の実務経験が含まれているため、以下の書類も併せて提出する必要があります(※)。

●在職証明書
●在職証明書に係る印鑑登録証明書
●源泉徴収票、または確定申告書のコピー

必要に応じて以下の書類の提出も求められる場合があります(※)。

●税理士事務所(税理士法人)と会計法人の関係について
●職務概要説明書
●勤務時間の積上げ計算書
●大学院通学状況説明書

提出書類に不備があった場合は、不足書類の提出が求められるため、速やかに対応しましょう。

※参考:日本税理士会連合会.「税理士登録の手引(令和6年4月25日)」.”4 税理士登録申請に係る必要書類”.https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/cpta/system/entry/howto/entrymanualR6.pdf ,(2024-04-25).

2.税理士会による登録調査

申請書類一式を提出すると、税理士会による登録調査が行われます。登録調査は主に面接によって行われ、税理士としての適性が審査されます。

面接でされる質問の一例は以下の通りです。

●税理士を志望した理由
●これまでの実務経験
●今後のキャリアプラン

面接は所属している税理士法人や事務所、もしくは税理士会の会館などで行われます。面接の日時や場所は、はがきで通知されるため忘れずに確認し、スケジュールを調整しておきましょう。服装は、スーツなどのフォーマルな服装で臨むのが適切です。

3.登録通知

必要書類の提出と登録調査が完了し、登録決定となると、税理士名簿に登録されたことを知らせる通知が届きます。登録通知は申請を行った税理士会を経由して、日本税理士会連合会から郵送されます。

登録通知には、登録された氏名と税理士名簿に記載される登録番号が記載されています。この通知をもって、晴れて税理士として業務を行うことができます。

ただし、登録通知よりも前に税理士業務を行ったり、名刺やWebサイトに税理士であることを明記したりすることはできませんので注意しましょう。

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税理士として独立開業する際にかかる費用

税理士登録後、独立開業を検討している方も多いでしょう。ここでは、税理士として開業する際にかかる費用について解説します。

事務所の賃料

開業するに当たり、まず必要となるのが事務所の賃料です。賃料は立地や広さ、築年数などによって大きく異なります。都市部の駅近物件であれば高額になり、郊外であれば比較的安価に抑えられる傾向にあります。

また契約時には敷金や礼金、仲介手数料などが発生することも忘れてはいけません。一般的に敷金は賃料の3~12カ月分、礼金は1~2カ月分、仲介手数料は賃料の0.5~1カ月分が相場です。

自宅を事務所として使用する場合は、これらの費用を抑えられますが、プライベートと仕事の空間を分けることが難しくなるというデメリットがあります。

リフォーム費用

事務所を借りた後、必要に応じてリフォームを行う場合もあります。

リフォーム費用は工事の規模や内容によって異なりますが、数十万円から数百万円程度かかることが一般的です。例えば、壁紙の張り替えや床の張替え、間仕切りの設置、照明器具の交換など、どこまで手を加えるかによって費用は大きく変わります。またエントランスや受付に、来客対応のための特別な装飾を施す場合には、さらに費用がかかるでしょう。

事務所の内装は、顧客に与える印象を左右する重要な要素となるので、予算と相談しながら適切なリフォームを行うことが重要です。

備品購入費用

税理士としての業務には、さまざまな備品が必要となります。必要な備品は事務所の規模にもよりますが、一例としては以下の通りです。

●デスク
●チェア
●パソコン
●プリンター
●電話
●キャビネット
●応接用のソファ一式
●書庫
●掃除用具 など

これらの備品を全て新品でそろえると、数十万円から数百万円の費用がかかりますが、中古品を活用して費用を抑えることも可能です。

また最近では、オフィス家具のレンタルサービスも充実してきています。初期費用を抑えたい場合には、レンタルサービスの利用も検討すると良いでしょう。

ソフトウェア購入費用

税理士業務を効率的に行うためには、会計・税務ソフトや顧客管理ソフト、給与計算ソフトなどのソフトウェアも必要です。そのため、これらの購入費用やライセンス料も考慮に入れておきましょう。

近年ではクラウド型のソフトウェアも増えており、初期費用を抑えつつ、月額または年額で利用できるサービスもあります。業務内容や予算に合わせて、最適なソフトウェアを選ぶことが重要です。

広告宣伝費

税理士が顧客を獲得するためには、広告宣伝活動も重要です。Webサイトの制作・運用費、パンフレットや名刺の作成費、インターネットや雑誌などへの広告掲載費などがかかることを考慮しておきましょう。

広告宣伝費は、どの媒体を利用するか、どの程度の規模で実施するかによって大きく異なりますが、開業当初は特に重要な投資となるので、ある程度の予算を確保しておく必要があります。

税理士の登録に向けて資金計画をしておくことが重要

税理士の登録をするには、登録免許税や登録手数料、税理士証票交付手数料、税理士会への入会金や年会費など、さまざまな費用が発生します。

また独立開業を考えている場合には、事務所の賃料やリフォーム費用、備品・ソフトウェアの購入費、広告宣伝費など、さらに多くの費用が必要です。これらの費用は決して安くはありませんが、税理士として活動するための必要経費と考え、前もって資金計画をしておきましょう。

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投稿者情報

税理士ライターSOU
税理士ライターSOU
現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。

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