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税理士になるための基礎知識

税理士の資格取得方法とは?受験資格や合格への道のりを解説!

2022/06/17

税理士の仕事は、企業が存在し税法がある限り需要はなくなりません。また、税務の知識に長けているとコンサルティングにも活用できるため、さまざまな分野で活躍が期待できます。加えて、税理士は独占業務を行う仕事であり、安定して業務が得られる点が特徴です。そのため、多くの人が税理士の資格取得を目指しています。

税理士になる方法は1種類だけでなく、さまざまな方法があります。今回は、税理士の資格を得るための基礎知識と、合格を勝ち取るための方法について解説します。

税理士になる方法とは

税理士資格を得るためには、基本的に税理士試験に合格しなければなりません。また、税理士試験を受けるためには、まず受験資格を満たす必要があります。受験資格は、「学識」「資格」「職歴」の3つに分けられており、いずれかに該当すれば受験が可能です。しかし、税理士試験に合格したからといって、すぐに税理士の資格が得られるわけではありません。試験に合格した後に2年間の実務経験が必要です。

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税理士試験の受験資格とは

税理士試験の受験資格の詳細

税理士試験は、どんな人でも受験ができるものではありません。受験資格を得るためには、「学識」「資格」「職歴」といった3つの条件のうちいずれかを満たす必要があります。それぞれに細かな基準が設けられているため、自分が該当するかどうかを確認するようにしましょう。続いては、税理士試験の受験資格について解説します。

学歴に関する受験資格

学歴で税理士の受験資格を満たす方法として、大学や短大、専門(専修)学校で法律学もしくは経済学に属する科目の単位を取得する方法があります。また、大学3年以上で法律学や経済学などの単位を含む62単位以上を取得するのも1つの方法です。国税庁が発表した「令和2年度(第70回)税理士試験結果」によると、大学卒の受験者の割合が最も多い結果でした。(※1)

※1 国税庁「令和2年度(第70回)税理士試験結果」

資格に関する受験資格

税理士試験の受ける条件として、日商簿記1級もしくは全経簿記検定上級に合格することが挙げられます。ただし、全経簿記検定に関しては、昭和58年度以降の合格者に限られている点には注意が必要です。シンプルな受験資格ではありますが、どちらも難度の高い試験であり、簡単に合格はできません。そのほか、会計士補もしくは会計士補となる資格を持っている人も税理士試験の受験資格があります。

職歴による受験資格

税務の補助業務に2年以上従事して、実務経験を積むことで受験資格を得ることも可能です。税理士として働くためには、税理士試験の合格に加えて、2年間の実務経験が必要になります。この実務経験は税理士試験の合格前でも問題ありません。税理士事務所や会計事務所などで働きながら勉強をすれば、合格後に実務経験を新しく積む必要もないでしょう。また、官公署において国税や地方税に関する事務に2年以上従事した場合も、受験資格を得ることができます。

税理士試験の勉強をする前にしたいこと

税理士試験は難度が高い試験をいわれているため、事前に計画を立てて勉強することが大切です。多くの人が何度も挑戦をして合格を勝ち取ります。ここでは、税理士試験の勉強をする前に押さえておきたいポイントを紹介します。

まず試験科目から知ろう

税理士試験では会計学2科目、税法9科目の中から5科目に合格する必要があります。会計学は「簿記論」と「財務諸表論」があり、どちらも必修科目です。税法9科目のうち「所得税法」もしくは「法人税法」はいずれか1科目が必修となっています。残りの7科目は「相続税法」「消費税法または酒税法」「国税徴収法」「住民税または事業税」「固定資産税」です。

税理士試験では、科目合格制が導入されているため、一度に全ての科目に合格する必要はありません。一度合格した科目はその後も有効になるため、翌年以降は未取得の科目を受験する流れになります。

税理士試験に合格するためには、過去問を上手に活用するのが大切です。過去問は、国税庁の公式HPからダウンロードすることが可能です、税理士試験を受験しようと考えている人は、ぜひ確認してみてください。また、税理士試験では科目選びもポイントとなります。どの科目を選んだらいいかわからない人は、以下のページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

「税理士試験は科目の選び方が重要!合格に近づく選択方法とは?」

受験科目が決まった後は、それぞれの科目に合った勉強方法を押さえることが大切です。例として、「財務諸表論」の勉強方法について、以下のページで紹介しています。また、「会計業界topics」では、各科目における解説記事を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。

「税理士試験科目の財務諸表論とは?試験内容と勉強方法を徹底解説!」

合格基準について知っておこう

税理士試験の合格基準は、それぞれの科目で60点以上と公表されています。また、科目合格に関して、会計学に属する「簿記論」と「財務諸表論」および、税法に属する9科目のうち3科目の合計5科目に達することが条件です。1年で全ての科目に合格するのは難しく、多くの人が数年かけて合格を目指します。

具体的には、必修となっている簿記論や財務諸表論は合格するためにはそれぞれ500時間以上の勉強が必要といわれています。科目によって勉強時間が異なるものの、膨大な時間が必要となる点は間違いないといえるでしょう。学習計画をしっかりと立てて、効率的に合格を目指しましょう。

税理士試験の合格には、いくつか方法がある

税理士試験の合格には、会計2科目・税法9科目の中から5科目(会計2科目は必須、税法は所得税法か法人税法が必須科目)の合格が必要になります。試験は科目合格制が取られており、一度科目合格をすれば取得後の有効期限はありません。合格率は10%程度が中心で、大半の人が年に1~2科目を受験して数年をかけて合格を目指します。

税理士の資格取得は税理士試験の5科目合格以外に、一部免除や全部免除による取得も可能となっています。

科目免除される条件 免除される科目
公認会計士 全科目
弁護士
国税専門官として23年以上勤務
国税専門官として10年以上勤務 税法科目
会計大学院(専門職大学院)で会計学に関する修士の学位取得
※会計科目に1つ以上合格している
残る会計系の科目
会計大学院(専門職大学院)で税法に関する修士の学位取得
※税法科目に1つ以上合格している
残る税法系の科目
会計大学院(専門職大学院)で会計学に関する博士の学位取得 会計科目
会計大学院(専門職大学院)で税法に関する博士の学位取得 税法科目
国税(または地方税)に関する法律の立案に関する業務に10年従事
※法律の立案以外の業務の場合は15年
国税(または地方税)に関する税法科目
国税(または地方税)に関する法律の立案に関する業務に15年従事
※法律の立案以外の地方税業務の場合は20年
税法科目
国税(または地方税)に関する法律の立案に関する業務に23年従事
※法律の立案以外の地方税業務の場合は28年
会計科目

試験の全部免除

次に該当する場合は、税理士試験の全科目が免除されます。

全科目免除は受ける条件が非常に厳しいため、免除を狙って受けるというのは現実的ではないでしょう。公認会計士からの転向は唯一現実味を帯びていますが、公認会計士試験は税理士試験とは別の意味で高難度でもあるため、監査業務に興味がないまま合格できるような試験ではありません。

・公認会計士
税理士試験に合格する必要はありません。また、公認会計士登録をしていなくても、公認会計士になる資格を得ていれば条件は満たされます。ただし、平成29年4月1日以降の試験合格者については、国税審議会指定の税法に関する研修を修了する必要があります。

・弁護士
税理士試験に合格する必要はありません。また、弁護士登録をしていなくても、弁護士になる資格を得ていれば条件は満たされます。

・国税専門官として勤務する
国税調査官・国税徴収官・国税査察官は10年以上の勤務で税法3科目の試験が免除され、23年以上の勤務で全科目の受験が免除されます。

試験の一部免除

次に該当する場合は税理士試験の一部科目が免除されます。一部免除には使いやすいものがいくつかあり、大学院・会計大学院による試験一部免除は学費こそかかるものの、試験合格という不確実性を避けられるのがメリットです。

・国税専門官として勤務する
国税調査官・国税徴収官・国税査察官は10年以上の勤務で税法科目の試験が免除され、23年以上の勤務で全科目の受験が免除されます。税法科目が免除される10年の間に会計2科目の合格を持っていれば、免除認定の段階で税理士試験の免除合格になります。

・会計大学院(専門職大学院)で修士を取得する
会計大学院(専門職大学院)で修士論文を執筆して修士の学位を取得すると、1科目以上合格している関連科目の免除を受けることができます。会計科目1科目の合格に加えて、会計学に関する修士の学位取得で会計科目の試験が免除されます。税法科目1科目の合格に加えて、税法に関する修士の学位取得で税法科目の試験が免除されます。

・大学院で修士または博士を取得する
大学院で研究により修士の学位を取得すると、1科目以上合格している関連科目の免除を受けることができます。大学院で研究により博士の学位を取得すると、関連科目の免除を受けることができます。会計科目1科目の合格に加えて、会計学に関する修士の学位取得で会計科目の試験が免除されます(博士の場合、科目合格は不要)。税法科目1科目の合格に加えて、税法に関する修士の学位取得で税法科目の試験が免除されます(博士の場合、科目合格は不要)。

・国税に関連した業務に従事する
税務署など、官公署において国税や地方税に関する業務に従事することで、科目免除を受けることができます。国税(または地方税)に関する法律の立案に関する業務に10年従事すると、国税(または地方税)に関する税法科目が免除されます。(※「法律の立案」以外の業務の場合は15年)

従事の期間が15年以上の場合、税法科目が免除されます(※法律の立案以外の地方税業務の場合は20年)。従事の期間が23年以上の場合、会計科目が免除されます(※法律の立案以外の地方税業務の場合は28年)。※23年(または28年)の勤務で税法科目・会計科目の両方が免除され、全科目免除に相当します。

選択した科目によって合格の評価が変わる?

科目の選択は重要

税理士試験は科目合格制を採用していることもあり、どの科目を選択して合格するかによって雇用先の評価が変わります。いわゆる官報合格という、税理士試験で5科目に合格した場合は、最も高評価が得られるでしょう。加えて、選択科目が就職先の業務内容に合ったものであれば、より評価が上がります。例えば、法人税法や消費税法、相続税法などに合格していると、多くの事業所から高評価を受けるでしょう。

一方、酒税法のように比較的短い勉強時間で合格できる科目は、実務で使うチャンスが少ないです。そのため、官報合格をしていたとしても他の科目の合格者と比較されて、評価が下がる可能性があります。

合格後もやることが多い

税理士試験に合格したからといって、すぐに税理士として登録されるわけではありません。合格後にやることが多くあります。まず、税理士業務を行うためには名簿登録が必要です。名簿登録にあたって、税理士登録申請書や登録免許税の領収書などの必要書類一式が必要となる上に、書類提出から完了まで最低でも2ヵ月の期間を要します。このように合格後もやることが多いのが税理士資格の特徴です。詳細は以下のページで紹介していますので、ぜひご覧ください。

「税理士試験をパスしたら必見!税理士名簿に登録する方法とは」

税理士になるための方法は1つではない

先にも挙げていますが、税理士になるには試験合格とは別に2年以上の実務経験が必要になります。

いくつかのルートはありますが、基本的なキャリアは税理士事務所で働きながら税理士試験の科目合格を重ねて合格を取る方法です。官報合格を目指すのか、免除合格で税理士資格を急ぐのか、家族や所属事務所に相談しましょう。自分のキャリアプランとして、十分に検討しておくのが理想です。

公認会計士から税理士になるキャリアについては、公認会計士試験の難易度と資格取得までの所要年数、その後に税理士に転向する場合の実務経験といった課題について、しっかりとスケジュールを決めて取り組むことが大事です。公認会計士試験は税理士試験と異なり科目合格制ではないため、短答式試験の免除制度はありますが一度の受験で合格しなければならない範囲が広く、働きながらの試験合格は難しいといわれています。

公認会計士になるにも実務経験が必要なため、税務に辿り着くまでに時間が必要となります。この方法で税理士を狙うのは新卒のような公認会計士試験の合格者中心層向けで、異業種転換をされる人などには向かないでしょう。国税OBから税理士を目指す場合は全科目免除ではなく、勤続10年の税法科目免除と在職中の勉強で会計科目の合格を狙う人が税理士としての活躍の幅は広くなるでしょう。

税務調査への対応を主軸とする税理士を考えている場合は、そのまま23年勤務で税理士試験の全部免除を取ってもセカンドキャリアがあるといえるでしょう。いずれにせよ、国税管理官の採用には年齢制限(21歳以上30歳未満)や10倍近い競争率などのハードルがありますので、税理士になる前提で就職をするものではありません。就職後に税理士に興味を持った場合に検討するのが良いでしょう。

自身のキャリアパスをよく検討して試験に挑む

自身のキャリアプランを検討して試験に挑む

ここまでの説明で、税理士試験への挑み方の対応方法は検討できたでしょうか?

ただ試験を受ける方法以外にもいくつか道がありますし、計画していたキャリアの途中で税理士へ転向することを考えた場合などは一部免除を視野に入れることも有効でしょう。しかし、免除制度を利用する際には注意も必要です、免除しようとしている科目の知識が備わっていれば大きな問題はありませんが、あまり理解していない状態で免除してしまうと、晴れて税理士になれた後に、必要な知識が備わっていないということもあります。

5科目合格し、やっと受験勉強から開放されたと安心していたとしても免除した科目の知識を得るため勉強を続けなくてはならないということも理解した上で免除制度を活用しましょう。

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