事業再生コンサルタントのニーズが上昇?業務内容と転職に有利な資格とは
コンサルティング業といっても、様々な仕事があるのはご存知でしょうか。
コンサルティング業界のなかでも「企業再生コンサルタント」「事業再生コンサルタント」というのは花形として扱われており、憧れる人が多い仕事です。
直近では新型コロナウィルスの影響で倒産や廃業を余儀なくされた企業も増えたこともあって、事業再生コンサルタントのニーズも増えてきており、今後、コンサルティング業に対する需要が高まることは確実といわれています。
では、事業再生コンサルタントは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。またどのような資格とキャリアを積んでいると事業再生コンサルタントとして有利になるのでしょうか。
この記事では、事業再生コンサルタントの仕事内容やなるために有利な資格、どのようなキャリアを積めば良いのか、また誰もが気になる年収はどれくらいなのか、徹底解説いたします。
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コンテンツ目次
事業再生コンサルタントとは?
事業再生コンサルタントとは、その名の通り事業を再生(再構築)するコンサルティングサービスに特化したコンサルタントです。
そもそも、事業再生とは、会社の業績が悪化していた時期から財務的に回復することを意味する言葉です。事業再生コンサルタントは、会社が、財務的な苦難や効果のない事業戦略、不始末が長期間続いた後、再び安定と収益性を取り戻すのをサポートする存在です。
事業再生コンサルタントの取り組みによって、経営計画がうまく機能するようになれば、会社の業績が好転し、好業績を回復させられるかもしれません。つまり、事業再生コンサルタントとは、業績の悪い会社を業績の良い会社へと変化させる仕事です。
事業再生コンサルタントと他のコンサルタントとの違いとしては、会社の業績が悪化した状態から会社の業績を好転させることに特化している点です。
したがって、会社の財務状態が良い場合に、よりよい会社にするために様々な方法を講じるコンサルタントと違って、業績が悪化した企業の事業面、財務面、組織・人材面など、会社組織が抱える課題を多方面から改革することで存続・再成長させることをミッションとしています。
事業再生コンサルタントの仕事内容
事業再生コンサルタントの仕事内容は多岐に渡りますが、以下のような仕事に取り組むことで会社の業績を回復させます。
経営課題の特定
事業再生を成功させるための最初のステップは、問題の原因を特定することです。業績の悪化は、プロセス、管理、資源配分の非効率性から生じている可能性があります。現状をヒアリングなどしながら分析し、問題となっている対象を特定することで、どこに時間とエネルギーを集中させるのが最善かを判断することができます。
ここでは、企業にとって課題となり得る一般的な分野を下記に紹介します。
- 資源または資金
- マネジメント
- 製品およびサービス
- システムプロセス
- マーケティングと販売
目標の共有化
事業再生戦略を成功させるためには、共通の目標にコミットすることが重要です。ブレーンストーミングや戦略を練る際に、チームの力を借りることで、さまざまな意見や解決策をサポートすることができます。
チームメンバーが責任感を共有できるような、協力的な職場環境を構築していきます。そうすることで、全員が戦略を成功させるために働けるようになります。そうした取組みをサポートすることも事業再生コンサルタントの重要な仕事の一つです。
事業再生プランの作成
問題を特定し、戦略チームのサポートを得ることができたら、ビジネスの再生能力を回復するための計画に着手します。主要な問題領域に焦点を当て、非効率を取り除くために効果的に実施できる解決策を特定していきます。
最新のビジネスモデル、販売戦略の見直し、あるいは人員削減など、実施予定のコスト削減手法を明確にします。直面している問題に対応する戦略を立てることで、実際に事業再生プロセスを実行できるようになります。
事業の安定化
黒字体質への転換は、強固な会社基盤とプラスキャッシュ・バランスの維持にかかっています。厳格な現金管理、現金創出力を高めるための資産圧縮、在庫管理の改善などが、安定した経営を回復するのに役立ちます。
安定した財務を確立するためのもう一つの鍵は、債権・債務の交渉とリストラクチャリングです。キャッシュフローを安定させた後、重要な債権者グループには、現実的な返済計画を提示します。キャッシュフローを返済に充てるための計画を概説します。
支払い可能な金額だけを支払い、長期的に持続可能な支払い計画を立てましょう。交渉の際には、事業継続のために必要な条件を明確にし、重要でない債権者とは関係を断つようにします。こうした取り組みをサポートするのも、事業再生コンサルタントの重要な仕事の一つです。
また、株式会社の中でも上場しているか非上場なのかによっても大きく計画が変わりますので注意が必要です。
収益性の回復
利益が出ることは、事業再生が成功したことを示す好材料となります。したがって、会社の収益性の回復は、事業再生コンサルタントの重要な仕事の一つです。事業再生コンサルタントは、変動費の削減や生産性の向上により、利益率を高めることに注力します。データ分析によって、売上を促進する効果的なシステムに焦点を当てた戦略を最適化することもあります。売上と原価の数字を調査して、業績の悪い販売地域を特定していきます。
売上を増やす
事業再生コンサルタントは、会社業績を回復することを重要な役割の一つとしています。追加の広告投資をすることなく、売上からより多くの収入を得られるよう、ビジネスモデルを見直していきます。
たとえば、価格を上げることで収益性を確保できるかもしれません。個々の製品やサービスの価格を上げると、既存の顧客ベースからより多くの収入を得ることができます。それは、新しいものよりも、既存の顧客に販売することが比較的容易である場合、この戦略がよりよく当てはまります。
他にも、リードのコンバージョン率を上げる取り組みも有効です。コンバージョンの向上は興味のある顧客を惹きつけ、売上の増加につながります。
顧客サービスを向上させ、売上を伸ばす方法のひとつに、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することがあります。顧客は、将来的に再訪し製品やサービスを他の人に薦める可能性が高くなるかもしれません。
事業再生コンサルタントの魅力とは
事業再生コンサルタントは事業の再生を任される存在です。会社の経営者の右腕として、会社経営に実際に携わる存在です。会社の重要な意思決定についてアドバイスを求められることも多くあります。しかも、コンサルタントとして関わっている会社は事業再生の真っ最中ですから、通常の会社よりも難しい意思決定を行わなければならない機会も多いでしょう。
そうした状況のなかで、経営者から最も頼りにされる存在が事業再生コンサルタントです。経営者が最も頼りとする存在であることに、事業再生コンサルタント最大の魅力があります。困難な仕事を任されてそれを乗り越えていくだけの専門知識と実践力が求められる仕事です。
事業再生コンサルタントになるために有利な資格
ここでは事業再生コンサルタントになるに当たって、有利な資格をご紹介します。
公認会計士
公認会計士は、監査・会計の専門家として、独立した立場において「監査証明」を出すことを主とし、「会計」「税務」「コンサルティング」の業務を行います。とくに独占業務である会計監査においては、企業の財務状況のみならず、業務フローや内部統制、事業計画や資金調達などについても多角的かつ適切に把握することが求められます。
事業再生コンサルタントも同様に企業のあらゆる状況を把握したうえで、再生計画を立案して実行支援するため、公認会計士としての知見・経験・実績は事業再生コンサルタントになるために有利といえます。
税理士
税理士は確定申告書などの税務書類を専門家としての知識と判断に基づいて作成したり、 税金に関する相談に対しアドバイスを行います。 また税金の申告のみならず、事業状況を把握するために、財務諸表や帳簿などの作成を行います。
事業再生コンサルタントも企業の現状を検討したり、事業の再生計画を策定するためには財務・税務についての視点は必要不可欠なものであるため、税理士としての知見・経験・実績は事業再生コンサルタントになるために有利といえます。
中小企業診断士
中小企業診断士は、「中小企業への経営コンサルティング」や「状況分析のうえで経営改善計画書・経営診断書の作成」が主な仕事内容です。 その業務のためには、高度な専門性、論理的思考力、コミュニケーション能力などが幅広く求められます。
中小企業診断士は経営コンサルタントとして中小企業のアドバイスを行うことが主な仕事であるため、中小企業診断士としての知見・経験・実績は事業再生コンサルタントになるために有利といえます。
事業再生コンサルタントの年収(給与)
事業再生コンサルタントの年収(給与)水準は、他のコンサルティング業と比較しても高い水準にあります。他のコンサルタントよりも、高度な専門知識、スキル、経験・実績に加えて、会社の経営を立て直すために、長期間に渡って会社業務をサポートしなければなりません。
したがって、年収1,000万円以上となるケースも少なくありません。事業再生コンサルタントとして独立した場合、それ以上の年収(給与)も見込めます。
高い年収を目指すのであれば、事業再生コンサルタントはおすすめできる仕事であると言えます。しかし、それだけの激務であるということは理解しておきましょう。
日本の事業再生コンサルティングで有名な企業
事業再生コンサルティングサービスには、高度な専門知識と経験・実績が求められます。事業を再生する会社の規模が大きくなればなるほど、一人の能力だけでは対応できないことも多いため、多くの事業再生コンサルタントはチームで事業再生に携わっています。
コンサルティング会社にも大小ありますが、こちらは代表的なコンサルティング企業になります。
コンサルティング会社とは知らずとも、企業名は耳にしたことがある方も多いでしょう。
- PwC(プライスウォーターハウスクーパース)
- EY(アーネストヤング)
- KPMG(ケーピーエムジー)
- デロイト トーマツ
- アリックスパートナーズ
- 経営共創基盤
- フロンティア・マネジメント
上記からも、事業再生コンサルティングで有名なコンサルティング会社の多くは BIG4コンサルティングファームであることががわかります。
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事業再生コンサルタントとして転職する方法は?
すでに説明したように、事業再生コンサルタントとして活躍するためには、高度な専門知識、スキル、経験・実績が必要です。
事業再生コンサルタントになるためには、これらを満たす必要があるため、もともと、弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士など、高度な専門知識によって経営課題を解決する業務を行っていた方が有利です。したがって、弁護士法人、監査法人、税理士法人など、専門職が働く会社から転職するのが、事業再生コンサルタントとなるための最も近道であると言えます。
事業再生コンサルタントへの転職なら会計求人プラス
この記事で事業再生コンサルタントについて理解を深めていただけたと思います。コロナ禍により、今までの方針を大きく転換しなくては生き残れないという企業も増えました。様々な経験・実績や知見がある事業再生コンサルタントは、この現代において必要とされているニーズの高い職種なのです。
企業は存続することを目指し、拡大することを夢見て事業を継続することを目標としているものです。しかし、その経営が傾いたり、存続があやくなったりした際に事業再生コンサルタントが企業の抱える悩みや課題を解決するという、企業の未来を守るためにもコンサルティング会社は重要な存在なんです。
激務でありながらも、やりがいもある事業再生コンサルタント、なるために必要なことも多いのですが、目指すだけの価値も意義もある仕事です。そのためにも、税理士や公認会計士として業務経験・実績を積むことはもちろん、様々な知見を積みながら事業再生コンサルタントへのキャリアプランを計画してみてください。
コンサルティング会社での経験や実績は、貴方のキャリアパスにも役に立つはずです。しかし、コンサルティグ会社も様々ありますので、転職するための求人の選択を間違えると大変です。きちんとコンサルティング業界の知識を持っている転職支援サービスでないと、そもそも貴方の希望の条件を理解できないかもしれまません。
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投稿者情報
- 税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。
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