
税理士の科目合格は一般企業で評価される?有利になる科目と転職成功のポイント
2025/03/11
税理士試験は難関資格として知られており、一部科目の合格でも転職において評価されるケースがあります。特に経理・財務・税務といった職種では、税理士試験の科目合格が即戦力として認められることも多いです。
では、どの科目が特に評価されるのでしょうか。また何科目合格していれば転職に有利になるのでしょうか。この記事では、一般企業における税理士試験の科目合格者の評価や、転職を成功させるポイントを解説します。税理士試験の受験や転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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コンテンツ目次
税理士試験の科目合格は一般企業で評価される?
結論として、税理士試験の科目合格は一般企業において高く評価される場合があります。税理士試験は難関資格として知られており、たとえ一科目のみの合格であっても、高い専門性があることの証明になるからです。特に税務や経理関連の職種では、即戦力として期待され、高く評価される傾向があります。
ただし、税理士試験の科目合格に対する評価は企業の業種や職種によって異なります。例えば、税務関連の業務を全て外部の税理士に委託している企業では、社内で税法知識を活用する機会が少ないため、科目合格が評価されにくいかもしれません。このような企業では、ビジネス職の経験が豊富な人材の方が重宝されるでしょう。
一方、社内に経理・財務部門や税務担当を置いている企業では、税理士試験の科目合格者が求められる傾向があります。つまり、企業が求める知識やスキルと、合格した科目が合致しているかどうかが評価を大きく左右します。
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税理士試験の科目合格者が一般企業で評価される理由
税理士試験の科目合格者が一般企業で評価される場合、その理由は大きく2つあります。ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
専門知識を持っていることの証明になるから
税理士試験の科目合格者が一般企業で評価される理由の一つ目は、専門知識を持っていることの証明になるからです。税理士試験の科目合格は税務・会計に関する高度な知識があることの証明となり、企業に対して専門性をアピールする材料となります。
例えば、簿記や財務、税法の知識があれば入社後すぐに経理や税務の業務において戦力となれる可能性が高く、企業側からすると一から教育する手間を省けます。同様に、法人税法や所得税法などの科目に合格していれば、企業の税務申告や税務計画の際に活躍できる人材と見なされやすいでしょう。
継続力や学習能力の証明になるから
税理士試験の科目合格は、専門知識を有していると見なされるだけでなく、目標達成に向けて努力を続けられる能力があることの証でもあります。さらに、難関試験を突破するためには、高い論理的思考力や計算能力も必要不可欠です。
このような継続力や学習能力の高さの証明となることも、税理士の科目合格が一般企業で評価されるもう一つの理由です。
一般企業で特に評価されやすい税理士試験の科目
税理士試験の科目の中でも特に一般企業で高く評価されやすいのは、実務に直結する科目です。具体的には以下の4科目が該当します。
簿記論
「簿記論」は税理士試験の必須科目の一つであり、合格することで企業会計の基本である帳簿作成の知識を習得していることを証明できます。
また簿記論の学習を通じて企業のあらゆる取引きを記録し、決算書を作成するための知識が得られるため、実務でも非常に役立ちます。特に経理職を目指す方にとって、簿記論は優先的に合格しておきたい科目です。
財務諸表論
「財務諸表論」は、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表の作成原理や会計基準を学ぶ科目です。簿記論と同じく税理士試験の必須科目であり、企業の財務状況を正確に把握し、報告する能力を証明できます。財務諸表論に合格している人は、会計の基本を理解していると評価されるため、経理・財務部門で高く評価されます。
さらに、簿記論と財務諸表論の両方に合格していれば、企業会計に関する幅広い知識とスキルを兼ね備えていることの証明となり、転職活動において有利に働くでしょう。
法人税法
「法人税法」は、企業(法人)が納める税金に関する知識を学ぶ科目です。法人税の計算や申告に必要な知識を習得していることを示せるため、企業の税務部門や経理・財務部門で特に重宝されるでしょう。とりわけ、自社内で法人税の申告や税務戦略を立案している会社では、法人税法に合格している方が高く評価される傾向にあります。
法人税法は法人に特化した科目であるため、面接において「法人税法の知識を生かし、貴社の税務コンプライアンスの強化や節税対策に貢献できます」といった具体的なアピールができることもメリットです。
消費税法
「消費税法」は消費税の仕組みや申告に関する知識を学ぶ科目です。消費税は多くの企業にとって、仕入れや請求書対応などで日常的に関わる税務分野であり、業務における汎用性が高いでしょう。そのため、消費税法の知識は幅広い業界において役立ちますが、特に製造業や流通業、小売業など消費税が大きく関わる企業では、消費税法に精通した人材は重宝される傾向にあります。
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税理士試験は何科目合格していれば転職に有利になる?
税理士試験は何科目合格していれば転職に有利になるのでしょうか。
結論、科目合格数が増えるほど転職市場での評価は高まるものの、「何科目以上なら絶対有利」という明確な基準があるわけではありません。ここでは、合格数ごとの転職における評価の目安について説明します。
1〜2科目合格
1~2科目のみの合格であっても、簿記論や財務諸表論といった会計科目であれば一般企業への転職で有利に働く可能性は十分にあります。なぜなら、これらの科目の合格は多くの企業が求める基本的な会計・財務知識を備えていることの証明となるからです。
一方、1~2科目合格していても、固定資産税や酒税法のような特定分野に特化した税法科目の場合、一般企業ではその知識を生かしにくい傾向があります。従って、合格している科目数が少ない場合は、どの科目かによって評価度合いが大きく変わります。一般企業への転職を目指すのであれば簿記論と財務諸表論の2科目を優先的に学習すると良いでしょう。
3科目合格
税理士試験に3科目合格すると、企業からの評価は一段と高まります。実際、大手の会計事務所でも「3科目以上合格」を応募条件とする求人が多く、専門職として必要な水準とされています。
科目の組み合わせにもよって評価は変わりますが、簿記論・財務諸表論に加えて法人税法にも合格していると、経理・税務の両面で活躍できる人材として厚遇される可能性を高められるでしょう。
4科目以上合格
税理士試験に4科目以上合格していると、転職においては非常に有利であり、前職からのキャリアアップや年収アップにも期待できます。会計・税務における即戦力として、採用側もぜひ迎え入れたい人材でしょう。
また4科目合格という実績は会計・税務関連に限らず、幅広い職種への転職で有利に働きます。難関試験を複数回突破した経験から、どのような仕事においても高い目標達成力を持つ人材であると評価されやすいからです。
5科目合格(税理士試験合格)
言うまでもなく、5科目に合格すれば難易度の高い税理士資格を取得した人として高い評価を受けます。税理士法人や金融機関への転職、あるいは独立開業といった選択肢も可能となるため、一般企業に限らず幅広いキャリアパスを検討できるでしょう。
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税理士試験の科目合格を生かして転職を成功させるポイント
税理士試験の科目合格を生かして転職を成功させるためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、転職活動や面接において押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
履歴書に科目合格の実績を明記する
履歴書の資格欄に、合格した科目名と合格年を正確に記載しましょう(例:「20XX年XX月 税理士試験〇〇科目合格」)。税理士試験は難関資格であり、一部科目でも合格していれば、専門知識や継続力を十分にアピールできます。合格科目が少ないからとためらうことなく、積極的に記載しましょう。
実務経験があれば積極的にアピールする
税務・会計に関連する実務経験があれば、転職活動において大きな強みとなります。科目合格で得た知識に加えて実務経験があれば、企業からは「即戦力としてすぐに活躍できるだろう」と期待され、採用の可能性が高まります。例えば、「会計事務所で決算業務に携わった経験がある」「事業会社の経理部門で〇年間勤務し、日常経理業務を担当していた」といった経験があれば、非正規雇用であっても積極的に伝えましょう。
未経験の場合は経験をどう生かすかを示す
税理士試験の科目合格者の中には、実務経験がない状態で転職活動を始める方もいるでしょう。そのような場合、これまでの職務経験を新しい職場でどのように生かせるかを工夫して伝えることが重要です。
たとえ前職が会計と直接関係のない仕事であっても、「前職で身に付けたパソコンスキルやマネジメント能力を生かして、経理業務の効率化に貢献できる」といったように、関連付けてアピールしましょう。これにより、採用担当者もあなたのポテンシャルを評価しやすくなります。
「諦めた」という表現は避ける
科目合格者が一般企業へ転職する際には、志望動機の伝え方にも工夫が必要です。面接では、決して否定的な印象を与えないように心掛けましょう。
例えば、税理士資格の取得を断念して一般企業へ進む理由を聞かれた際、「税理士になるのを諦めたから」といった後ろ向きな理由は避けるべきです。このような理由では、消極的な姿勢で転職する人だと判断され、どんなに優秀でも採用されにくくなってしまいます。
代わりに、「これまでの経験や知識を生かして企業経営に貢献したい」「幅広い業務に挑戦し、自身のキャリアの幅を広げたい」といった前向きな動機を伝えましょう。建設的な志望理由を提示できれば、面接官に好印象を与えられます。
応募先企業のニーズを理解する
自身の科目合格を最大限に生かすためには、応募企業の事業内容や求める人物像を事前にしっかりと調べる必要があります。企業によって重視する知識や経験は異なり、会計知識を特に重視する企業もあれば、税務経験を優先する企業もあるからです。
そのため、求人票や企業のWebサイトを確認し、その企業がどのような人材を求めているのかを把握することが重要です。その上で、「御社の○○の業務において、私の□□(科目名)合格で得た知識を生かして貢献できる」と具体的にアピールすることで、より説得力が増します。応募先のニーズに合わせて強調するポイントを適切に選ぶことで、科目合格の価値を最大限に伝えられるでしょう。
まとめ
税理士試験の科目合格者は、一般企業への転職市場で十分な強みとなり得ます。特に簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法といった実務に直結しやすい科目に合格している場合、企業の経理・税務部門で評価される傾向にあります。なお、科目合格の数が増えるほど転職に有利になりますが、それだけでなく実務経験や他の職務経験との組み合わせで総合的に判断されることも押さえておきましょう。
税理士試験の科目合格を生かして転職を成功させるには、応募企業のニーズを理解することや前向きな姿勢でキャリアプランを語ることが重要です。「税理士を諦めた」ではなく「新たな挑戦として一般企業への転職を考えている」といったようにポジティブな言葉で伝えることで、面接官に好印象を与えられるでしょう。
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- 税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。
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