税理士に向いている人とは?意外な適性から実際に求められるスキルまで
2023/11/01
税理士は税務の専門家であり、税務・会計に関する高度な専門知識が必要不可欠であるのは想像に難くないでしょう。
しかし税務・会計の専門知識さえあれば、税理士になれる・税理士として成功できるわけではありません。税務・会計の専門知識は税理士に最低限必要なものであり、それ以外にも様々なスキルが求められます。また、税理士に向いている性格や気質が存在するのも事実です。
税理士の向き不向きや適性を知らずにいると、せっかく税理士になれたとしても、後になってギャップに苦しんでしまう恐れがあります。
今回は税理士に向いている人の特徴や必要なスキルなど、適性を判断する上で押さえるべきポイントを紹介します。
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コンテンツ目次
税理士に向いている人
税理士に向いている人の大まかな特徴・傾向の具体例は以下の通りです。
- 学ぶことが好きな人
- 几帳面な人
- 倫理観・正義感が強い人
- コミュニケーション能力の高い人
それぞれ、税理士に向いているといえる理由を解説します。
学ぶことが好きな人
税理士の資格を得るためには、税理士試験で5科目に合格しなければなりません。試験の難易度は非常に高く、税理士資格を取得するまでにかなりの勉強が必要であることは多くの人がご存じでしょう。
しかし税理士試験合格後も、税制改正や情勢・市場の変化などに対応するために勉強を続ける必要があります。税知識以外のさまざまな知識やスキルを身につけるためにも日々勉強が必須です。
税理士登録後も勉強を続ける必要があるからこそ、学ぶことが好きな人は税理士に向いているといえるでしょう。
几帳面な人
税理士の仕事内容は、細かな数字を扱う・厳密な計算をする・正しい税法を用いるなど、地道なものが多いです。小さなミスがトラブルにつながる恐れもあるため、入力内容や作成した書類の入念なチェックも欠かせません。
税理士の仕事は正確さが求められるからこそ、几帳面な人に向いています。
倫理観・正義感が強い人
税理士は節税や経営に関する相談を受ける機会も多いです。そして、アドバイスを行う際は税法やルールに従うことが大前提となります。たとえクライアントの要望を満たしきれない場合でも、脱税を始めとしたルールに反する行為は厳禁です。
税理士には、クライアントの意向に沿えなくても法の順守を最優先にする、そんな倫理観・正義感の強さが求められます。
コミュニケーション能力の高い人
コミュニケーション能力の高い人も、税理士に向いている可能性が高いです。
税理士はクライアントの税務相談や経営コンサルティングなど、コミュニケーションの機会も多々あります。相手の不安や悩みを正しく汲み取り、適切なサポートを行うためには、理解力と提案力の両方が必要です。
以上の理由から、コミュニケーション力が高い人も税理士の適性があると考えられます。
税理士に向いてない人
税理士に向いていない人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
- 大雑把、細かい作業が苦手
- 仕事を抱え込んでしまう
- コミュニケーション能力が極端に低い
上記の特徴を持つ人がなぜ税理士に向いていないのか、理由を詳しく解説します。
大雑把、細かい作業が苦手な人
前章で税理士の仕事は正確さが求められ、入念なチェックも欠かせないと紹介しました。そのため、大雑把な人や細かい作業が苦手な人には、税理士の仕事はストレスが大きすぎる恐れがあります。
仕事を抱え込んでしまう人
仕事を抱え込んでしまう人も、税理士に向いていない恐れが大きいでしょう。
一口に会計・税務関連の業務といっても、以下のようにさまざまな仕事が挙げられます。
- 仕訳入力や仕訳登録などの単純な会計処理・会計事務の代行
- 税務署や自治体へ提出する書類の作成
- 財務諸表の分析および財務状態・課題の適切な把握
- 決算書や申告書の作成
- 確定申告の代行
- 税金の計算
確かに税理士にしかできない仕事もありますが、税理士補佐や入力スタッフが対応して問題ない仕事も少なくありません。そのため税理士の役割を果たすためには、仕事を上手く周りに任せ、税理士にしかできない仕事に集中できる環境を作ることが大切です。
周りの人に仕事をお願いするのが苦手な人は、自分の仕事量が必要以上に多くなってしまい、税理士業務に集中できず非効率になってしまいます。そのため、仕事を抱え込んでしまう癖がある人にも税理士はおすすめできません。
コミュニケーション能力が極端に低い人
コミュニケーション能力が極端に低い人は、伝えるべきことを正確に伝えられない・相手の話を理解しないまま仕事を進めてしまうといった事態が起こり得ます。
税理士が行うコミュニケーションは、節税や経営といった会社の今後に関係する大切な内容に関するものが非常に多いです。そのため、コミュニケーション能力が低く会話の中で誤解や間違いを招く恐れが大きい人は、税理士には向いていないと考えられます。
税理士に必要不可欠なスキル
税理士向いている人の特徴に当てはまるからといって、必ずしも税理士になるべきとは限りません。税理士になるためには、税理士に必要不可欠な以下のスキルを持っている必要があります。
- 会計・税務の知識
- 経営学
- 提案力
なぜ上記のスキルが税理士に必要不可欠であるのか、詳しく解説します。
会計・税務の知識
税理士は税務の専門家です。そのため当然、税金や税法といった税務の専門知識が必要となります。税務との関係性が強い会計分野についても、高度な知識が求められます。
なお税理士試験では会計・税務の高度な内容が問われるため、そもそも会計・税務の知識がなければ税理士資格は取得できないでしょう。
経営学
税務・会計と深く関連する分野である経営学の知識も必要です。
お金の動きは経営に大きな影響を与えます。税務や会計に関する対応はお金を動かすものであり、お金の動きが生じれは経営にも何らかの動きが発生します。すなわち税務・会計の助言や説明を行う際は、経営についても考慮する必要があるのです。
なお税理士はクライアントから税務・会計だけでなく、経営そのものに関する相談を受ける場面も多々あります。税理士は税務の専門家ではありますが、実務上は経営コンサルタントの役割も求められる職業です。
提案力
税務相談ではクライアントの話を聞くだけではなく、悩みや課題を正しく汲み取った上で、解決につながる提案を行う必要もあります。
提案の内容が課題に沿わない不適切なものでは、クライアントとの信頼関係が崩れる恐れが大きいです。また、税理士が自分のアイディアに自信を持っていない場合も、適切な提案ができません。このような状況では、クライアントが抱える課題の解決につながらないでしょう。
税理士が税務・会計面でクライアントを適切にサポートするためには、広い意味での提案力も必要不可欠です。
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活躍できる税理士になるスキル
前章で紹介したスキルは、税理士に最低限必要といえるものです。活躍できる税理士になるためには、先ほど紹介した3つのスキル以外にも、様々なスキルが求められます。
活躍できる税理士になるために必要なスキルを4つ紹介します。
営業力
税理士は税務に関する独占業務を有する士業であり、業界や法人・個人といった形態を問わず高い需要を誇ります。しかし何もせずに勝手に依頼が入るわけではありません。顧客を獲得するためには、宣伝や営業を行い、自分を選んでもらう必要があるのです。
営業力の強い税理士は顧客を獲得できる可能性が高くなり、結果として税理士としての売上や実績をどんどん増やしていくでしょう。
グローバル化への適応
近年、グローバル展開を行う企業は非常に増えています。そのため語学力や国際的な税務知識を持つ税理士の需要は高まりつつあります。
語学力や国材税務の知識は、日本国内の税務に対応するだけでは身に付きません。グローバルな知識を身につけようとする積極的な姿勢や自主的な勉強が必要です。
そして、語学力や国際税務の知識が身に付けば、税理士として活躍できる場面が広がる可能性が高いでしょう。
上記の理由から、活躍できる税理士になるためには、グローバル化への適応力も求められるといえます。
顧客の業種に関する知識
一口に税務・会計といっても、業界や業種によってルールや傾向に違いがあります。より適切な対応を行うためには、顧客の業種に関する知識も必要です。
また、経営面でのアドバイスにも業界・業種の深い知識が欠かせません。言い換えると、顧客の業種に関する知識があればあるほど適切なアドバイスができるようになります。
結果として、サービスの向上や信頼の獲得につながるでしょう。
ITやシステムの知識
現代社会は非常に多くの場面でIT技術やシステムが活用されています。より活躍できる税理士になるためには、ITやシステムの知識も必要不可欠といえるでしょう。
税理士に関係するIT・システム技術として、以下の例が挙げられます。
- 業務効率化関係(業務自動化ツール、タスク管理ツール、コミュニケーションツール等)
- ネットバンキング
- クラウド会計ソフト
上記に加え顧客の業界・業種に関係するITツールの知識があると、より良いサポートができるでしょう。
会計事務所の雰囲気も関係する?
税理士として快適に働けるか・活躍できるかは、職場である会計事務所の雰囲気も関係します。ある事務所では力を発揮できなかった税理士が、転職先では強みを活かして活躍するというケースが珍しくありません。
会計事務所によって、組織の方針や雰囲気は様々です。特に個人が運営する税理士事務所は規模が小さいため、所長税理士の気質や考え方が色濃く出ます。
税理士法人は規模が大きいため、たとえ所長でも一人の人間が事務所全体に与える影響はそれほど強くありません。それでも事務所によって雰囲気が違うのは事実です。経験の有無や事務所内での立場も、働きやすさ・働き方を左右します。
たとえ職業としての適性がありスキルが高い人でも、自分に合わない職場では力を発揮することはできません。それは税理士でも同じです。
税理士として活躍できない・仕事に対する自信がないと悩んでいる場合、職場が合わないという理由も有り得ます。特定の職場に固執せず、転職するのも一つの選択肢です。
税理士に向いている適性を知りつつ、自分に合った働き方を考える
税理士のような専門職では、性格や適性によって少なからず向き不向きがあるのは事実です。しかし税理士として活躍できるか、理想的な働き方ができるかは、適性だけでは決まりません。クライアントや業務内容、職場の環境によっても大きく変わります。
税理士が向いてないと感じる人でも、環境を変えることで大きく好転する可能性も有り得ます。
税理士に向いている適性を知ることは大切ですが、向いていないからといって必ずしも諦める必要はありません。税理士になりたいと考えるのであれば、とにかく早く勉強をはじめることが大切です。
資格取得後、税理士として働くうちに「やっぱり向いていないかも」と感じたときに、改めてキャリアについて考えるのも良いでしょう。キャリアプランのプロである転職エージェントに相談するのもおすすめです。
適性やスキルの有無だけで職業を決めるのではなく、自分に合った働き方を考えることが大切です。
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投稿者情報
- 公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。
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