
社会人から公認会計士を目指す!勉強法やメリットを解説
社会人になってから難関資格である「公認会計士を目指したい」と感じた場合は、まず十分な情報収集を行うことが重要です。
というのも、公認会計士試験は「三大国家資格」のひとつに数えられ難易度が非常に高いため、試験突破のための効率的な勉強方法や仕事との両立の仕方などを事前にしっかり把握しておく必要があるからです。
そこで、今回は社会人受験生が公認会計士を目指す際のメリット・リスクや、社会人に合った学習スタイル、必要な学習時間、合格までのスケジュール、さらには最新の転職市場の傾向についても内容に含めて徹底解説していきます。
年代・時期やライフスタイルによって学習や転職の進め方が異なるため、自分に合った方法を選ぶためにも段階的に情報を確認しながら着実に戦略を立て判断していきましょう。
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コンテンツ目次
社会人から公認会計士を目指す人が増加している
最初に確認しておきたいのが、昨今公認会計士資格の人気が高まる中で社会人の受験者数も増加傾向であるということです。社会人の平均年齢は大体29歳であるとされ、30代も多くいるとされています。
公認会計士の社会人の受験者数
社会人の受験者数の推移
試験情報として公認会計士・監査審査会が公表している『令和6年公認会計士試験合格者調』というデータの「職業別合格者調査」のうち、「会計士補」「会計事務所職員」「税理士」「会社員」「公務員」「教員」「教育・学習支援者」に該当する人を「社会人」とみなして集計した結果は、以下のとおりです。
年度 | 出願者数 |
---|---|
2020年 | 3,812 |
2021年 | 3,763 |
2022年 | 4,796 |
2023年 | 4,918 |
2024年 | 5,245 |
属性別の出願数
令和6年の属性別の出願数と割合は以下の通りです。
区分 | 出願者 | 割合 |
---|---|---|
会計士補 | 46 | 0.21% |
会計事務所員 | 848 | 3.93% |
税理士 | 44 | 0.20% |
会社員 | 3,485 | 16.15% |
公務員 | 717 | 3.32% |
教員 | 36 | 0.17% |
教育・学習支援者 | 69 | 0.32% |
学生 | 9,307 | 43.14% |
専修学校・各種学校受講生 | 1,501 | 6.96% |
無職 | 4,156 | 19.26% |
その他 | 1,364 | 6.32% |
合計 | 21,573 | 100.00% |
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社会人の公認会計士合格率
合格率は全体を下回る
令和6年度は全体の平均合格率が7.4%であることを踏まえても、会社員や公務員などの社会人層における合格率は、基本的に5%程度とやや低めにとどまっています。
これは時間に余裕があり学習時間を比較的確保しやすいという、社会人との違いがある大学生などの受験者が全体の合格率を押し上げていることが主な要因と考えられます。
とはいえ、社会人は年齢的にも時間的な制約があることによりハンデはあり合格は簡単ではないものの、それでも約20人に1人が最終合格に至っているという事実は見逃せません。
つまり、上記のように計画的な学習スケジュールを立て、日々のスキマ時間を有効に使うなどの工夫を取り入れれば社会人であっても公認会計士試験の合格は十分に現実的な目標になり得るということです。勉強に専念するのではなく、何年かかっても社会人と両立しながら合格を勝ち取るという強い気持ちをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
社会人から公認会計士へとキャリアチェンジできれば、多くの恩恵を受けられる可能性もあります。日々の努力を積み重ねながら自信を持ってチャレンジしてみてください。
社会人から公認会計士を目指す強み
社会人としてキャリアを積んだ後に公認会計士へ転職する利点のひとつは、それまでに培ってきた前職の「実務経験」にあります。
会計分野一筋のキャリアに比べて、異業種での経験を持っていることは視野の広さや柔軟な発想力といった点で強みとなります。
特に、会社員時代に営業、マーケティング、新規事業の立ち上げといったフロントラインで成果を上げてきた人は公認会計士資格を得た後に他の会計士との差別化を図りやすくなります。
(もちろん、経理や総務などのバックオフィス業務の経験も非常に価値があります)
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社会人が公認会計士を取得した場合のメリット
多忙な社会人が限られた時間の中で膨大な勉強時間を捻出してでも公認会計士を目指すのには、それだけの価値があるといえます。
ここからは公認会計士を目指す上で得られる主なメリットを3つご紹介します。
この資格に関心のある方は、ぜひその魅力を知って学習へのモチベーション向上に役立ててください。
収入のアップが狙える
公認会計士は、一般的に高収入の職業として知られています。
厚生労働省の調査によると、公認会計士の平均年収は約1,010万円とされています。これは日本の会社員全体の平均年収(約450万円)と比較して2倍以上の水準です。
特に大手監査法人に勤務する場合、新人の段階から年収500万〜650万円ほどになるケースもあり、キャリアのスタート時点で高収入を見込むことが可能です。
なかには年収1,000万円を大きく上回る公認会計士も存在するため、全体として収入水準が非常に高い職種といえます。
このように公認会計士になることで収入面にて大きなメリットを得られるのは、大きな魅力の一つです。
キャリアの選択肢が増える
社会人として働きながら公認会計士を目指すことは単なる資格取得にとどまらず、将来のキャリアの可能性を広げる大きな意義があります。特に仕事と学習を両立することで日々の実務経験と学んだ知識を結びつけながら習得できるため、理論と実践のバランスが取れたスキルを身につけることができます。
このような経験は資格取得後に現場で即戦力として活躍する上でも大きな強みとなります。また、仕事を続けながら努力を積み重ねる過程は自分自身の意思の強さや課題を乗り越える力を養う絶好のチャンスでもあり、成長を実感しながらキャリアアップを目指せる点も大きな魅力です。
社会的信用度が高くなる
公認会計士試験は「三大国家資格」の一つに位置付けられており、合格することで高い専門性と社会的な信用を手に入れることができます。この資格を取得すると会計・監査・税務をはじめとした幅広い分野でキャリアの選択肢が大きく広がります。
また、公認会計士の資格は監査法人や税理士事務所に限らず企業の経理・財務部門、さらにはコンサルティング業界でも高い需要があります。すでに社会人としての実務経験をお持ちの方であれば、その経験と会計士としての専門知識を掛け合わせることで経営改善や戦略立案など、企業の中核に関わるような役割を担うことも可能になります。
このように、公認会計士資格は専門性だけでなくキャリアアップの可能性を大きく広げる強力な武器となります。
景気に左右されにくい
公認会計士は景気の変動にあまり影響されにくい安定した職業として広く認識されています。企業の監査や税務対応といった業務は経済環境に関係なく継続的に求められるため、職業としての安定性が高いことが魅力です。
さらに会計基準や税制は時代とともに見直されていくため、それに対応できる専門家としての公認会計士のニーズは常に存在しています。こうした背景から、公認会計士は長期的に安定した需要を見込める職種といえるでしょう。
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社会人が公認会計士の勉強を行う方法
専門学校や予備校に通う
公認会計士の勉強を始めたばかりの方や独学ではモチベーションが続かない方には、予備校に通う通学コースの公認会計士講座での講義を受けることをおすすめします。
予備校では経験豊富な講師からテキストを利用して直接指導を受けることができ、他の学習方法よりも公認会計士に関する理解を深めやすくなります。また、同じ目標を持つ仲間たちと一緒に学べるため切磋琢磨しながら勉強を進めることができ、モチベーションを保ちやすいです。予備校では短答式・論文式本試験の合格に向けた質の高い教材が整備されており、確実に合格を目指すことができます。最短で合格を目指す方や、本気で公認会計士を目指す方には特に効果的です。
ただし、予備校は対面授業が中心なので仕事後に通える場所を選ぶことが重要です。また、他の学習方法と比べると費用がかかるため自分の予算に合った予備校を選ぶようにしましょう。
予備校選びのポイントは通いやすい距離や時間帯、費用のバランスです。無理に通うと時間やお金の面で困難が生じ、勉強が続かなくなってしまうことがあります。自分の生活スタイルに合わせて無理なく続けられる予備校を選び、合格を目指して努力を重ねてください。
独学で勉強する
仕事の都合でスクールや通信講座を受講する時間が取れない社会人の中には、独学で学習を進める方も多く見られます。
予備校に通いたくてもスケジュールが合わなかったり、費用面で難しいという理由からやむを得ず独学を選択するケースも少なくありません。
最近ではDVD形式の通信教材やYouTubeなどの動画コンテンツといった、独学向けの無料学習ツールも充実しています。独学の大きな利点は自分のペースで学習できる点と、時間にとらわれずに勉強できることです。そのため、忙しい社会人でも仕事と両立しながら効率的に学ぶことが可能です。
通学や受講にかかる時間や費用に不安がある方でも、こうした無料リソースを活用すれば公認会計士試験の対策は十分に可能です。あきらめず、ぜひ一歩踏み出してみてください。
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社会人が公認会計士試験合格に必要な勉強時間
公認会計士試験に合格するためには、「1日5〜6時間の勉強を1年半から2年以上続ける必要がある」と言われています。
公認会計士試験は日本の三大国家試験のひとつとして位置づけられているため、合格には膨大な勉強時間が求められます。
もちろん、司法書士や簿記などの知識がある方はその分だけ学習時間を短縮することができます。
それでも社会人が毎日5〜6時間もの勉強時間を確保するのは非常に難しいことです。さらに、忙しい仕事の合間に「継続的に」学習を進めること自体が大きな挑戦となります。
そのため、社会人が公認会計士試験に挑戦する場合、最も重要な課題は「モチベーションを維持しながら、いかにして勉強時間を確保するか」にかかっています。
まとめ:公認会計士を目指せる職場環境を整えよう
社会人が目指すには職場の協力が条件になる部分があり、周囲の理解や支援が大きな役割を果たします。特に資格取得を目指す場合、そのために必要な時間やリソースを確保するためには職場の協力が重要です。
時には合格前でも転職を希望して実行できる場合もありますが、その際も新しい職場のサポートや制度が大きな影響を与えるでしょう。勉強時間をしっかりと確保できる環境を整えることが非常に重要で、そのためには会計求人プラスに相談することを検討してみるのも一つの方法です。
会計業界には勉強と仕事のバランスを取るために理解のある企業が多く存在しており、こうした環境を活用することで、より効率的にキャリアを築くことができるかもしれません。
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投稿者情報

- 現役公認会計士・税理士
- 公認会計士資格を取得しており、現役で公認会計士として仕事をしています。税理士資格も持っていますので、財務、会計、税務、監査などの専門的な業務経験も豊富にあります。ライターとして5年以上執筆しており、専門的でリアルな内容が好評いただいています。
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